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制度の比較

補助金・融資・税制優遇の違い:返すか、いつ効くか、何が前提かを並べる(中小企業経営強化税制・賃上げ促進税制・日本政策金融公庫)

事業のお金の支援には、補助金(原則返済不要・後払い)、融資(返済が必要)、税制優遇(納める税が減る・償却が早まる)の3つの型があります。中小企業庁・日本政策金融公庫・国税庁の資料から、中小企業経営強化税制・中小企業投資促進税制・中小企業向け賃上げ促進税制の要件と期限、公庫の新規開業・スタートアップ支援資金を並べ、同じ1,000万円の設備投資で何が起きるかを計算例で比べます。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

お金の支援の3つの型もらう・借りる税が減る補助金ちず
写真: Kelly Sikkema(Unsplash)

事業のお金の支援は、大きく補助金・融資・税制優遇の3つに分かれます。

  • 補助金:中小企業庁のミラサポplusは「原則として返済の必要がない」と説明しています。ただし後払い(精算払い)で、事業を実施して検査を受けた後に受け取ります。
  • 融資:借りて、返済期間の中で返すお金です。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、設備資金なら返済期間20年以内です。
  • 税制優遇:お金を受け取るのではなく、納める税が減る(税額控除)か、減価償却を前倒しできる(特別償却)しくみです。経営強化税制は、設備を事業に使った日を含む事業年度の申告で適用します(国税庁)。

3つの型

補助金

原則返済不要。審査があり、経費を全額払った後に受け取る

融資

返済が必要。審査の後に資金を受け取り、事業に使う

税制優遇

受け取るお金は無い。申告で税額控除や特別償却を適用する

並べて比べる

項目 補助金 融資(公庫の例) 税制優遇(法人税の例)
返す必要 原則なし あり(設備資金20年以内・運転資金10年以内、うち据置期間5年以内) なし(受け取るお金も無い)
いつ効くか 事業の実施・実績報告・検査の後に入金 融資を受けた時点から使える 対象の事業年度の申告のとき
前提になる手続き 公募への申請・審査・交付決定 申込み・審査 経営強化税制は経営力向上計画の認定。賃上げ促進税制は給与等の増加率の要件
期限 公募期間 ― 経営強化税制・投資促進税制は令和9年3月31日までの取得等。中小企業向け賃上げ促進税制は令和9年3月31日までに開始する事業年度
使える人の条件 公募要領の対象者 公庫の各制度の対象者 青色申告書を提出する中小企業者等

補助金と融資の違いは創業の補助金と融資の違いでも、創業の場面に絞って比べています。

設備投資の税制:2つの制度

項目 中小企業経営強化税制 中小企業投資促進税制
前提 経営力向上計画の認定(特定認定)を受け、計画に記載した新品の設備 指定事業に使う新品の機械装置など
期間 平成29年4月1日〜令和9年3月31日 平成10年6月1日〜令和9年3月31日
特別償却 取得価額から普通償却限度額を控除した額(中小企業庁のチラシは「即時償却」と表現) 基準取得価額の30%
税額控除 取得価額の7%(特定中小企業者等は10%) 基準取得価額の7%
税額控除の上限 2つの制度の税額控除の合計で、その事業年度の調整前法人税額の20% 同左
控除しきれない額 1年間の繰越し 1年間の繰越し

表の率は機械装置・器具備品・ソフトウエアなどの場合で、建物とその附属設備(特定機械装置等)には別の率が定められています。特定中小企業者等は、国税庁の説明では、中小企業者のうち資本金の額または出資金の額が3,000万円を超える法人以外の法人などです。経営力向上計画の手続きは経営革新計画・経営力向上計画・先端設備等導入計画にまとめました。

賃上げ促進税制

項目 中小企業向け 全企業向け
期間 平成30年4月1日〜令和9年3月31日に開始する事業年度 令和4年4月1日〜令和9年3月31日に開始する事業年度
基本の要件 雇用者給与等支給額が前事業年度より1.5%以上増加 継続雇用者給与等支給額が3%以上増加
税額控除 控除対象雇用者給与等支給増加額の15%(上乗せ要件で最大45%) 同 10%(最大35%)
上乗せ要件の例 増加率2.5%以上、教育訓練費の増加、くるみん・えるぼし認定など 増加率4%以上、教育訓練費の増加、プラチナくるみん・プラチナえるぼし

国税庁の説明では、給与等に充てるために国または地方公共団体から受ける「雇用保険法第62条第1項第1号に掲げる事業として支給が行われる助成金」などは、雇用者給与等支給額から控除して計算します。雇用関係の助成金を受けている場合は、その扱いも確かめる必要があります。

計算例:同じ1,000万円の設備投資では

当サイトが、それぞれの算式に当てはめて計算した例です(実際の額は制度の要件と申告の内容で決まります)。

使う支援 算式 結果
補助金(補助率1/2・上限額より小さい場合) 1,000万円×1/2 500万円を事業の後に受け取る(いったん1,000万円を支払う)
融資 1,000万円を借りる 1,000万円を先に使えるが、返済期間の中で返す
中小企業経営強化税制(税額控除10%の場合) 1,000万円×10% 税額控除限度額100万円。ただし調整前法人税額の20%が上限

税額控除の上限の例:その事業年度の調整前法人税額が400万円なら、上限は400万円×20%=80万円。控除限度額100万円のうち80万円をその年度に控除し、控除しきれない20万円は1年間繰り越せます。

賃上げ促進税制(中小企業向け)の例:前事業年度の雇用者給与等支給額が3,000万円、今年度が3,060万円なら、増加率は2.0%で1.5%以上の要件を満たします。控除対象雇用者給与等支給増加額60万円×15%=9万円が税額控除限度額です(上乗せ要件を満たさない場合)。

3つの型は組み合わせて使われることもあります。ただし、補助金で取得した設備の税務上の扱い(圧縮記帳など)は別に決まりがあります(補助金に税金はかかる?)。税務の個別の判断は、税理士や税務署に確かめる必要があります。

選ぶときに確かめる順番

3つの型を確かめる順番

  1. 1手元の資金で先に全額を払えるか
  2. 2公募期間と審査の日程が間に合うか
  3. 3返済を計画に組み込めるか
  4. 4青色申告か、計画の認定や給与の増加率の要件を満たせるか
  5. 5設備を買う前に必要な手続きは何か

経営強化税制の証明書・確認書は、設備の取得前に申請が必要です。

関連

出典

よくある質問

中小企業経営強化税制を使うには、何が必要ですか?

国税庁の説明では、青色申告書を提出する中小企業者等のうち、中小企業等経営強化法の認定(経営力向上計画の認定)を受けた者が、令和9年3月31日までに計画に記載された新品の設備を取得等して事業に使った場合に、特別償却または税額控除ができます。中小企業庁は、設備の取得前に工業会等の証明書または経済産業大臣の確認書を申請する必要があるとしています。

賃上げ促進税制は、事前に計画の認定が必要ですか?

国税庁の中小企業向け賃上げ促進税制の説明では、適用要件は国内雇用者に給与等を支給し、雇用者給与等支給額が前事業年度より1.5%以上増えていることです。事前の計画認定を要件とする記載は、このページには見当たりませんでした。

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この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。国税庁タックスアンサー(法人税)・中小企業庁・日本政策金融公庫の資料から作成。計算例は当サイトが計算

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