申請の基礎
士業・専門サービス業が使える補助金:持続化補助金は「士業法人」が対象になりうる一方、医師・歯科医師・助産師は対象外。デジタル化・AI、省力化、新事業進出での扱い
税理士・弁護士・社会保険労務士などの士業や、専門サービス業の事業者が国の補助金を使えるかを、公募要領の「補助対象者」の書き方から整理。小規模事業者持続化補助金は士業法人(弁護士・税理士等)を補助対象となりうる者に挙げ、医師・歯科医師・助産師と医療法人を対象外としています。デジタル化・AI導入補助金、省力化投資補助金、新事業進出・ものづくり補助金、事業承継・M&A補助金の対象者の定義と、報酬を得て他人の申請書を作るときの注意も並べます。
税理士・弁護士・社会保険労務士などの士業や、コンサルティング・デザインなどの専門サービス業が国の補助金を使えるかは、補助金ごとに公募要領の「補助対象者」の書き方で決まります。
小規模事業者持続化補助金(第20回)は、補助対象となりうる者に「会社および会社に準ずる営利法人」を挙げ、その例に士業法人(弁護士・税理士等)を入れています。一方で「補助対象にならない者」には医師、歯科医師、助産師と医療法人が挙がっています。
対象かどうかを確かめる順番
補助金ごとの扱いを並べる
| 補助金 | 士業・専門サービス業に関わる書き方(公募要領・公式ページ) |
|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金(第20回) | 補助対象となりうる者:会社および会社に準ずる営利法人(株式会社…企業組合・協業組合、士業法人(弁護士・税理士等))、個人事業主(商工業者であること)、一定の要件を満たした特定非営利活動法人。補助対象にならない者:医師、歯科医師、助産師、医療法人、一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人、社会福祉法人など |
| デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 士業を名指しする記載は見当たりません。中小企業等の範囲は業種ごとの資本金・従業員数で決まり、医療法人・社会福祉法人は300人以下、一般社団法人等は主たる業種の従業員規模以下で対象の定義に含まれます。申請するすべての事業者は、製品・サービスの生産・提供など生産活動に資する事業を行っていることが前提とされています |
| 省力化投資補助金(一般型) | 公式ページの補助対象者は「中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人」。士業についての個別の記載はこのページにはありません |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回) | 財団法人・社団法人(公益・一般)、医療法人、法人格のない任意団体などは補助対象外 |
| 事業承継・M&A補助金(16次・事業承継促進枠) | 社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人などは対象外。個人事業主は青色申告者であることが条件 |
どの補助金も、士業であることだけを理由に対象から外す書き方はしていません(当サイトが上の公募要領・ページで確認した範囲)。対象になるかどうかは、法人の種類・規模・事業の内容などの要件をすべて満たすかで決まります。
持続化補助金で確かめる3点
- 小規模事業者の人数:商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下、製造業その他は20人以下。業種は「現に行っている事業の業態、または今後予定している業態」で判定し、別紙「参考資料」で考え方が示されます。会社役員や同居の親族従業員は人数に含みません。
- 個人事業主は「商工業者」であること:個人で開業している士業が「商工業者」に当たるかどうかについて、公募要領本文に個別の記載はありません。申請先の商工会・商工会議所で確かめる必要があります。
- 国の他の制度と重なる事業は対象外:公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬などと同一・類似内容の事業は補助対象外です(例として薬局・整骨院等の保険診療報酬が適用されるサービス)。
補助上限は50万円(インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円)、補助率は2/3です(小規模事業者持続化補助金とは)。
士業が「支援する側」になるとき
補助金の申請書を報酬を得て作成することは、2026年1月施行の改正行政書士法の考え方に関わります。雇用関係助成金の申請書類の作成や提出の代行は社会保険労務士の業務です。詳しくは補助金の申請書の作成を人に頼むときにまとめています。デジタル化・AI導入補助金では、ITツールを提供する「IT導入支援事業者」と補助を受ける事業者を兼ねることはできません(IT・情報通信業が使える補助金)。
関連
出典
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助金(一般型)について(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)(確認日 2026-10-01)
- 事業承継・M&A補助金 16次公募 公募要領(事業承継促進枠)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
税理士法人は持続化補助金に申請できますか?
第20回の公募要領は「補助対象となりうる者」に「会社および会社に準ずる営利法人」を挙げ、その中に「士業法人(弁護士・税理士等)」を含めています。ほかに小規模事業者であること(商業・サービス業は常時使用する従業員5人以下など)などの要件をすべて満たす必要があります。
開業医は持続化補助金の対象ですか?
第20回の公募要領は「補助対象にならない者」に「医師、歯科医師、助産師」と「医療法人」を挙げています。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。各公募要領と公式ページ(2026年10月1日確認)で作成
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