申請の基礎
補助金に税金はかかる?個人・個人事業主・法人それぞれの扱いと、住宅ローン控除との関係
補助金は、受け取る人と使い道によって税金の扱いが変わります。設備や住宅の取得に使う補助金には、収入に入れない・損金に入れる特例があり、住宅ローン控除では取得価額から補助金を差し引きます。所得税法・法人税法と国税庁の説明から、しくみを整理します。
補助金は「もらったお金」ですが、税金と無関係ではありません。誰が受け取るか(個人か、個人事業主か、法人か)と、何に使うか(設備や住宅の取得か、それ以外か)で扱いが変わります。
この記事では、所得税法・法人税法の条文と国税庁の説明から、しくみを整理します。個別の税額や申告の要否は、状況によって変わります。当サイトは個別の税務の判断をしていないので、所轄の税務署や税理士に確認してください。
設備・住宅の取得に使う補助金には特例がある
受け取る人と使い道で扱いが変わる
個人・個人事業主(設備や住宅の取得)
明細書を付けて確定申告すれば、取得に充てた補助金を総収入金額に算入しない特例がある
法人(設備の取得)
補助金の額の範囲で帳簿価額を減額(圧縮記帳)し、損金に算入できる
個人(住宅の給付金)
一時所得(特別控除50万円)。住宅ローン控除では取得価額から差し引く
国や地方公共団体から「固定資産の取得や改良に充てるため」の補助金を受け取り、その目的どおりに固定資産を取得・改良した場合には、税金の特例があります。
| 受け取る人 | 特例 | 条件 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 個人(個人事業主を含む) | 取得に充てた補助金の額を、総収入金額に算入しない | 確定申告書に一定の事項を記載する(「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付) | 所得税法 第42条、タックスアンサーNo.2202 |
| 法人 | 補助金の額の範囲で固定資産の帳簿価額を減額(圧縮記帳)し、その額を損金に算入できる | 確定申告書に明細を記載する | 法人税法 第42条 |
どちらも、補助金の返還が不要になることが、その年(法人はその事業年度)の終わりまでに確定している必要があります。
特例を受けると、その後の計算が変わる
国税庁は、特例を受けた固定資産の取得費は、実際にかかった額から収入に算入しなかった補助金の額を差し引いた残額になると説明しています。減価償却費も、この差し引いた後の額をもとに計算します(No.2202)。
例えば、600万円の設備に200万円の補助金を受けて特例を使った場合、その設備の取得費は400万円として扱われます。補助金の分だけ、その後の減価償却費も小さくなります。
住宅の補助金を受け取った個人の場合
国税庁は、「すまい給付金」などを例に、個人が住宅の取得に対する給付金を受け取った場合の扱いを説明しています(No.1490 Q&A)。
- 受け取った年の一時所得として、所得税の課税対象になる。
- 一時所得には特別控除50万円があり、他の一時所得との合計が年50万円を超えなければ、確定申告の必要はない。
- 国の補助金を財源とするなど「国庫補助金等」に当たるものは、明細書を付けて確定申告すれば、一時所得の総収入金額に含めないことができる。
一時所得の定義は所得税法 第34条にあり、特別控除額は50万円(残額が50万円に満たない場合はその残額)と定められています。
住宅ローン控除では補助金を差し引く
同じQ&Aで国税庁は、住宅の取得について補助金等を受ける場合、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けるときは、住宅の取得価額から補助金等の額を差し引いて計算すると説明しています。
リフォームや省エネ設備の補助金を使って住宅ローン控除も受ける場合は、控除の計算のもとになる額が変わることになります。
当サイトの制度でいうと
| 制度 | 補助金の使い道 | 関係しそうな規定 |
|---|---|---|
| 福井県 企業の太陽光・蓄電池 | 事業所の設備(固定資産)の取得 | 法人は法人税法 第42条、個人事業主は所得税法 第42条 |
| 古賀市 中小企業向け太陽光 | 事業所の設備(固定資産)の取得 | 同上 |
| 福井県 住宅の太陽光・蓄電池 | 住宅の設備の取得 | 所得税法 第42条・第34条、住宅ローン控除の計算 |
| 茅野市 新商品開発 | 原材料・外注・デザインなど(固定資産でない経費を含む) | 固定資産の取得に充てる部分かどうかで扱いが変わる |
どの規定がどの補助金に当てはまるかは、補助金の性質(国の補助金を財源とするか、固定資産の取得に充てるものか)と受け取る人の状況で決まります。
確かめておくこと
- 補助金を、固定資産(設備・住宅など)の取得や改良に充てるか
- 補助金の返還が不要になることが、いつ確定するか(年・事業年度をまたがないか)
- 特例を使う場合に、どの明細書を確定申告書に付けるか
- 住宅ローン控除など、ほかの税制と一緒に使う場合の計算
出典
- No.2202 国庫補助金等を受け取ったとき(国税庁 タックスアンサー)(確認日 2026-09-30)
- No.1490 一時所得 Q&A(国税庁 タックスアンサー)(確認日 2026-09-30)
- 所得税法(昭和四十年法律第三十三号、e-Gov法令検索)(確認日 2026-09-30)
- 法人税法(昭和四十年法律第三十四号、e-Gov法令検索)(確認日 2026-09-30)
- 第2節 国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳(国税庁 法人税基本通達)(確認日 2026-09-30)
よくある質問
個人が住宅の補助金を受け取ったら、確定申告は必要ですか?
国税庁は、すまい給付金等を例に、一時所得として課税対象になるとしたうえで、一時所得には特別控除50万円があり、他の一時所得との合計が年50万円を超えない限り確定申告の必要はないと説明しています。給与所得者の場合の扱いなど、詳しくは国税庁のQ&Aを確認してください。
個別の税額を教えてもらえますか?
当サイトでは個別の税務の判断はしていません。所轄の税務署や税理士に相談してください。
この記事の更新
- 2026年9月30日初版
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