申請の基礎
中小企業省力化投資補助金とは:カタログ注文型と一般型の違い、上限額・賃上げ要件・採択の推移
人手不足に悩む中小企業の省力化投資を支える中小企業省力化投資補助金には、カタログに載った製品を随時申請できる「カタログ注文型」と、公募回ごとに審査する「一般型」があります。2つの型の上限額・補助率・賃上げの要件と未達の扱い、一般型の第1〜6回の採択率を並べて比べます。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等の省力化投資(人の手でしていた作業を機械やシステムに置き換える投資)を支える国の補助金です(中小企業基盤整備機構)。
申請の型が2つあり、性格がかなり違います。
2つの型の申請の流れ
カタログ注文型
- 1カタログから製品を選ぶ
- 2販売事業者と共同で申請
- 3交付決定
- 4導入
一般型
- 1公募回を確認
- 2自社で事業計画を作る
- 3締切までに申請
- 4審査・採択
- 5交付申請・交付決定
- 6導入
どちらもGビズIDプライムが必要です。
2つの型の比較
| 項目 | カタログ注文型 | 一般型 |
|---|---|---|
| 対象 | 事務局のカタログに載った製品 | 自社の業務に合わせた設備・システム(機械装置・システム構築費が必須) |
| 申請 | 随時受付(販売事業者と共同で申請) | 公募回ごと(年3〜4回の予定) |
| 選び方 | 要件を満たせば交付決定(申請から概ね1〜2か月) | 事業計画を審査して採択 |
| 補助率 | 1/2以下 | 中小企業1/2(特例2/3)、小規模・再生事業者2/3 |
| 補助上限額 | 500万〜1,000万円(大幅賃上げ時750万〜1,500万円) | 750万〜8,000万円(大幅賃上げ時1,000万〜1億円) |
| 実施期間 | 原則、交付決定日から12か月以内 | 交付決定日から17か月以内(公募要領) |
| 賃上げが未達のとき | 補助額の減額 | 達成率に応じた補助金の返還 |
カタログ注文型
上限額(2026年3月19日の改定後)
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅な賃上げを行う場合 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 500万円 | 750万円 |
| 6〜20人 | 750万円 | 1,000万円 |
| 21人以上 | 1,000万円 | 1,500万円 |
改定で、5人以下は200万円→500万円、6〜20人は500万円→750万円に引き上げられました(21人以上は変更なし)。事業の終了時期は「2026年9月末頃」から「2027年3月末頃」に延長されています。
2回目以降の申請
改定で、2回目以降の申請ができる形になりました。累計の上限は各申請時の補助上限額の2倍で、前回の交付申請時と比べて事業場内最低賃金を3.5%以上上げていることが要件です。
申請のしかた
カタログ注文型は、販売事業者と共同で事業計画を作り、販売事業者からの招待を受けて申請します。対象経費は製品本体の価格と、設置・運搬・動作確認などの導入経費です。交付決定は2026年8月末時点で5,859件(公式の集計資料)。
一般型
上限額(第8回公募要領)
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅賃上げ特例 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率は中小企業1/2、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者2/3。最低賃金の近くで雇う従業員が多い事業者(2024年10月〜2025年9月に、その期間の地域別最低賃金以上・2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇う従業員が全体の30%以上の月が3か月以上)は、中小企業でも2/3になります(小規模・再生事業者と常勤従業員がいない場合を除く)。収益納付は求められません。
基本要件(3〜5年の事業計画)
| 要件 | 水準 |
|---|---|
| 労働生産性 | 年平均成長率4.0%以上の増加 |
| 1人当たり給与支給総額 | 年平均成長率3.5%以上の増加 |
| 事業場内最低賃金 | 都道府県の最低賃金+30円以上 |
| 次世代法の一般事業主行動計画 | 公表等(従業員21名以上の場合) |
給与の目標を達成できなければ達成率に応じて返還を求められ、最低賃金の目標を達成できなかった年があれば補助金額を事業計画年数で割った額の返還です。付加価値額が増えず、企業全体で事業計画期間の過半数が営業赤字の場合や天災などは返還を求めない、とされています。
第8回のスケジュール
| 段階 | 日付 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年8月18日(火) |
| 申請受付開始 | 2026年9月18日(金) |
| 締切 | 2026年10月16日(金)17:00 |
| 採択発表 | 2027年2月上旬(予定) |
一つ前の第7回は2026年7月31日締切で、採択発表は2026年11月中旬の予定です。
採択率の推移
省力化投資補助金(一般型)公募回ごとの採択率
直近の 第6回 は 63.9%。6 回分で最高は 69.3%(第4回)、最低は 60.9%(第2回)。数字は公式の公表値(出典は記事末尾)。
| 公募回 | 申請数 | 採択数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1,809 | 1,240 | 68.5% |
| 第2回 | 1,160 | 707 | 60.9% |
| 第3回 | 2,775 | 1,854 | 66.8% |
| 第4回 | 2,100 | 1,456 | 69.3% |
| 第5回 | 2,035 | 1,251 | 61.5% |
| 第6回 | 1,841 | 1,176 | 63.9% |
採択率は当サイトが公表の申請数と採択数から計算したものです。第1〜6回はおおむね6〜7割で、新事業進出・ものづくり補助金の前身の制度(3件に1件程度)と比べると高い水準で推移しています。ただし審査は事業計画ごとに行われ、採択率は競争の厳しさの目安にすぎません(採択率の読み方)。
型の選び方の目安
- 欲しい製品がカタログにあり、早く導入したい → カタログ注文型(随時・1〜2か月で交付決定)。
- 自社の工程に合わせた設備やシステムを組み合わせたい、規模が大きい → 一般型(公募回ごと・審査あり・上限が高い)。
- どちらでも、交付決定より前に契約・発注した経費は対象になりません(交付決定の前に着手してはいけない理由)。
関連
出典
- 中小企業省力化投資補助金 公式サイト(中小企業基盤整備機構)(確認日 2026-09-30)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)2026年8月(確認日 2026-09-30)
- 一般型 公募スケジュール(確認日 2026-09-30)
- 一般型 採択結果(確認日 2026-09-30)
- カタログ注文型 2026年3月19日の改定概要(確認日 2026-09-30)
- カタログ注文型 事業概要(確認日 2026-09-30)
- カタログ注文型 申請の流れ(確認日 2026-09-30)
- カタログ注文型 スケジュール(確認日 2026-09-30)
よくある質問
カタログ注文型はいつまで申請できますか?
2026年3月19日の改定で、事業の終了時期が「2026年9月末頃」から「2027年3月末頃」に延長されました。スケジュールのページでは「当面の間、随時受付」とされています。
一般型の実施期間は17か月ですか、18か月ですか?
第8回の公募要領は「交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)」としています。公式サイトの一般型の概要ページには18か月以内という記載が残っていたため、当サイトは公募要領の記載を採りました。申請する回の公募要領で確かめてください。
この記事の更新
- 2026年9月30日初版。一般型は第8回公募要領、カタログ注文型は2026年3月19日の改定後の内容で作成
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