申請の基礎
フリーランス・副業の人が使える補助金はある? 個人事業主として開業していること・確定申告の書類・従業員の要件を公募要領で確かめる
フリーランスや会社員の副業で事業をしている人が国の補助金を使えるかは、「個人事業主として開業しているか」「確定申告書・納税証明書を出せるか」「従業員がいるか」で決まります。持続化補助金は開業前の人を対象外とし、デジタル化・AI導入補助金は確定申告書の控えと所得税の納税証明書を求め、新事業進出・ものづくりと省力化投資(一般型)は従業員0名を対象外とします。当サイトが確認した公募要領に、副業かどうかで対象を分ける記載は見当たりませんでした。フリーランス・事業者間取引適正化等法は補助金とは別の制度です。
フリーランスや、会社員が副業で営む事業でも、個人事業主として事業を営んでいれば、国の中小企業向け補助金の対象になり得ます。分かれ目になるのは、働き方の呼び方ではなく、公募要領が求める次の3点です。
- 開業していて、事業を始めているか
- 確定申告書・納税証明書などの書類を出せるか
- 従業員がいるか(0名だと対象外の制度がある)
申請の前に確かめる順番
- 1開業日と事業の開始
- 2確定申告と納税証明書
- 3従業員の有無
- 4使いたい制度の公募要領の対象者
副業かどうかで対象を分ける記載は、当サイトが確認した4制度の公募要領には見当たりませんでした。
副業かどうかは要件になっているか
当サイトは、持続化補助金〈一般型〉(第20回)、デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)、新事業進出・ものづくり補助金(第1回)、省力化投資補助金(一般型・第8回)の公募要領で、「副業」「兼業」「給与所得」の語を確かめました。申請者の要件として、副業かどうか・給与所得があるかどうかで対象を分ける記載は見当たりませんでした(「兼業・副業、フリーランス等の専門家」への依頼費用を経費として挙げる記載や、給与支給総額の定義はあります)。
そのため、副業で事業をしている人も、各制度の要件を満たすかどうかで判断されることになります。個別の扱いは各制度の事務局に確かめてください。
制度ごとの条件
| 制度 | 開業・事業開始 | 必要な申告書類(個人) | 従業員0名 |
|---|---|---|---|
| 持続化補助金〈一般型〉 | 申請時点で開業していない創業予定者は対象外。開業届上の開業日が申請日より後、または申請時点までに事業を開始していない場合も対象外 | 直近の確定申告書(第一表・第二表と収支内訳書または青色申告決算書) | 対象になり得る |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 日本国内に補助事業の実施場所を有する個人であること | 本人確認書類、直近分の所得税の納税証明書(その1かその2)、直近分の確定申告書の控え、青色申告決算書か収支内訳書。代替書類は一切認められない | — |
| 新事業進出・ものづくり | — | 確定申告書など | 対象外 |
| 省力化投資(一般型) | — | 確定申告書など | 応募できない |
- 持続化補助金〈一般型〉の個人事業主は「商工業者であること」が条件で、医師・歯科医師・助産師などは対象外です。
- デジタル化・AI導入補助金は、申請するすべての事業者が、製品・サービスの生産・提供など生産活動に資する事業を行っていることを前提にしています。
- 新事業進出・ものづくり補助金は、企業規模の拡大や賃上げが目的なので従業員0名の事業者は対象にならない、と理由を書いています。省力化投資補助金(一般型)は、応募申請時に従業員数が0名だと対象となる給与が存在しないので応募できないとしています。
個人事業主の提出書類と、白色申告でも申請できるかは個人事業主が使える補助金に詳しくまとめています。
開業・従業員の状況で整理すると
公募要領の要件から整理すると、従業員がいない個人事業主にとっては次のようになります。
| 状況 | 公募要領の要件から見て対象になり得る国の制度 |
|---|---|
| 開業前 | 持続化補助金〈一般型〉は対象外。開業から1年以内の人向けの〈創業型〉は創業前・創業直後に使える補助金 |
| 開業済み・確定申告済み・従業員0名 | 持続化補助金〈一般型〉、デジタル化・AI導入補助金(それぞれの要件を満たす場合) |
| 従業員を雇っている | 上記に加え、新事業進出・ものづくり、省力化投資(一般型)、雇用関係助成金 |
人を雇う助成金は「雇用保険適用事業所の事業主」
厚生労働省の雇用関係助成金の共通要領は、「事業主」を事業の経営の主体である個人又は法人などとし、支給対象を雇用保険適用事業所の事業主(支給申請日と支給決定日の時点で雇用保険被保険者がいる事業所の事業主)としています。1人で働くフリーランスは、人を雇って雇用保険の適用事業所になるまでは対象になりません(人を雇う・育てる助成金の全体像)。
フリーランス・事業者間取引適正化等法は補助金とは別
フリーランス・事業者間取引適正化等法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、令和5年法律第25号)は、令和6年11月1日に施行された法律で、補助金の制度ではありません。
| 項目 | 厚生労働省のページの説明 |
|---|---|
| 何を決めた法律か | フリーランスに業務委託を行う発注事業者に、取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内の報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備などを義務付ける |
| 執行 | 取引の適正化に係る規定は主に公正取引委員会と中小企業庁、就業環境の整備に係る規定は主に厚生労働省 |
| 副業の人 | 特定の事業者に従業員として雇用されている個人が、副業で行う事業について事業者として業務委託を受けている場合は、この法律の「特定受託事業者」に該当する |
この法律で「特定受託事業者」に当たることと、補助金の対象になるかどうかは別の話です。補助金の対象かどうかは、各制度の公募要領の要件で決まります。
確かめておくこと
- 開業届上の開業日と、実際に事業を始めた日が、申請日より前か
- 直近の確定申告書(控え)、所得税の納税証明書、収支内訳書または青色申告決算書を用意できるか
- 従業員がいるか(0名は新事業進出・ものづくり、省力化投資(一般型)の対象外)
- 持続化補助金なら、事業が「商工業者」に当たるか
- 副業での申請の扱いに疑問があれば、各制度の事務局に確かめる
出典
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(確認日 2026-10-01)
- 雇用関係助成金支給要領 共通要領(令和8年4月8日現在)(確認日 2026-10-01)
- フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ(厚生労働省)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
会社員の副業でも補助金に申請できますか?
当サイトが確認した持続化補助金(一般型)、デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金(一般型)の公募要領には、給与所得者の副業かどうかで対象を分ける記載は見当たりませんでした。各制度の要件(開業していること、確定申告書などの書類、従業員の要件など)を満たすかで判断されます。個別の扱いは各制度の事務局に確かめてください。
開業届を出していれば、まだ仕事を始めていなくても申請できますか?
持続化補助金〈一般型〉の公募要領は、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日より後の場合や、申請時点までに事業を開始していない場合は補助対象外としています。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。各制度の2026年10月1日時点の公募要領と厚生労働省のページで確認
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