補助金ちず

申請の基礎

補助対象経費とは:対象になる経費・ならない経費の決まり方(持続化補助金の公募要領を例に)

補助金は、使ったお金のすべてが対象になるわけではありません。対象になる経費は制度ごとの公募要領で決まり、時期・区分・支払い方・証拠書類の4つの条件で絞られます。持続化補助金(第20回)の公募要領を例に、対象外になりやすい経費(パソコン、消費税、現金払い、相殺など)と、制度ごとの違いを整理します。

更新公式ページの確認日 2026年9月30日補助金ちず 編集部

補助金の基礎対象になる経費の4つの条件補助金ちず
写真: Kelly Sikkema(Unsplash)

補助金の額は「補助対象経費×補助率」と上限額で決まります(補助率と上限額の計算)。この「補助対象経費」は、事業に使ったお金の合計ではありません。制度ごとの公募要領が「対象になる経費」を決めていて、それ以外は対象外です。

持続化補助金(第20回)の公募要領は、対象になる経費を次の3つの条件をすべて満たすもの、としています。

対象になる経費の条件(持続化補助金の例)

目的

使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる

時期

交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払が完了した

証拠

証憑資料等によって支払金額が確認できる

区分

公募要領に列挙された経費の区分に当てはまる

4つ目の「区分」は、公募要領の「次に掲げる経費であり、これ以外の経費は本事業の補助対象外です」という書き方から来ています。以下、それぞれを見ていきます。

1. 時期:交付決定の前と、事業期間の後は対象外

多くの補助金で、交付決定より前に契約・発注・購入した経費は対象外です。

制度 公式資料の書き方
持続化補助金 交付決定日以降に発生し補助事業期間中に支払が完了した経費
省力化投資補助金(一般型) 交付決定前に発生した経費(いかなる理由であっても事前着手は認められません)
省力化投資補助金(カタログ注文型) 交付決定前に購入した省力化製品・交付決定前に発生した費用は対象外
新事業進出・ものづくり 交付決定日より前に契約(発注を含む)等した経費は補助対象になりません
業務改善助成金 交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象となりません

事業期間の後ろ側にも区切りがあります。持続化補助金では、分割払いやクレジットカード払いの場合、引き落としが補助事業期間内に完了している必要があります。契約期間が事業期間を越えるソフトウェアの使用権は、事業期間分だけを按分して対象にします(交付決定の前に着手してはいけない理由)。

2. 区分:列挙された経費だけが対象

持続化補助金の区分は、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費の8つです。区分ごとに細かい決まりがあります。

  • 広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)で、それだけでの申請はできません。
  • 機械装置等費では、パソコン・タブレット・事務用プリンター・複合機など汎用性が高く目的外使用になりうるものや、自動車等車両(一部を除く)は対象外です。

区分の立て方は制度によって大きく違います。

制度 区分の考え方
省力化投資補助金(一般型) 機械装置・システム構築費が必須で、運搬費・技術導入費・知的財産権等関連経費・外注費・専門家経費・クラウドサービス利用費を組み合わせる
省力化投資補助金(カタログ注文型) カタログに載った製品の本体価格と、設置・運搬・動作確認などの導入経費
デジタル化・AI導入補助金(通常枠) ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)が必須で、導入コンサルティングや保守サポートなどを組み合わせる
業務改善助成金 生産性向上に資する設備投資等。下限10万円。令和8年度から自動車(特殊用途自動車を除く)は対象外

同じパソコンでも、持続化補助金では対象外、デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠では会計ソフトなどと一緒なら対象(ハードウェアのみは不可)、というように制度で答えが逆になることがあります。

3. 支払い方:振込が原則、相殺や金券は不可

持続化補助金の公募要領は、支払方法を「銀行振込が大原則」とし、次を定めています。

  • 旅費や現金決済のみの取引を除き、1取引10万円超(税抜き)の現金払いは不可。
  • 小切手・手形・相殺(売掛金と買掛金の相殺など)による支払いは不可。
  • 商品券・金券・ポイント・クーポンなどでの支払いは対象外。
  • クレジットカード払いは申請する事業者の名義で、事業期間内に引き落としが完了していること。
  • 振込手数料・代引手数料なども対象外。

4. 証拠:見積・請求・領収の書類がそろうこと

  • 採択後、交付決定までに見積書等(相見積を含む)を提出します。発注総額が1件50万円(税込)を超える機械装置等は、2者以上の見積が必要です。
  • 中古品は、2者以上の中古品販売事業者の見積があるなど条件を満たす場合だけ対象で、個人からの購入やオークションでの購入は対象外です。
  • 見積書・請求書・領収書などの経理書類を用意できないものは対象外です。

対象外になりやすい経費(持続化補助金の例)

経費 扱い
消費税・地方消費税 原則対象外(免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者で、消費税等を含めて交付決定を受けた場合を除く)
汎用性の高い機器(パソコン等) 対象外
役員報酬・直接人件費 対象外
講習会・セミナーの参加費、図書 対象外
免許・特許等の取得・登録費 対象外
振込手数料・代引手数料 対象外

買った後にも決まりがある

補助金で取得した設備などには、決められた期間、勝手に売ったり、目的外に使ったりできないという決まり(財産処分の制限)があります。持続化補助金の公募要領も、承認を得ずに処分すると交付取消・返還命令(加算金付き)の対象になるとしています(処分制限とは)。

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出典

よくある質問

消費税も補助の対象になりますか?

持続化補助金(第20回)の公募要領は、消費税・地方消費税を原則として補助対象外としています。免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者が、消費税等を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた場合は例外です。制度ごとに扱いが違うので、公募要領の対象外経費の項目で確かめる必要があります。

パソコンは対象になりますか?

持続化補助金では、パソコンやタブレットなど汎用性が高く目的外使用になりうるものは対象外です。一方、デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠(インボイス対応類型)では、会計・受発注・決済のソフトと一緒に導入するPC・タブレット等が対象になります(ハードウェアのみの申請は不可)。

この記事の更新

  • 2026年9月30日初版

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