申請の基礎
交付決定の前に契約・発注すると補助金はもらえない?「事業着手」の考え方と例外
「先に申請する型」の補助金では、交付決定の前に契約・発注・着工すると補助の対象外になるのが基本です。何をすると「着手」になるのか、例外はあるのかを、実際の制度の要領とQ&Aの記載で確かめます。
設備の導入や工事に使う補助金の多くは、交付決定の通知を受けた後に、契約・発注・着工することを求めています。順番を逆にすると、条件をすべて満たしていても補助の対象外になります。
ただし、何をもって「着手」とするか、例外があるかは制度ごとに違います。当サイトに載せている制度の要領とQ&Aで確かめます。
何をすると「着手」になるのか
順番の違い(先に申請する型)
対象になる順番
- 1見積もり
- 2申請
- 3交付決定
- 4契約・発注
- 5着工・設置
対象外になる順番
- 1見積もり
- 2契約・発注
- 3申請
- 4交付決定
何をもって「着手」とするか(契約・発注・着工)は制度ごとに違います。
| 制度 | 着手とみなすもの・順番の決まり | 出典 |
|---|---|---|
| 福井県 企業の太陽光・蓄電池 | 事業着手日=工事の契約をした日。交付決定日以降である必要がある | Q&A12・Q&A22 |
| 福井県 住宅の太陽光・蓄電池 | 契約・設置などは必ず交付決定後。決定前に契約・設置した場合は対象外 | 制度概要チラシ |
| 福井県 V2H | 交付決定の通知を受けた日以後に事業を開始 | 交付要領 第11条 |
| 古賀市 中小企業向け太陽光 | 交付決定の日以降に工事の着工・設備の設置 | 市の制度ページ |
| 茅野市 新商品開発 | 商品の開発に着手する前に計画届を出す | 市の制度ページ |
同じ「太陽光の補助金」でも、福井県の企業向けは契約の日で、古賀市は着工・設置の日で判断しています。そのため、「工事さえ始めていなければよい」とは言えません。福井県の企業向けでは、交付決定前に工事の契約を結んだ時点で対象外になります。
なぜ交付決定の前ではいけないのか
補助金は、交付決定で「この事業に、この条件で交付する」と決まった事業に対して出るものです。J-Net21(中小企業基盤整備機構)は、補助金では事業期間を定めるのが一般的で、その期間の前や後に支出した経費は補助を受けられない可能性が高いと説明しています。
例外を設けている制度もある
例外が書かれている制度もあります。
- 古賀市の太陽光補助金: 「迅速に物価高騰対策を実施するという観点から」、2025年12月1日から2026年3月31日までの設置・着工は、交付決定の前でも認めるとしています。
- 福井県の嶺南3点セット補助金: 3点をそろえた後に申請する型です。代わりに、太陽光の注文書等の日付が令和8年4月1日以降であることを求めています。「いつ以降に買ったものが対象か」という形で線を引いています。
例外は制度ごと・年度ごとに決まります。例外の有無と期間は、必ずその年度の募集要項で確認してください。
「買ってから申請する型」との違い
福井県の次世代自動車補助金や嶺南3点セット補助金のように、購入や設置を終えてから申請する制度もあります。この型では交付決定前の購入が前提です。一方で、次の条件が付きます。
- 国の補助金の交付決定が先に必要(次世代自動車は令和8年4月1日以降の国の交付決定)
- 対象になる購入日・注文日の範囲が決まっている
先に申請する型と逆の手順になるので、どちらの型かを最初に見分けることが大切です。見分け方は申請から入金までの流れにまとめています。
契約の前に確かめること
- この制度は「先に申請する型」か「買ってから申請する型」か
- 先に申請する型なら、「着手」とみなすのは契約か、発注か、着工か
- 例外(事前着手の特例、対象になる注文日の範囲)があるか
- 交付決定の通知が届くまでの目安(標準審査期間)はどれくらいか
出典
- 企業の太陽光・蓄電池設備導入促進事業補助金 Q&A(福井県、令和8年度)(確認日 2026-09-30)
- 企業の太陽光・蓄電池設備導入促進事業補助金交付要領(福井県、令和8年度)(確認日 2026-09-30)
- 太陽光・蓄電池設備導入補助金 制度概要チラシ(福井県、令和8年度)(確認日 2026-09-30)
- V2H充放電設備設置支援事業補助金交付要領(福井県)(確認日 2026-09-30)
- 古賀市中小企業等向け太陽光発電設備導入補助金(古賀市)(確認日 2026-09-30)
- 茅野市新商品開発事業補助金について(茅野市)(確認日 2026-09-30)
- 嶺南地域の脱炭素化推進事業補助金交付要領(福井県、令和8年度)(確認日 2026-09-30)
- 補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。(J-Net21、中小企業基盤整備機構)(確認日 2026-09-30)
よくある質問
見積もりを取るのも「着手」になりますか?
当サイトで確認した制度では、見積書は交付申請の添付書類として求められています(例: 福井県のV2H補助金・企業の太陽光補助金)。何を着手とみなすかは制度ごとに決まっているので、募集要項やQ&Aで確認してください。例えば福井県の企業の太陽光補助金は、工事の契約をした日を事業着手日としています。
すでに契約してしまった場合はどうなりますか?
福井県の企業の太陽光補助金のQ&Aでは、すでに工事会社等と契約をしている場合は対象とならないと明記しています。例外を設けている制度もあるため、実施機関に確認してください。
この記事の更新
- 2026年9月30日初版
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