申請の基礎
補助金の見積書と相見積もり:持続化は「50万円(税込)超で2者以上」、新事業進出ものづくりは「50万円(税抜き)以上で3者以上」。制度ごとの線と、書類の日付の順番
補助金の経費は、見積書で価格の妥当性を示します。相見積もりが必要になる金額の線は、持続化補助金が50万円(税込)超・2者以上、新事業進出・ものづくり補助金が50万円(税抜き)以上・3者以上、省力化投資補助金〈一般型〉が50万円(税抜き)以上で相見積もりが原則と、税込・税抜、「超」「以上」、必要な者数が制度ごとに違います。比較表と計算例、証拠書類の日付の順番をまとめます。
補助金で買う設備や外注の費用は、見積書で価格が妥当かどうかを示します。一定の金額を超えると、複数の業者から同じ条件で見積もりを取る相見積もりが必要です。その線は制度ごとに違い、税込か税抜きか、「超」か「以上」か、何者から取るかがそろっていません。
- 持続化補助金(第20回):発注総額(1件あたり)50万円(税込)超で2者以上
- 新事業進出・ものづくり補助金(第1回):契約(発注)先1件当たりの見積額の合計50万円(税抜き)以上で3者以上
- 省力化投資補助金〈一般型〉(第8回):契約先又は発注先1件あたりの見積額の合計50万円(税抜き)以上で相見積もりが原則
見積もりから支払いまでの順番
- 1見積依頼
- 2見積(相見積もり)
- 3交付決定
- 4契約(発注)
- 5納品
- 6検収
- 7請求
- 8支払
省力化投資補助金〈一般型〉の実績報告の手引きが示す順番です。見積日は交付決定日より前か同じ日で、契約は交付決定の後です。
制度ごとの決まり
| 項目 | 持続化(第20回) | 新事業進出・ものづくり(第1回) | ものづくり(第23次) | 省力化〈一般型〉(第8回) |
|---|---|---|---|---|
| 相見積もりの線 | 発注総額(1件あたり)50万円(税込)超 | 契約(発注)先1件当たりの見積額の合計50万円(税抜き)以上 | 単価50万円(税抜)以上の物件等 | 契約先又は発注先1件あたりの見積額の合計50万円(税抜き)以上の物件等 |
| 必要な者数 | 2者以上 | 3者以上(同一条件) | 原則2者以上(同一条件) | 同一条件による相見積もりが原則(困難な場合の記載は「2者以上」) |
| 選び方 | より安価な発注先 | 最低価格を提示した者 | ― | 最低価格を提示した者。選ばない場合は理由書と価格の妥当性を示す書類 |
| 取れないとき | 随意契約の対象とする理由書(採択発表後、交付決定まで) | ― | 随意契約先の対象とする理由書 | 随意の契約先とする理由書 |
| 線より下 | ― | 可能な範囲において複数の見積もり | ― | 1者の見積書 |
| 中古品 | 金額にかかわらず2者以上。理由書による随意契約での購入は補助対象外 | 3者以上の古物商の許可を得ている中古品流通事業者から、型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合に中古設備も対象(経費の注記) | 3者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もり等(経費の注記) | ― |
「―」は、当サイトが確かめた公募要領の該当箇所に記載を見つけられなかった項目です。
見積もり先の決まり
- 新事業進出・ものづくり補助金:ペーパーカンパニーや販売実績が全くない業者等からの見積もりは認められません。金融機関確認書を発行した金融機関や事業計画作成支援者(それぞれのみなし同一事業者を含む)への発注・見積もりも認められません。建設業許可が必要な規模の建物で、許可を持たない業者の見積もりは認められません。
- 持続化補助金:相見積は「必ず補助事業者自身が別々の企業から取得するように」としています。市場価格から著しく乖離しているなど、社会通念上価格が妥当でない経費は補助対象外です。
- 省力化投資補助金〈一般型〉:システム構築費は積算根拠が明確な見積書と仕様書が必要で、「システム開発一式」のような見積は認められません。見積依頼書は補助対象経費ごとに作り、同じ経費で発注先が複数ある場合は発注先ごとに作ります(よくある質問)。
計算例:同じ設備でも、相見積もりが要るかどうかが変わる
消費税10%として当サイトが計算します。
| 設備の価格 | 持続化(税込50万円超で2者) | 新事業進出・ものづくり(税抜き50万円以上で3者) | 省力化〈一般型〉(税抜き50万円以上で相見積もり) |
|---|---|---|---|
| 税抜き48万円(税込52.8万円) | 52.8万円>50万円 → 2者以上 | 48万円<50万円 → 3者の要件はかからない(可能な範囲で複数) | 48万円<50万円 → 1者 |
| 税抜き50万円(税込55万円) | 55万円>50万円 → 2者以上 | 50万円以上 → 3者以上 | 50万円以上 → 相見積もり |
持続化補助金は税込で数えるため、税抜き45.5万円を超えると税込で50万円を超えます(当サイトが計算:50万円÷1.1≒45.45万円)。
見積書の日付と順番
省力化投資補助金〈一般型〉の実績報告の手引きは、証拠書類の日付を次の順にするよう求めています。
見積日 ≦ 交付決定日 ≦ 契約日 ≦ 納品日 ≦ 検収日 ≦ 請求日 ≦ 支払日
見積書について、手引きは「見積依頼日以降に発行されているか」「契約(発注)時点で有効な見積書であるか」を確認事項に挙げています。持続化補助金と新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は、交付決定の前に行った発注・契約の経費を補助対象外としています(交付決定の前に契約・発注すると)。
提出の時期も制度で違います。
| 制度 | 見積書を出す時期 |
|---|---|
| 持続化(第20回) | 採択発表後、交付決定までに見積書等(相見積含む)。提出期限は2028年2月29日で、未提出は採択取消し。中古品の複数の見積書は実績報告書の提出時にも添付 |
| 新事業進出・ものづくり(第1回) | 応募申請時点では不要。採択後の交付申請の際に提出 |
| 省力化〈一般型〉(第8回) | 採択後の交付申請の手続きの際。実績報告でも本見積書を提出 |
関連
出典
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版 令和8年9月(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 よくあるご質問(確認日 2026-10-01)
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第23次公募)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)実績報告の手引き(2026年8月25日改訂)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)よくあるご質問(第5回〜第8回公募)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
申請の時点で見積書は必要ですか?
新事業進出・ものづくり補助金のよくある質問は、応募申請時点では見積書を提出する必要はないが、採択された場合は交付申請の際に見積書を提出する必要があるとしています。持続化補助金(第20回)は、採択発表後、交付決定までに見積書等(相見積含む)を提出し、提出期限は2028年2月29日です。
相見積もりが取れないときは?
持続化補助金、ものづくり補助金(第23次)、省力化投資補助金〈一般型〉は、発注内容の性質上、2者以上から見積もりを取ることが困難な場合は、随意契約の対象とする理由書を出すとしています。ただし持続化補助金は、中古品の購入については理由書による随意契約での購入を認めていません。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。4制度の公募要領と、省力化投資補助金〈一般型〉の実績報告の手引き・よくある質問から作成
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