申請の基礎
NPO法人・一般社団法人が使える補助金:持続化補助金は一般社団法人が対象外、NPO法人は条件付き。国の4制度と雇用関係助成金、助成財団の探し方
NPO法人(特定非営利活動法人)と一般社団法人が国の補助金を使えるかどうかは、制度ごとに公募要領の「対象者」で決まっています。持続化補助金は一般社団法人を対象外とし、NPO法人は収益事業を行い認定NPO法人でない場合に限って対象になり得ます。デジタル化・AI導入補助金は社団法人・NPO法人も中小企業等に含めます。省力化投資補助金(一般型)と新事業進出・ものづくり補助金は社団法人を対象外とし、NPO法人には経営力向上計画の認定など5つの要件を求めます。雇用関係助成金の「事業主」は法人格を問いません。民間の助成財団の探し方もまとめました。
NPO法人(特定非営利活動法人)や一般社団法人が国の補助金を使えるかどうかは、制度ごとに公募要領の「対象者」の欄で決まっています。同じ非営利の法人でも、NPO法人と一般社団法人で扱いが逆になる制度があります。
当サイトが確認した国の4制度では、一般社団法人は3制度で対象外、NPO法人は4制度とも、それぞれの条件を満たせば対象になり得るという結果でした(2026年10月1日時点の公募要領)。人を雇う法人向けの厚生労働省の雇用関係助成金は、法人格の種類で対象を分けていません。
法人格で確かめる4つの点
法人格が対象者に入っているか
公募要領の「補助対象となる者」「補助対象外」の欄
NPO法人の追加要件
収益事業・認定NPOでないこと・経営力向上計画
従業員の数
0名は対象外の制度がある
小規模の扱い
NPO法人の従業員基準は制度ごとに違う
国の4制度:法人格ごとの扱い
| 制度 | 一般社団法人・公益社団法人 | NPO法人 | 一般財団法人・公益財団法人 |
|---|---|---|---|
| 持続化補助金〈一般型〉 | 対象外 | 条件付きで対象になり得る(2要件) | 対象外 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 中小企業等に含まれる(主たる業種の従業員規模以下) | 中小企業等に含まれる(主たる業種の従業員規模以下) | 中小企業等に含まれる(主たる業種の従業員規模以下) |
| 省力化投資補助金(一般型) | 対象外 | 条件付き(5要件) | 対象外 |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 対象外 | 条件付き(5要件) | 対象外 |
※省力化投資補助金は、第8回公募の一般型の公募要領で確認しました。カタログ注文型は当サイトでは未確認です。
持続化補助金:一般社団法人は対象外、NPO法人は2つの要件
第20回の公募要領(第8版)は、「補助対象にならない者」として、医療法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人などとあわせて一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人を挙げています。任意団体も対象外です。
NPO法人は、次の2つを満たす場合に限って補助対象となり得ます。
- 法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条に規定される34事業)を行っていること。収益事業を行っていても、免税されていて確定申告書の提出ができない場合は対象外です。
- 認定特定非営利活動法人でないこと。
要件を満たすNPO法人は、「常時使用する従業員の数」の基準に「製造業その他」の20人以下を使います。提出書類には、NPO法人用の列があり、貸借対照表と活動計算書、法人税確定申告書(別表一・別表四)の直近1期分などを出します。
補助率は2/3、補助上限は50万円(特例による上乗せを除く)です。補助額は「補助対象経費×2/3」と上限の低い方です(当サイトの計算例)。
| 補助対象経費 | ×2/3 | 上限(通常) | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 60万円 | 40万円 | 50万円 | 40万円 |
| 90万円 | 60万円 | 50万円 | 50万円 |
デジタル化・AI導入補助金2026:社団法人・NPO法人も中小企業等に含まれる
公募要領(通常枠)の「中小企業等の定義」には、会社・個人事業主のほかに、⑭財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)と⑮特定非営利活動法人が並んでいます。どちらも「①〜⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者」が対象です。医療法人・社会福祉法人(⑨)と学校法人(⑩)は常時使用する従業員300人以下です。
公募要領は、過去のIT導入補助金で申請を受け付けた主な組織形態として、NPO法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人などを挙げています。
注意点が2つあります。
- ⑨〜⑮の組織形態は、小規模事業者には該当しないとされています(小規模事業者の定義)。
- 申請するすべての事業者は、製品・サービスの生産・提供など、生産活動に資する事業を行っていることが前提です。法人は日本国内で法人登記され、法人番号が公表されていることが要件です。
省力化投資補助金(一般型)・新事業進出・ものづくり補助金:NPO法人は5つの要件
2つの公募要領はどちらも、財団法人(公益・一般)、社団法人(公益・一般)、法人格のない任意団体を補助対象外としています。NPO法人は、次のすべてを満たす場合に対象になります。
| 要件 | 省力化投資(一般型) | 新事業進出・ものづくり |
|---|---|---|
| 広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行う | 必要 | 必要 |
| 従業員数300人以下 | 必要 | 必要 |
| 法人税法上の収益事業を行う | 必要 | 必要 |
| 認定特定非営利活動法人ではない | 必要 | 必要 |
| 交付申請時までに経営力向上計画の認定を受けている | 必要 | 必要(中小企業等経営強化法第17条) |
| 従業員20人以下の場合 | 補助率2/3 | 小規模企業・小規模事業者とみなし、革新的新製品・サービス枠の補助率2/3 |
| 従業員0名 | 応募できない | 対象外 |
経営力向上計画は、交付申請の時点までに認定を受けていることが要件です(経営革新計画・経営力向上計画・先端設備等導入計画)。新事業進出・ものづくり補助金は、採択後から補助事業の終了までに従業員が21人以上になると補助率が1/2になり、補助金額も減るとしています。
雇用関係助成金:法人格を問わず「雇用保険適用事業所の事業主」
厚生労働省の雇用関係助成金(キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金など)は、共通要領(令和8年4月8日現在)で対象を決めています。
- 共通要領の「事業主」は、事業の経営の主体である個人又は法人若しくは法人格がない社団若しくは財団をいいます。
- 支給対象は、雇用保険適用事業所の事業主(支給申請日と支給決定日の時点で雇用保険被保険者がいる事業所の事業主)で、書類の整備・保管や労働局の調査への協力などの要件も満たす事業主です。
- 国、地方公共団体(地方公営企業を除く)、行政執行法人、特定地方独立行政法人には支給しません。
- 中小企業事業主かどうかは、資本金等を持たない一般社団法人・公益社団法人・一般財団法人・公益財団法人などの場合、常時雇用する労働者の数で判定します。
つまり、NPO法人も一般社団法人も、雇用保険の被保険者を雇っていれば、法人格の種類ではなく各助成金の要件で対象が決まります。全体像は人を雇う・育てる助成金の全体像にまとめています。
民間の助成財団を探す
国の補助金とは別に、民間の助成団体が公募する助成プログラムもあります。公益財団法人 助成財団センターは、「助成・奨学金情報navi」で民間の助成団体の助成プログラムを検索できるようにしています。
| 項目 | 助成財団センターのページの説明 |
|---|---|
| 掲載範囲 | 毎年のデータベース調査に回答した約2,000の助成団体のうち、公開を承諾した団体の基本情報と、一般公募・限定公募の助成プログラム |
| 絞り込み | 「事業形態1」「事業形態2」「事業分野」の組み合わせ、募集時期、助成団体名 |
| 掲載される団体 | 公益財団法人・一般財団法人のほか、公益社団法人、一般社団法人、NPO法人、公益的な助成活動を行う企業など |
助成財団センターは、応募の前に、各助成団体の「助成を行う目的」を調べ、自分たちの事業や研究が助成団体の目的と一致しているかをよく検討することが大切だとしています。
確かめておくこと
- 使いたい制度の公募要領で、自分の法人格が「補助対象となる者」に入っているか、「対象外」に挙がっていないか
- NPO法人は、法人税法上の収益事業を行い、確定申告書を提出しているか(持続化補助金では、免税で提出できない場合は対象外)
- 認定NPO法人かどうか(持続化・省力化・新事業進出ものづくりでは、認定NPO法人は対象外)
- 省力化・新事業進出ものづくりを使うなら、交付申請までに経営力向上計画の認定を受けられるか
- 従業員がいるか(0名は省力化・新事業進出ものづくりの対象外。雇用関係助成金は雇用保険被保険者がいることが前提)
出典
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版(確認日 2026-10-01)
- 雇用関係助成金支給要領 共通要領(令和8年4月8日現在)(確認日 2026-10-01)
- 助成金・奨学金・助成団体を検索したい(公益財団法人 助成財団センター)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
一般社団法人は持続化補助金に申請できますか?
第20回の公募要領(第8版)は、「補助対象にならない者」に一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人を挙げています。省力化投資補助金(一般型)と新事業進出・ものづくり補助金の公募要領も、社団法人・財団法人を補助対象外としています。一方、デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領は、社団法人(一般・公益)を中小企業等の定義に含めています。
NPO法人ならどの補助金でも使えますか?
制度ごとに条件があります。持続化補助金は、法人税法上の収益事業を行っていること(免税で確定申告書を出せない場合は対象外)と、認定特定非営利活動法人でないことの2つを満たす場合に限り、補助対象となり得るとしています。省力化投資補助金(一般型)と新事業進出・ものづくり補助金は、これに加えて、広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行うこと、従業員数300人以下、交付申請時までの経営力向上計画の認定を求めています。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。各制度の2026年10月1日時点の公募要領・共通要領と、助成財団センターのページで確認
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