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申請の基礎

小規模事業者の定義:従業員5人・20人の線と「常時使用する従業員」の数え方、補助金ごとの違い

小規模事業者は、業種ごとに「常時使用する従業員の数」が5人以下または20人以下の事業者です。持続化補助金・新事業進出・ものづくり補助金・省力化投資補助金・デジタル化・AI導入補助金の公募要領で、範囲・数え方・小規模だと変わる補助率・途中で範囲を外れたときの扱いを並べます。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

小規模事業者の定義小規模は5人か20人か補助金ちず
写真: Mediamodifier(Unsplash)

小規模事業者は、補助金の公募要領では多くの場合、業種ごとに常時使用する従業員の数が5人以下または20人以下の会社・個人事業主を指します。商業・サービス業は5人以下、製造業その他と宿泊業・娯楽業は20人以下です。

ただし、範囲の書き方、対象にならない法人の種類、小規模だと何が変わるか、途中で範囲を外れたときの扱いは制度ごとに違います。この記事では国の4つの補助金の公募要領を並べます。資本金の基準がある「中小企業者」の定義は中小企業・小規模企業者・中堅企業の定義で整理しています。

自分が小規模事業者かを確かめる順番

  1. 1主たる事業の業種を確かめる
  2. 2申請時点の常時使用する従業員を数える
  3. 3その制度の公募要領の表と照らす
  4. 4対象にならない法人の種類でないか確かめる
  5. 5事業の終了まで範囲に収まるか見通す

役員・同居の親族・試用期間中の人などは数えません。最終的な判断は各制度の事務局に確かめてください。

法律の定義

中小企業基本法の第2条第5項は、「小規模企業者」を「おおむね常時使用する従業員の数が二十人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、五人)以下の事業者」と定めています。小規模企業者の基準は従業員数だけで、資本金の基準はありません。

持続化補助金の公募要領は、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」で業種ごとに従業員数で小規模事業者かどうかを判断している、と説明しています。

4つの補助金の範囲を並べる

業種 持続化補助金(第20回) 新事業進出・ものづくり(第1回) 省力化投資 一般型(第8回) デジタル化・AI導入2026
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下 5人以下 卸売業・小売業・サービス業 5人以下 5人以下
宿泊業・娯楽業 20人以下 20人以下 20人以下 20人以下
製造業その他 20人以下 製造業 20人以下/その他の業種 20人以下 20人以下 20人以下

従業員数の線は4制度とも同じです。違いが出るのは、次の3点です。

違い1:小規模だと何が変わるか

制度 小規模事業者であることの意味 小規模事業者の補助率 中小企業の補助率
持続化補助金 申請の要件(小規模事業者でなければ申請できない) 2/3 —(対象外)
新事業進出・ものづくり(革新的新製品・サービス枠) 補助率が上がる 2/3 1/2(特例2/3)
省力化投資 一般型 補助率が上がる 2/3 1/2(特例2/3)
デジタル化・AI導入2026 インボイス対応類型 ITツールの補助額50万円以下の部分の補助率が上がる 4/5以内 3/4以内
デジタル化・AI導入2026 セキュリティ対策推進枠 補助率が上がる 2/3以内 1/2以内

新事業進出・ものづくりと省力化の「特例」は、最低賃金の近くで雇う従業員が一定以上いる事業者の補助率引上げで、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は、もともと2/3なので適用されません。デジタル化・AI導入補助金の通常枠の補助率は1/2以内で、小規模かどうかでは変わりません(同じ最低賃金の特例で2/3以内)。

補助率の差で補助額がどれだけ変わるかは補助率ごとの自己負担の早見表で計算しています。

違い2:途中で範囲を外れたとき

制度 いつまで小規模である必要があるか 外れたとき
持続化補助金 事業終了まで(小規模事業者卒業加点を希望する事業者を除く) 申請の要件を満たさなくなる
新事業進出・ものづくり 採択後〜補助事業実施期間の終了日 補助率が1/2になり、補助金額が減る
省力化投資 一般型 採択後〜補助事業実施期間の終了 補助率が1/2に変わる(計画変更)。確定検査で労働者名簿等を確認

持続化補助金の小規模事業者卒業加点は逆向きの仕組みです。補助事業の終了時点で常時使用する従業員が、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で6人以上、宿泊業・娯楽業と製造業その他で21人以上になっていることが条件で、満たさないと交付決定の後でも補助金は交付されません。

違い3:対象にならない法人の種類

制度 公募要領の書き方
持続化補助金 医療法人、一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人、組合(企業組合・協業組合を除く)、任意団体などは対象にならない。特定非営利活動法人は条件を満たせば対象で、従業員の基準は「製造業その他」(20人以下)
新事業進出・ものづくり 特定非営利活動法人・農事組合法人などは、従業員数が20人以下なら小規模企業・小規模事業者とみなし、革新的新製品・サービス枠の補助率は2/3
省力化投資 一般型 特定非営利活動法人・社会福祉法人・医療法人は、従業員が20人以下なら補助率2/3
デジタル化・AI導入2026 医療法人・社会福祉法人・学校法人・財団法人・社団法人・特定非営利活動法人などの組織形態(中小企業等の定義の⑨〜⑮)は小規模事業者に該当しない

同じ法人でも、制度によって「小規模」として扱われるかどうかが違います。

「常時使用する従業員」の数え方

4制度とも、労働基準法第20条の「予め解雇の予告を必要とする者」を「常時使用する従業員」としています。持続化補助金の公募要領の書き方で整理すると次のとおりです。

数える 数えない
解雇の予告を必要とする従業員 日雇労働者
2か月以内の期間を定めて使用される人
季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される人
試用期間中の人
会社役員
同居の親族従業員
  • 数える時点:持続化補助金は「申請時において常時使用する従業員の数」、省力化投資(一般型)は「応募時の常勤従業員」で判断するとしています。新事業進出・ものづくりは、補助対象者の要件を応募申請時点で満たしている必要があるとし、専ら補助金の対象になるために応募申請時点や事業実施期間に限って従業員数を減らすなどしたと認められた場合は、申請時点にさかのぼって補助対象外となる場合があるとしています。
  • 本人・役員:デジタル化・AI導入補助金の公募要領は、会社役員と個人事業主は「常時使用する従業員」に該当しないと明記しています。省力化投資(一般型)の公募要領は、代表取締役や専従者等の常勤従業員に当てはまらない人が含まれていると判明した場合、採択取消等になることがあるとしています。
  • 賃上げの計算の「従業員」とは別:持続化補助金の公募要領は、賃金引上げ特例・賃上げ加点の「従業員」は「常時使用する従業員」とは異なると注意しています。賃上げの計算では、パートタイム従業員を正社員の就業時間に換算します(例:正社員が1日7時間、パートが1日3時間なら0.42人)。

家族だけで営む個人事業主の扱いは、個人事業主が使える補助金も参考にしてください。

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出典

よくある質問

社長や家族は「常時使用する従業員」に数えますか?

持続化補助金の公募要領は、会社役員や同居の親族従業員は含まれないとしています。デジタル化・AI導入補助金の公募要領も、会社役員と個人事業主は「常時使用する従業員」に該当しないとしています。

申請の後に人を増やして小規模の範囲を超えたらどうなりますか?

制度で扱いが違います。持続化補助金は事業終了まで小規模事業者であることが必要です(小規模事業者卒業加点を希望する場合を除く)。新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金(一般型)は、採択後から補助事業の終了までに定義から外れると補助率が2/3から1/2になります。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。各制度の2026年10月1日時点の公募要領で確認

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