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申請の基礎

補助金の事業計画書は何を審査されるか:持続化・新事業進出ものづくり・省力化・デジタル化AIの審査項目を並べる

審査のある補助金では、事業計画書は公募要領に書かれた「審査項目」に沿って評価されます。持続化補助金(第20回)、新事業進出・ものづくり補助金(第1回)、省力化投資補助金〈一般型〉(第8回)、デジタル化・AI導入補助金2026〈通常枠〉の審査の方法と審査項目を公募要領から書き出し、制度をまたいで同じ観点・違う観点を表にしました。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

事業計画書と審査審査項目は要領に書いてある補助金ちず
写真: Mediamodifier(Unsplash)

審査のある補助金では、事業計画書は公募要領に書かれた「審査項目」に沿って評価されます。何を書けば評価されるかは、公募要領の審査の章(「採択審査」「審査項目」「書面審査」など)にすでに書いてあります。

このページでは、国の主な4つの補助金の公募要領から審査の方法と審査項目を書き出し、制度をまたいで並べました。書く前に、自分が申請する制度の審査項目を1つずつ確かめるための整理です。

審査項目の読み方

要件を満たすか

満たさなければ失格・不採択

計画の中身

自社の分析・市場・実現可能性・体制

お金の使い方

経費が本当に必要か・積算が正確か

政策面

賃上げ・地域への波及など国が支援する理由

加点・減点

政策に沿った取組と過去の実績

4つの制度の審査のしかた

持続化補助金(第20回) 新事業進出・ものづくり(第1回) 省力化投資〈一般型〉(第8回) デジタル化・AI〈通常枠〉
誰が審査するか 有識者等により構成される審査委員会 書面審査と口頭審査(採択審査委員会は第三者委員会) 事務局が内容を審査。事業計画書を外部有識者からなる審査委員会が評価 事務局が審査し、外部審査委員会の意見を聴いて決定
審査の材料 提出資料のみ(非公開) 事業計画書など 事業者情報・事業計画書 原則として提出書類
口頭審査 ヒアリングは実施しない 必要に応じて実施(1事業者15分程度) 必要に応じて実施(1事業者30分程度) 記載なし
口頭審査で対応する人 ― 申請事業者自身(法人代表者等)。支援者の同席は認めない 申請事業者自身。役員または申請担当者1名の同席は可 ―
採択の決め方 総合的な評価が高いものから順に採択 書面審査・口頭審査・加点・減点 書面審査・口頭審査・加点・減点 審査項目と加点・減点

新事業進出・ものづくり補助金は、口頭審査の対象になったのに受けなかった場合は不採択になると書いています。省力化投資補助金〈一般型〉の口頭審査は、ソフトウェア投資やシステム開発など、書面では計画の詳細を正確に理解しにくい案件を中心に対象者を選ぶ、としています。

制度ごとの審査項目

持続化補助金(第20回)

審査は「基礎審査」と「計画審査」に分かれます(公募要領 P.32〜33)。

  • 基礎審査:必要な提出資料がすべてそろっていること、補助対象者・事業・補助率・経費の要件に合うこと、事業を遂行する能力があること、小規模事業者が主体的に活動し自社の技術やノウハウを基にした取組であること。1つでも満たさなければ失格です。
  • 計画審査:①自社の経営状況分析の妥当性、②経営方針・目標と今後のプランの適切性、③補助事業計画の有効性、④積算の透明・適切性、の4項目で加点審査をします。

③には「デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか」「取得した資産を補助事業終了後も継続して使用するか」も含まれます。過去に持続化補助金で補助事業をした事業者は、前回と明確に異なる新たな事業かどうかも審査され、実施回数などに応じて段階的に減点されます。

新事業進出・ものづくり補助金(第1回)

書面審査の項目は7つです(公募要領 P.44〜46)。

  1. 補助対象事業としての適格性(経費が「真に必要かつ合理的な額か」を含む)
  2. 経営戦略との整合性(これまでの事業との一貫性、強み・弱みを踏まえた競争優位性)
  3. 事業の実現可能性(付加価値・賃上げの目標と実現性、体制、顧客ターゲットとニーズの裏付け、スケジュール、財務状況と資金調達の見込み)
  4. 新規事業の新市場性・高付加価値性(新事業進出枠のみ)
  5. 公的補助の必要性(「国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないか」を含む)
  6. 政策面(成長分野への進出、地域への波及、産業クラスターとの整合)
  7. 大規模な賃上げ計画の妥当性(賃上げ特例を希望する場合のみ)

3の体制の項目では「第三者に過度に依存している事業ではないか」も見られます。

省力化投資補助金〈一般型〉(第8回)

書面審査は4つの観点です(公募要領 P.30〜31)。

  1. 補助対象事業としての適格性
  2. 技術面:省力化指数、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備の4つの観点
  3. 計画面:体制・財務・サイバーセキュリティ対策、金融機関からの資金調達の見込み、優位性・収益性とスケジュール、賃上げ目標と実現性、会社全体へのシナジー
  4. 政策面:地域経済への貢献、事業承継、先端的なデジタル技術等の活用、イノベーション製品の導入、米国の追加関税措置の影響

省力化の効果を数字で示す省力化指数と投資回収期間が独自の審査項目です。公募要領は、事業計画書は「記載の分量で審査するものではありません」としています。

デジタル化・AI導入補助金〈通常枠〉

審査項目は「事業面」と「政策面」に分かれます(公募要領 P.25)。事業面では、自社の経営課題の理解、改善すべきプロセスと導入するITツールの効果が合っているか、データ連携による生産性向上、セキュリティ対策、労働生産性の向上率を見ます。政策面では、国の推進する関連事業への取組、セキュリティサービスの選定、賃金引上げへの取組を見ます。

制度をまたいで並べると

4つの公募要領の審査項目を、観点ごとに当サイトが並べました(○は審査項目にその観点があるもの)。

観点 持続化 新事業進出・ものづくり 省力化〈一般型〉 デジタル化・AI
自社の状況・強み弱みの分析 ○ ○ ○ ○
市場・顧客ニーズ ○ ○ ○(優位性・収益性) ―
実現可能性・スケジュール ○ ○ ○ ―
実施体制・財務・資金調達 ○(遂行能力) ○ ○ ―
経費が本当に必要か・積算 ○ ○ ― ―
賃上げの目標と実現性 ―(加点で扱う) ○ ○ ○(政策面)
数値の効果(生産性など) ○(売上高・売上総利益) ○(付加価値額) ○(省力化指数・投資回収期間) ○(労働生産性)
デジタル技術の活用 ○ ○(公的補助の必要性) ○(政策面) ○
地域・政策への貢献 ― ○ ○ ○

「―」は、その制度の審査項目にその観点の記載がないことを示します。加点項目で扱うものは加点項目にまとめています。

「足下の賃上げ」は審査で大きく効く

新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金〈一般型〉は、補助事業の完了を待たずに行う「足下の賃上げ」を評価するとしています。どちらも、応募申請時の直近の事業年度(決算期)から基準年度までの「1人当たり給与支給総額」の年平均成長率が物価上昇率を上回る程度に達しない計画は、審査上大幅に不利になると書いています。足下の賃上げは、採択後から交付決定までの間に従業員へ表明することが必須です。

賃上げの目標を達成できなかったときの返還のしくみは賃上げ要件と未達の返還で比べています。

書く前に確かめること

  • 自分で作る:新事業進出・ものづくり補助金は、外部支援者の助言は差し支えないが「必ず申請者自身で作成」すること、作成自体を申請者以外が行った場合は不採択・採択取消・交付決定取消になるとしています。持続化補助金も、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合は不採択・交付決定取消になるとしています。
  • 支援を受けたら書く:持続化補助金は、商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けた場合、その相手方と金額を様式2に記載しなければ虚偽の報告として不採択・交付決定取消になります。省力化投資補助金〈一般型〉も、事業計画書作成支援者の名称・報酬・契約期間の記載を求めています(申請書の作成を人に頼むとき)。
  • 同じ内容で出さない:持続化補助金では、過去に実施した補助事業と同じ事業と見受けられる場合は不採択になります。
  • 経費の根拠をそろえる:経費が事業に「真に必要」かは、持続化・新事業進出・ものづくりの両方で審査項目です(補助対象経費とは)。

公募要領のどこに何が書いてあるかは公募要領の読み方、審査の後の流れは申請から入金までの流れで整理しています。

関連

出典

よくある質問

事業計画書を専門家に書いてもらってもよいですか?

新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は、認定経営革新等支援機関などの外部支援者から助言を受けることは差し支えないが、必ず申請者自身で作成すること、作成自体を申請者以外が行うことは認められず、発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消になるとしています。省力化投資補助金〈一般型〉も、事業計画は申請者自身で作成するよう求めています。

面接(口頭審査)はありますか?

制度によって違います。持続化補助金(第20回)は提案内容に関するヒアリングを実施しないとしています。新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金〈一般型〉は、必要に応じてオンラインで口頭審査を行い、申請事業者自身が対応することになっています。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。4制度の公募要領(持続化第20回・新事業進出ものづくり第1回・省力化一般型第8回・デジタル化AI通常枠)の審査項目から作成

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