申請の基礎
事業承継・M&A補助金とは(16次公募):4つの枠の補助率・上限額と、11〜15次の申請件数・採択件数
事業承継やM&Aに伴う設備投資・専門家費用・廃業費などを補助する事業承継・M&A補助金。16次公募(申請受付2026年10月2日〜11月6日17:00)の事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠の補助率と上限額、賃上げで上限が上がるしくみ、11〜15次の申請件数と採択件数(採択の割合は当サイト計算で6割前後)を整理します。
事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者等が事業承継やM&Aに際して行う設備投資等や、経営資源の引継ぎ(M&A)や引継ぎ後の経営統合(PMI)にかかる経費の一部を補助する制度です(公式サイトの「制度の目的と概要」)。
2026年10月1日時点の最新は16次公募です。公式サイトのお知らせでは、2026年9月4日に16次公募要領が開示され、各枠の公募要領の申請受付期間は2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17:00です。16次公募の説明会は10月9日(金)に開催とされています。
以前の「事業承継・引継ぎ補助金」の旧サイト(jsh.go.jp)は、11次公募以降の掲載情報を新サイト(shoukei-mahojokin.go.jp)へ移したと案内しています。
4つの枠
目的で分かれる4つの枠
事業承継促進枠
親族・従業員への承継を控えた設備投資等
専門家活用枠
M&Aの買い手・売り手の仲介・FA・デュー・ディリジェンスなどの専門家費用
PMI推進枠
M&Aの後の経営統合の専門家費用や設備投資
廃業・再チャレンジ枠
事業を畳んで再チャレンジするときの廃業費
| 枠・類型 | 補助率 | 下限 | 上限 | 廃業費の併用 |
|---|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 小規模事業者等 2/3、それ以外 1/2 以内 | 100万円 | 800万円(賃上げ要件で1,000万円) | +300万円 |
| 専門家活用枠 買い手支援類型(Ⅰ型) | 2/3以内 | 50万円 | 600万円(DDを実施すると+200万円) | +300万円 |
| 専門家活用枠 売り手支援類型(Ⅱ型) | 1/2以内(営業利益率の低下か赤字で2/3以内) | 50万円 | 600万円(DDを実施すると+200万円)。引継ぎが実現しなかった場合は300万円 | +300万円 |
| PMI推進枠 PMI専門家活用類型 | 1/2以内 | 50万円 | 150万円 | +300万円(単独申請時) |
| PMI推進枠 事業統合投資類型 | 小規模事業者等 2/3、それ以外 1/2 以内 | 100万円 | 800万円(賃上げ要件で1,000万円) | +300万円 |
| 廃業・再チャレンジ枠(単独申請) | 2/3以内 | 50万円 | 300万円 | ― |
DDはデュー・ディリジェンス(買収前の調査)です。専門家活用枠で上限が2,000万円になる「買い手支援類型 100億企業特例」は別の公募要領で、当サイトは補助率を確認していません。16次公募で案内されている「小規模売り手支援類型」の上限・補助率も、当サイトで未確認です。
事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠の公募要領は、補助金の交付は事業が終わった後の精算後の支払い(実費弁済)としています。事業承継促進枠の公募要領では、補助対象経費は契約・発注が交付決定日以降で、補助事業期間の間に支払いまで終えたものです(交付決定の前に着手してはいけない理由)。
事業承継促進枠:賃上げで上限が1,000万円に
事業承継促進枠は、補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)と比べて、翌年度の従業員1人当たり給与支給総額を3%以上上げることを、申請時までに全従業員(または従業員代表者)・役員に表明して達成すると、上限が800万円から1,000万円になります。ただし、800万円を超え1,000万円以下の部分の補助率は1/2以内です。
達成できなかった場合は、上限の引き上げ額(最大200万円)の返還が求められます。事業計画期間中の各事業年度末に上昇率の水準を維持できていない場合も同じです。天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を求めないとされています。
計算例(補助額は「対象経費×補助率」と「上限額」の低い方。計算のしかた)
| 事業者 | 対象経費 | 計算 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者等(2/3)、賃上げ要件なし | 900万円 | 900万円×2/3=600万円 | 600万円 |
| 小規模事業者等(2/3)、賃上げ要件なし | 1,500万円 | 1,500万円×2/3=1,000万円 → 上限800万円 | 800万円 |
| 小規模事業者等以外(1/2)、賃上げ要件なし | 1,200万円 | 1,200万円×1/2=600万円 | 600万円 |
補助額が下限100万円を下回る申請は受け付けられません。補助率1/2なら対象経費200万円、2/3なら150万円が目安です。
事業承継促進枠の主な要件(16次公募)
- 同一法人(または事業)内の代表者交代による親族または従業員への事業承継が予定されていること。事業承継後に複数代表となる場合は対象外。
- 事業承継対象期間(16次は申請期日2026年11月6日から5年後の2031年11月5日まで)に承継を完了する予定で、その蓋然性を認定経営革新等支援機関に確認を受けた計画書であること(認定支援機関とは)。
- 法人は申請時点で3期分の決算・申告が終わっていること。個人事業主は開業届と青色申告承認申請書の提出から5年が経過していること。
- 経営権と所有権(株式・持分等)のどちらも承継者へ譲渡されること。
11〜15次の申請件数と採択件数
公式サイトのお知らせに載っている数字です。採択の割合は当サイトが計算しました。
| 公募回 | 採択発表 | 申請件数 | 採択件数 | 採択の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 11次 | 2025年7月11日 | 590 | 359 | 60.8% |
| 12次 | 2025年10月27日 | 742 | 453 | 61.1% |
| 13次 | 2026年1月15日 | 481 | 293 | 60.9% |
| 14次 | 2026年5月15日 | 512 | 311 | 60.7% |
| 15次 | 2026年9月11日 | 551 | 338 | 61.3% |
枠ごとの内訳(申請→採択)も公表されています。
| 公募回 | 事業承継促進枠 | 専門家活用枠 | PMI推進枠 | 廃業・再チャレンジ枠 |
|---|---|---|---|---|
| 12次 | 250→152 | 436→266 | 55→34 | 1→1 |
| 13次 | 182→111 | 267→163 | 32→19 | (記載なし) |
| 14次 | 169→103 | 299→180 | 43→27 | 1→1 |
| 15次 | 190→115 | 312→194 | 47→28 | 2→1 |
11〜15次は、どの回も申請のおよそ6割が採択されています(当サイト計算)。申請件数が最も多いのは専門家活用枠です。11次の枠ごとの内訳と、10次以前の数字は当サイトで確認していません。
申請の準備
事業承継促進枠の準備の順番
- 1承継予定者と承継の時期を決める
- 2認定経営革新等支援機関に事業承継計画の確認を依頼
- 3GビズIDプライムを取得
- 4電子申請
- 5採択・交付申請
- 6交付決定の後に契約・発注
- 7実績報告・精算払い
公募要領は、締切直前では認定支援機関の確認が間に合わない場合があると注意しています。
- 申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です(GビズIDとJグランツ)。
- 16次の補助事業期間は、2027年1月(下旬予定)から14か月以内が想定されています(事業承継促進枠の公募要領)。
関連
出典
- 事業承継・M&A補助金 公式サイト(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・M&A補助金 16次公募 公募要領(事業承継促進枠)(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・M&A補助金 16次公募 公募要領(専門家活用枠)(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・M&A補助金 16次公募 公募要領(PMI推進枠 PMI専門家活用類型)(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・M&A補助金 16次公募 公募要領(PMI推進枠 事業統合投資類型)(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・M&A補助金 16次公募 公募要領(廃業・再チャレンジ枠)(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・引継ぎ補助金(旧サイト)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
16次公募の申請期間はいつですか?
各枠の公募要領では、申請受付期間は2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17:00(厳守)です。公募要領は2026年9月4日から開示されています。申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
親族への事業承継でも使えますか?
事業承継促進枠は、同一法人(または事業)内の代表者交代による親族または従業員への事業承継が予定されていることなどが要件です。承継予定者の条件(役員や従業員としての経験年数、親族の範囲など)が公募要領に定められています。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。16次公募(各枠の公募要領 Ver.1.0 2026年9月)の内容で作成
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