申請の基礎
IT・情報通信業が使える補助金:デジタル化・AI導入補助金は「導入する側」と「IT導入支援事業者」の両方にはなれない、中小企業の範囲と自治体の立地補助
ソフトウェア業・情報処理サービス業などIT・情報通信業の事業者が補助金を探すときの整理。デジタル化・AI導入補助金2026ではIT導入支援事業者に登録している(登録しようとする)事業者は補助事業者になれないこと、登録の要件、国の補助金での中小企業の範囲(資本金3億円以下または300人以下)、新事業進出・ものづくり補助金の扱い、自治体のIT企業向け立地補助(松江市・徳島県)の例を原文から並べます。
IT・情報通信業の事業者が補助金を探すときは、まず自社が「ITを売る・入れる側」なのか「ITや設備を導入する側」なのかを分けて考えます。国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、ITツールを提供する事業者は「IT導入支援事業者」として登録し、補助金を使う中小企業を支援する立場になります。同じ年度にIT導入支援事業者と補助事業者を兼ねることはできません。
中小企業の範囲は、ソフトウェア業・情報処理サービス業なら資本金3億円以下または常時使用する従業員300人以下です(デジタル化・AI導入補助金、新事業進出・ものづくり補助金の公募要領)。ほかのサービス業より広い範囲です。
IT・情報通信業の立場で分ける
ITツールを販売・提供する
デジタル化・AI導入補助金のIT導入支援事業者として登録(補助金は顧客が受ける)
自社の業務にITや設備を入れる
デジタル化・AI導入補助金(自社がIT導入支援事業者でない場合)
新しい製品・サービスを開発する
新事業進出・ものづくり補助金
新しい地域に事業所を開く
自治体の立地補助(賃料・通信費・雇用)
デジタル化・AI導入補助金での2つの立場
| 項目 | IT導入支援事業者(ITを提供する側) | 補助事業者(ITを導入する側) |
|---|---|---|
| 何をするか | 中小企業等にITツールを導入し、補助事業を円滑に進めるための支援をする | ITツールを導入し、補助金を受ける |
| なり方 | 事務局に登録申請し、事務局と外部審査委員会の審査を経て登録 | 交付申請し、交付決定を受ける |
| 主な要件 | 日本国内で法人登記され国内に本社がある法人、安定的な事業基盤、本事業の要件を満たすソフトウェア等の提供・販売の実績 など | 中小企業・小規模事業者等であること、GビズIDプライム、事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上 など |
| 個人事業主 | コンソーシアムの構成員としてのみ登録できる(幹事社は法人のみ) | 対象になりうる |
| 登録・申請の時期 | 登録申請は2026年1月30日から開始予定(登録要領) | 締切回ごと(デジタル化・AI導入補助金2026とは) |
重複の禁止:通常枠の公募要領は、デジタル化・AI導入補助金2026でIT導入支援事業者(構成員を含む)に登録されている事業者、または登録を行おうとする事業者を申請の対象外としています。同一事業者かどうかは「みなし同一法人」の考え方で判断され、IT導入支援事業者の代表者・役員は他の事業者として交付申請できません。ただし、昨年度以前のIT導入補助金で登録されている場合は「この限りでない」とされています。
公式サイトには「IT導入支援事業者の登録取消について」というお知らせが2026年に何度も掲載されています(3月6日・3月17日・4月24日・6月30日・9月10日更新)。登録要領は、虚偽の申請や利害関係者への不当な利益配賦などの不正な行為をしないことを登録の要件にしています。
国の補助金での「中小企業」の範囲
| 業種 | 資本金 | 常時使用する従業員 |
|---|---|---|
| ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の公募要領、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回の公募要領。どちらか一方を満たせば中小企業に当たります)
小規模事業者持続化補助金の「小規模事業者」は業種で線が違い、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下、製造業その他は20人以下です。業種は「現に行っている事業の業態、または今後予定している業態」で判定するとされています(小規模事業者の定義)。
新事業進出・ものづくり補助金
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、ソフトウェア業・情報処理サービス業も上の範囲で中小企業者に当たります。公募要領は、該当しない組合・連合会、財団法人・社団法人(公益・一般)、医療法人、法人格のない任意団体を補助対象外としています。第1回の公募期間は令和8年6月29日〜10月30日18:00です。枠や補助率は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは、前身の事業再構築補助金との違いは事業再構築補助金と新事業進出補助金の違いで整理しています。
自治体のIT企業向け立地補助(例)
市外・県外から事業所を開くIT企業に、賃料・通信費・雇用を補助する自治体があります。2つの例を並べます。
| 項目 | 松江市 情報サービス産業等立地促進補助金 | 徳島県 情報通信関連事業立地促進補助制度 |
|---|---|---|
| 対象 | 市外から新規に立地した情報サービス産業等(ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業、デジタルコンテンツ業、コールセンター業、データセンター業など) | コールセンター・データセンター・ソリューションセンター・事務処理センター・クラウドサービス、デジタルコンテンツ、Society5.0関連技術研究開発の各事業 |
| 雇用の要件 | 市内在住の常時従業者を3人以上継続雇用 | 操業開始から1年以内に新規地元雇用10人以上(デジタルコンテンツ・Society5.0関連は5人以上、過疎地域の研究開発は3人以上)。3年以上の事業活動実績 |
| 賃料 | 月額賃料の1/2、限度額 月20万円、最長8年間 | 1/2、限度額 年2,000万円(デジタルコンテンツは1,000万円)、5年間 |
| その他 | 市内の空き施設に入居、賃貸借契約の履行開始日から1年以内 | 専用通信回線使用料1/2、新規地元雇用1人70万円(無期)など |
松江市のページは2026年4月1日更新、徳島県のページには年度・更新日の記載がありません。どちらも申請の前に自治体へ確かめる必要があります。自治体の制度はJグランツと公式ページでの探し方も参考になります。
関連
出典
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)(確認日 2026-10-01)
- デジタル化・AI導入補助金2026 IT導入支援事業者登録要領(確認日 2026-10-01)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)(確認日 2026-10-01)
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- 情報サービス産業等立地促進補助金制度(松江市)(確認日 2026-10-01)
- 情報通信関連事業立地促進補助制度(徳島県企業誘致ガイド)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
自社がIT導入支援事業者なら、デジタル化・AI導入補助金で自社のツールを入れられますか?
通常枠の公募要領は、デジタル化・AI導入補助金2026でIT導入支援事業者(構成員を含む)に登録されている事業者または登録を行おうとする事業者を申請の対象外とし、IT導入支援事業者と補助事業者は重複できないとしています。ただし、昨年度以前のIT導入補助金で登録されている場合は「この限りでない」とされています。
ソフトウェア業の中小企業の範囲は?
デジタル化・AI導入補助金と新事業進出・ものづくり補助金の公募要領では、ソフトウェア業又は情報処理サービス業は資本金3億円以下または常時使用する従業員300人以下です。ほかのサービス業(5,000万円以下または100人以下)より範囲が広くなっています。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。各公募要領・登録要領と自治体のページ(2026年10月1日確認)で作成
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