申請の基礎
補助金・助成金・給付金・交付金の違い:補助金適正化法の「補助金等」の定義と、負担金・委託費まで言葉を整理する
補助金・負担金・利子補給金・給付金・交付金・助成金・委託費は、法律の上でどう位置づけられているのか。補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)第2条の定義と、同法施行令第2条が「政令で定める給付金」として挙げる209号の名前を数えた結果(交付金が188号、委託費が7号など)、地方自治法の「補助」、間接補助金のしくみから整理します。
補助金・助成金・給付金・交付金は、どれも国や自治体から支給されるお金を指す言葉ですが、法律の上での位置づけは同じではありません。補助金と助成金の違い(審査の有無・後払いなど、申請する側から見た違い)は補助金と助成金の違いにまとめました。このページでは、法律の条文の言葉から、給付金・交付金・負担金・委託費まで含めて整理します。
補助金適正化法の「補助金等」
国の補助金のルールを定めた「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(補助金適正化法)は、第2条第1項で「補助金等」を次のように定義しています。
この法律において「補助金等」とは、国が国以外の者に対して交付する次に掲げるものをいう。 一 補助金 二 負担金(国際条約に基く分担金を除く。) 三 利子補給金 四 その他相当の反対給付を受けない給付金であつて政令で定めるもの
補助金適正化法の「補助金等」
つまりこの法律では、「補助金」は「補助金等」の一つで、負担金・利子補給金・一部の給付金も同じルール(交付申請・交付決定・実績報告・返還など)の対象です(補助金の返還を求められるとき)。
「政令で定める給付金」を数える
第4号の「政令で定めるもの」は、補助金適正化法施行令第2条に第1号から第209号まで名前が並んでいます。当サイトが、各号の名前の末尾(括弧書きと「のうち」以下を除く)で分類しました。
| 名前の末尾 | 号の数 | 例 |
|---|---|---|
| 交付金 | 188 | デジタル田園都市国家構想推進交付金、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、社会資本整備総合交付金 |
| 補助率差額 | 8 | 過疎地域事業補助率差額 |
| 委託費 | 7 | 啓発宣伝事業等委託費、身体障害者福祉促進事業委託費 |
| 給付金 | 2 | 特別支援学校への就学奨励に関する法律の規定による給付金 |
| 助成金 | 2 | 労働時間等設定改善推進助成金、受動喫煙防止対策助成金 |
| 補給金 | 1 | 民間都市開発推進機構補給金 |
| 損失補償金 | 1 | 旧石炭鉱業再建整備臨時措置法の規定による損失補償金 |
| 合計 | 209 |
「給付金」という言葉で括られている第4号の中身は、名前で見るとほとんどが「交付金」です。反対に、名前が「給付金」で終わるものは2号だけでした。「給付金」「交付金」という名前から、補助金適正化法の対象かどうかは判断できず、施行令の列挙に入っているかで決まります。
言葉ごとの整理
| 言葉 | 条文での位置 | 当サイトの記事での例 |
|---|---|---|
| 補助金 | 補助金適正化法 第2条第1項第1号 | 持続化補助金、省力化投資補助金など国の補助金 |
| 負担金 | 同 第2号(国際条約に基づく分担金を除く) | ― |
| 利子補給金 | 同 第3号 | ― |
| 給付金 | 同 第4号は「相当の反対給付を受けない給付金であつて政令で定めるもの」 | ― |
| 交付金 | 施行令第2条に188号(当サイトが数えた値) | 例:新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金 |
| 助成金 | 施行令に2号。雇用関係の助成金は、国税庁の説明で「雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金」という書き方がある | 雇用関係助成金の全体像 |
| 委託費 | 法第2条第1項の列挙に語は無い。施行令は7つの委託費を給付金として列挙 | ― |
| 自治体の補助 | 地方自治法 第232条の2「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる。」 | 市区町村・都道府県の補助金 |
間接補助金:国のお金が自治体を通って届く場合
補助金適正化法は、国以外の者(都道府県・市区町村・事務局など)が、国の補助金等を財源にして交付する給付金を「間接補助金等」と定義しています(第2条第4項)。
国以外の者が相当の反対給付を受けないで交付する給付金で、補助金等を直接又は間接にその財源の全部又は一部とし、かつ、当該補助金等の交付の目的に従つて交付するもの
国から自治体へ交付金が出て、自治体がそれを財源に事業者や住民へ補助金を出す場合、受け取る側から見れば「市の補助金」でも、国の補助金等が財源になっていることがあります。住宅の補助の募集要項にある「国費が充当されている制度は併用不可」という書き方と、その確かめ方は住宅の国の補助と自治体の補助は併用できる?で扱っています。
公募要領では「補助金」と「委託費」を並べて確かめる
事業者向けの公募要領では、他の国の制度との重複を確かめるとき、補助金と委託費を並べて書いています。
- 持続化補助金(第20回):「国が助成…する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と同一又は類似内容の事業」は補助対象外
- 省力化投資補助金〈一般型〉(第8回):これまでに交付決定を受けた、または申請中の「補助金及び委託費の実績については、必ず応募申請時に電子申請システムに入力」。記載がなければ虚偽として不採択
名前が補助金でも委託費でも、国のお金を受けた実績は申請のときに書く必要がある、という扱いです。
まとめ
- 補助金適正化法の「補助金等」=補助金・負担金・利子補給金・政令で定める給付金
- 「政令で定める給付金」209号のうち188号は「交付金」、7号は「委託費」(当サイトが数えた値)
- 名前(給付金・交付金・助成金)だけでは、法律上の扱いは決まらない
- 自治体の補助の根拠は地方自治法 第232条の2。国の補助金等が財源なら「間接補助金等」
関連
出典
- 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号、e-Gov法令検索)(確認日 2026-10-01)
- 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和三十年政令第二百五十五号、e-Gov法令検索)(確認日 2026-10-01)
- 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号、e-Gov法令検索)(確認日 2026-10-01)
- No.5927-2 中小企業向け賃上げ促進税制(国税庁 タックスアンサー)(確認日 2026-10-01)
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
「交付金」は補助金とは別のものですか?
補助金適正化法は、国が交付する「補助金等」に、補助金・負担金・利子補給金と、政令で定める給付金を含めています。同法施行令第2条が挙げる209号のうち188号は名前が「交付金」で終わるもの(当サイトが数えた値)で、これらは同法の「補助金等」として扱われます。
委託費は補助金適正化法の対象になりますか?
法第2条第1項の列挙に「委託費」という語はありませんが、施行令第2条は「啓発宣伝事業等委託費」など7つの委託費を、政令で定める給付金として挙げています(当サイトが数えた値)。個別の委託費がどちらに当たるかは、その事業の資料で確かめる必要があります。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。補助金適正化法(2025年6月1日施行の版)・同法施行令(2026年4月8日施行の版)の条文から作成。号の数は当サイトが数えた値
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