申請の基礎
補助率と上限額の計算:1/2・定額・kW単価・「低い方」・端数処理の読み方を実例で
補助額の計算は、補助率(1/2など)、定額、設備の量あたりの単価、上限額、「いずれか低い額」、端数の切り捨てを組み合わせて決まります。実際の制度の算式を型ごとに分け、計算例で読み方を整理します。
補助金の額は「経費の半分」のように単純とは限りません。募集要項の算式は、いくつかの部品の組み合わせでできています。部品ごとに読み方を知っておくと、自分の場合の額を見積もれます。
補助額の計算の順番(多くの制度に共通)
- 1補助対象経費を決める(税抜き・対象外の経費を除く)
- 2補助率・単価を掛ける
- 3上限額と比べて低い方
- 4端数を切り捨てる
制度によって順番や部品が違います。算式は必ず募集要項の原文で確かめてください。
型1:定率(補助対象経費 × 補助率)
もっとも基本的な型です。補助対象経費に1/2・2/3などの率を掛け、上限額で頭打ちにします。
- 茅野市 新商品開発:「補助対象経費の2分の1以内(ただし、30万円を限度とし、1,000円未満の端数は切り捨てるものとする。)」
| 補助対象経費 | 計算 | 補助額 |
|---|---|---|
| 50万円 | 50万円 × 1/2 | 25万円 |
| 60万円 | 60万円 × 1/2 | 30万円(ちょうど上限) |
| 80万円 | 80万円 × 1/2 = 40万円 → 上限 | 30万円 |
上限額 ÷ 補助率が、上限に届く経費の額です(30万円 ÷ 1/2 = 60万円)。それ以上使っても補助額は増えません。
型2:定額
条件を満たせば、経費の額にかかわらず決まった額が出る型です。
- 福井県 V2H:定額10万円(嶺南地域は20万円)
- 福井県 次世代自動車:EV・PHV 10万円、FCV 50万円など車の区分ごとの定額
定額の制度でも、補助対象経費に何が含まれるかは決まっています(V2Hは設備の購入費だけで、工事費は対象外)。
型3:量あたりの単価 × 量(kW・kWhなど)
設備の能力に単価を掛ける型です。太陽光発電(kW)や蓄電池(kWh)でよく使われます。
- 福井県 住宅の太陽光・蓄電池:太陽光は1kWあたり7万円(蓄電池とセット)、上限35万円
- 古賀市 中小企業向け太陽光:1kWあたり6万円(中小企業・市内の施工業者)、75kWまで
量で上限が決まる場合(古賀市は75kWまで)と、額で上限が決まる場合(福井県は35万円)があります。福井県の太陽光(セット)は、5kWで上限の35万円に届きます(5 × 7万円)。
型4:「いずれか低い額」
2つ以上の計算結果を比べ、低い方を補助額にする型です。
- 古賀市の太陽光:「発電出力…に上記の額を乗じて得た額と補助対象経費(1,000円未満切り捨て)のいずれか低い額」
- 福井県の住宅の蓄電池:「蓄電池費用(万円/kWh)の1/3の額」で「5.1万円/kWh以内」、上限25.5万円
- 福井県の企業の太陽光:1kWあたりの設備価格(工事費込み・税抜き)が5万円未満なら、その額を単価にする
| 例 | 計算 | 補助額 |
|---|---|---|
| 古賀市・中小企業・市外の施工業者・20kW・対象経費90万円 | 20 × 5万円 = 100万円 と 90万円 の低い方 | 90万円 |
| 福井県・住宅の蓄電池7kWh・価格140万円(税抜き) | 140万円 ÷ 3 ≒ 46.7万円 と 7 × 5.1万円 = 35.7万円 の低い方 → 上限25.5万円 | 25.5万円 |
「低い方」の型では、安く買えば買うほど、補助額も経費に合わせて下がることがあります。
型5:上乗せ(地域・年齢などの加算)
基本の額に、条件を満たすと加算がある型です。
- 福井県の各制度の嶺南地域の加算(V2Hは+10万円、住宅の太陽光は1kWあたり3万円・上限15万円など)
- 福井県の次世代自動車の若者向けメニュー(普通EVは40万円。全世代メニューの10万円とは別枠で、どちらか一方)
計算の前に確かめる細かい決まり
| 決まり | 例 |
|---|---|
| 消費税を含めるか | 福井県のV2H・古賀市の太陽光は、消費税を補助対象経費に含めない |
| 工事費を含めるか | 福井県のV2Hは工事費を含めない。福井県の住宅の蓄電池は工事費込みの価格で計算 |
| 端数の処理 | 茅野市・福井県のV2Hは1,000円未満を切り捨て |
| ほかの補助の差し引き | 古賀市は、国・県などの補助金の額を差し引いた額を補助対象経費にする |
| 量の数え方 | 福井県の企業の太陽光は、パネルとパワーコンディショナーの出力の低い方(小数点以下切り捨て) |
当サイトの各制度のページの「いくらになるか」では、募集要項の算式を引用したうえで、区分ごとの計算例を載せています。
出典
- 茅野市新商品開発事業補助金について(茅野市)(確認日 2026-09-30)
- Jグランツ 古賀市中小企業等向け太陽光発電設備導入補助金(確認日 2026-09-30)
- 企業の太陽光・蓄電池設備導入促進事業補助金の内容(福井県)(確認日 2026-09-30)
- 太陽光・蓄電池設備導入補助金 制度概要チラシ(福井県、令和8年度)(確認日 2026-09-30)
- V2H充放電設備設置支援事業補助金交付要領(福井県)(確認日 2026-09-30)
- 【令和8年度】次世代自動車普及促進事業補助金の募集を開始します(福井県)(確認日 2026-09-30)
よくある質問
補助率1/2で上限30万円なら、いくら使えば上限に届きますか?
補助対象経費が60万円のときに1/2で30万円になります。それより多く使っても補助額は30万円のままです(茅野市の新商品開発補助金の算式による例)。
消費税は補助対象経費に入りますか?
当サイトで確認した制度では、消費税を補助対象経費に含めないとするものがほとんどでした(例: 福井県のV2H補助金、古賀市の太陽光補助金)。制度ごとの要綱で確かめてください。
この記事の更新
- 2026年9月30日初版
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