申請の基礎
研究開発・新製品開発の補助金:Go-Tech事業(大学・公設試と連携、最大3年)と、ものづくりの革新的新製品枠・市町村の商品開発補助の違い
中小企業の研究開発・新製品開発に使える補助金を3つの規模で並べます。国のGo-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)は大学・公設試等と共同体を作り、通常枠で3年間合計9,750万円以下・補助率2/3以内(令和8年度は申請284件・採択122件)。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠は1社で申請し上限750万〜2,500万円。茅野市の新商品開発事業補助金は上限30万円。対象になる開発の範囲、申請の窓口、期間の違いを整理します。
中小企業の研究開発・新製品開発に使える補助金は、規模と組み方で大きく分かれます。大学・公設試等と組む数千万円規模の国のGo-Tech事業、1社で申請する数百万〜数千万円規模の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠)、数十万円規模の市町村の商品開発補助です。
研究開発・新製品開発の補助金の3つの規模
3つの制度を並べる
| 項目 | Go-Tech事業(令和8年度) | 革新的新製品・サービス枠(第1回) | 茅野市 新商品開発事業補助金 |
|---|---|---|---|
| 実施 | 中小企業庁(経済産業局等が窓口) | 中小企業基盤整備機構 | 茅野市 |
| 組み方 | 中小企業者等を中心とした共同体(大学・公設試等と連携) | 1社で申請 | 1社で申請 |
| 対象の開発 | ものづくり基盤技術・サービスの高度化に向けた研究開発・試作品開発と、その成果の販路開拓 | 自社の技術力等を生かした革新的な新製品・新サービスの開発 | 地域資源・観光資源を生かした一般消費者向けの新商品 |
| 補助率 | 中小企業者等2/3以内、大学・公設試等は定額 | 中小企業者1/2(特例2/3)、小規模・再生事業者2/3 | 1/2以内 |
| 上限 | 通常枠:単年度4,500万円、3年間合計9,750万円(2年間なら7,500万円)。大型研究開発枠:単年度1億円、3年間合計3億円 | 従業員数で750万〜2,500万円(賃上げ特例で850万〜3,500万円)。下限100万円 | 30万円 |
| 期間 | 2年度又は3年度 | 交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内) | 市のページで確認 |
| 申請 | e-Rad(府省共通研究開発管理システム)だけで受付 | 電子申請システム(GビズIDプライムアカウントが必要) | 開発に着手する前に計画届を市に提出(Jグランツでの申請受付は無) |
Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)
経済産業局等の案内によると、Go-Tech事業は、中小企業者等が大学・公設試等と連携して行う研究開発と、その事業化に向けた取組を最大3年間支援する事業です。対象は「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針」を踏まえた研究開発等で、北海道経済産業局は精密加工・表面処理・立体造形などのものづくり基盤技術とサービスの高度化を例に挙げています。
- 補助率は、中小企業者等が2/3以内、大学・公設試等は定額。中小企業者等が受け取る補助金額が、共同体全体の補助金総額の2/3以上である必要があります。
- 申請書の提出はe-Radでのみ受け付けられ、e-Radへの登録には日数がかかる場合があると注意されています。
- 令和8年度の公募期間は2026年2月16日〜4月17日17時。採択想定件数は通常枠120件程度、大型研究開発枠5件程度でした。
令和8年度の申請件数と採択件数
| 枠 | 申請件数 | 採択件数 | 採択の割合(当サイトが計算) |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 271件 | 117件 | 43.2% |
| 大型研究開発枠 | 13件 | 5件 | 38.5% |
| 合計 | 284件 | 122件 | 43.0% |
件数は北海道経済産業局の公表(2026年6月29日)によります。北海道経済産業局の管内からは通常枠5件、大型研究開発枠1件が採択されました。
上限と補助率の読み方
上限は単年度と複数年度の合計の両方にかかります。たとえば通常枠で、中小企業者等の経費が毎年6,000万円の3年計画なら、補助率2/3で毎年4,000万円、3年で1億2,000万円になりますが、3年間合計の上限9,750万円が先にかかります(当サイトの計算。大学・公設試等の定額分を含めた共同体全体の配分は公募要領で確かめてください)。
革新的新製品・サービス枠(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)
1社で新製品・新サービスを開発する場合は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠が比べる対象です。公募要領は、対象にならない例をはっきり書いています。
- 既存の製品・サービスの生産等のプロセスの改善・向上を図る事業は対象外。
- 単に機械装置・システム等を導入するだけで、新製品・新サービスの開発を伴わないものは対象外。
- 同業の中小企業者等(地域性の高いものは同一地域の同業他社)で既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発も対象外。
| 従業員数 | 補助上限額(かっこ内は賃上げ特例) |
|---|---|
| 1〜5人 | 750万円(850万円) |
| 6〜20人 | 1,000万円(1,250万円) |
| 21〜50人 | 1,500万円(2,500万円) |
| 51人以上 | 2,500万円(3,500万円) |
同じ補助金の新事業進出枠は、研究開発よりも「既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出」を対象にしており、新規性は「世の中における新規性(日本初・世界初)ではありません」とされています。補助下限額は750万円です。枠の違いは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とはで整理しています。
市町村の商品開発補助(茅野市の例)
市町村には、地域の資源を生かした商品開発を小さく支える補助があります。長野県茅野市の新商品開発事業補助金は、市内の農林水産品などの地域資源や、八ヶ岳・縄文などの観光資源を生かした新商品の開発経費の2分の1(上限30万円)を補助します。開発に着手する前に計画届を出す必要があり、国・県・市などの類似の補助を受ける場合は対象外です(茅野市の新商品開発事業補助金)。
選ぶときに確かめること
- 組み方:大学・公設試等と共同研究をするか。するならGo-Tech事業、しないなら1社で申請する制度。
- 開発の中身:生産工程の改善だけか、新製品・新サービスの開発か。革新的新製品・サービス枠は工程の改善だけでは対象外です。
- 期間:Go-Tech事業は2〜3年度、革新的新製品・サービス枠は交付決定から10か月以内。
- 申請の準備:Go-Tech事業はe-Radへの登録、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金はGビズIDプライムアカウントの取得が必要です(GビズIDとJグランツ)。
- 重ねられるか:同じ経費に国と市町村の補助を重ねられない制度があります(補助金は併用できる?)。
出典
- 令和8年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」の公募を開始します(内閣府 沖縄総合事務局)(確認日 2026-10-01)
- 令和8年度 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の採択者を決定しました(北海道経済産業局、2026年6月29日)(確認日 2026-10-01)
- 令和8年度予算 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の公募を開始しました(北海道経済産業局、2026年2月17日)(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)(確認日 2026-10-01)
- 茅野市新商品開発事業補助金について(茅野市)(確認日 2026-09-30)
よくある質問
Go-Tech事業は1社だけで申請できますか?
経済産業局等の案内では、中小企業者等を中心とした共同体を構成する必要があり、大学・公設試等と連携して行う研究開発等が対象です。1社だけで研究開発の設備を入れる場合は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠などが比べる対象になります。
Go-Tech事業の次の公募はいつですか?
令和8年度の公募は2026年2月16日〜4月17日17時で、採択は6月に公表されました。次の公募の時期は、当サイトでは2026年10月1日時点で公式の告知を確認できていません。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。Go-Tech事業は令和8年度の公募(2026年2月16日〜4月17日)と採択の公表、新事業進出・ものづくりは第1回公募要領で作成