申請の基礎
補助事業の計画変更・中止の手続き:事前の承認が要る変更と、遅れそうなときの事故報告(補助金適正化法第7条と、持続化・新事業進出ものづくり・ものづくり・省力化の決まり)
交付決定の後に経費の配分や事業の内容を変える、事業を中止・廃止する、他に引き継ぐときは、事前に事務局の承認が必要です。期間内に終わらない・続けられないときは事故報告を出します。補助金適正化法第7条の条件と、持続化・新事業進出ものづくり・ものづくり・省力化投資補助金の決まり(省力化の「10パーセント以内の流用増減を除く」など)を表で比べます。
交付決定を受けた後に経費の配分や事業の内容を変える、事業を中止・廃止する、他に引き継ぐときは、実施する前に事務局の承認を受けます。持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、ものづくり補助金、省力化投資補助金〈一般型〉の公募要領は、いずれも「事前」の承認を求めています。
予定の期間内に終わらない、続けるのが難しくなったときは、事故報告を出して指示を受けます。
交付決定の後に出す主な手続き
計画変更の承認
経費の配分や事業の内容を変える前に
中止・廃止の承認
事業を一時止める・取りやめる前に
承継の承認
事業を他に引き継ぐ前に(法人成りを含む制度あり)
事故報告
期間内に終わらない・遂行が難しくなったらすぐに
法律の決まり:補助金適正化法第7条
補助金適正化法第7条第1項は、交付決定のときに次の条件をつけるものとしています。各制度の交付規程・公募要領の手続きは、この条件を具体化したものです。
| 号 | 条件 |
|---|---|
| 一 | 経費の配分の変更(各省各庁の長の定める軽微な変更を除く)をする場合は承認を受けること |
| 二 | 契約に関する事項その他経費の使用方法に関する事項 |
| 三 | 補助事業等の内容の変更(軽微な変更を除く)をする場合は承認を受けること |
| 四 | 補助事業等を中止し、又は廃止する場合は承認を受けること |
| 五 | 予定の期間内に完了しない場合又は遂行が困難となった場合は、すみやかに報告してその指示を受けること |
ほかに、交付決定の後の事情の変更(天災地変など)で続ける必要がなくなった場合に、国が交付決定を取り消したり内容を変えたりできる規定(第10条)と、交付決定の内容どおりに行われていないときの遂行命令・一時停止命令(第13条)があります。
制度ごとに比べる
| 項目 | 持続化(第20回) | 新事業進出・ものづくり(第1回) | ものづくり(第23次) | 省力化〈一般型〉(第8回) |
|---|---|---|---|---|
| 事前承認が要るもの | 経費の配分や内容の変更、中止(一時中断)、廃止(実施取りやめ)、他への承継 | 経費の配分若しくは内容の変更、中止、廃止、他への承継(個人事業主の法人化を含む) | 経費区分ごとに配分された額若しくは内容等の変更、中止、廃止、他への承継(法人成りを含む) | 経費の配分若しくは内容の変更、中止、廃止(手引きに7項目、下表) |
| 承認先 | 補助金事務局 | 事務局 | 事務局 | 中小機構(事務局) |
| 決まりの特徴 | 計画にない新しい費目の追加は原則不可。目的達成に必要不可欠な場合に限り認められることがある | 交付決定前の計画変更は「いかなる理由においても」不可。交付決定後の実施場所の変更は原則不可 | 応募時の計画との乖離や事業実施期間が極端に短くなる場合等は、承認されないことがある | 区分ごとの配分額の10パーセント以内の流用増減は承認不要 |
| 期間内に終わらないとき | ― | 期間の延長は原則不可。天災など補助事業者の責任によらない事由の場合は延長が認められる場合がある | ― | (様式第3)事故報告書を速やかに提出し指示を受ける |
「―」は、当サイトが確かめた公募要領の該当箇所に記載を見つけられなかった項目です。交付規程に定めがある場合があります。
省力化投資補助金〈一般型〉の7項目
実績報告の手引きは、次のいずれかにあたるとき(様式第2)計画変更(等)承認申請書を出して承認を受けるとしています。
- 補助対象経費の区分ごとに配分された額を変更しようとするとき(各配分額の10パーセント以内の流用増減を除く)
- 交付申請時に取得するとしていた省力化設備・役務等(単価50万円(税抜)以上のものに限る)を変更しようとするとき
- 補助事業の内容を変更しようとするとき
- 補助事業の事業実施場所を変更するとき
- 補助事業の全部若しくは一部を中止し、又は廃止しようとするとき
- 破産手続き、民事再生手続き等法的整理の手続きを行うとき(代理人による申請を含む)
- 補助事業の全部若しくは一部を他に承継しようとするとき
手引きは「事務局の承認を受けずに事業を実施した場合、補助金の交付を受けられない場合があります」としています。予定の期間内に完了できないと見込まれる場合や、遂行が困難になった場合(破産・会社更生法・民事再生手続の申立てを含む)は、速やかに(様式第3)事故報告書を出して指示を受けます。
計算例:10パーセントの流用の範囲
区分ごとの配分額が、機械装置・システム構築費1,000万円、外注費50万円の場合(当サイトが計算)。
| 区分 | 配分額 | 承認なしで動かせる範囲(10パーセント以内) |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 1,000万円 | 100万円以内の増減 |
| 外注費 | 50万円 | 5万円以内の増減 |
「各配分額の10パーセント」なので、配分額の小さい区分ほど承認なしで動かせる額は小さくなります。具体的な扱いは事務局に確かめてください。
中止・廃止が必要になる場面
- 対象者の要件から外れたとき:省力化投資補助金〈一般型〉のよくある質問は、補助事業実施期間内に大企業になった等の事情で要件を満たさなくなった場合は補助対象外となり、事業廃止を行う必要があるとしています。補助事業実施期間の終了後に要件を満たさなくなった場合は、交付決定の取消はしないとしています。
- みなし大企業に該当したとき:ものづくり補助金(第23次)は、株主又は役員の変更でみなし大企業に該当し、辞退・廃止をすべきところ手続きをしない不適当があったものは交付決定取消しとしています。新事業進出・ものづくり補助金も、応募申請日から補助事業の完了までの間にみなし大企業等に該当した場合は交付決定を取り消します。
廃止の承認を受けた場合も、証拠書類は保存が必要です。省力化投資補助金〈一般型〉は「補助事業の完了(廃止の承認を受けた場合を含む。)の日の属する年度の終了後5年間」保存としています。
承継するとき(新事業進出・ものづくり補助金)
補助事業を他に承継させた場合、承継日以降は承継先が補助事業者になり、承継日以降の請求書や納品書などの証憑は承継先の名前で作られている必要があります。個人事業者の法人化も承継にあたります。交付決定の前に、事業譲渡・法人成り・会社分割などで交付申請を行う権利を他者に承継することは認められません。
関連
出典
- 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)(確認日 2026-10-01)
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉公募要領 第8版(第20回)(確認日 2026-10-01)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版 令和8年9月(確認日 2026-10-01)
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第23次公募)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)実績報告の手引き(2026年8月25日改訂)(確認日 2026-10-01)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)よくあるご質問(第5回〜第8回公募)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
採択の後、交付決定の前に計画を変えられますか?
新事業進出・ものづくり補助金(第1回)の公募要領は「交付決定前に、採択された事業計画を変更することはいかなる理由においても認められません」としています。応募申請時に計上していない経費を交付申請時に新たに計上することも認めていません。
承認を受けずに変えるとどうなりますか?
省力化投資補助金〈一般型〉の実績報告の手引きは、事務局の承認を受けずに事業を実施した場合、補助金の交付を受けられない場合があるとしています。補助金適正化法は、交付決定の内容や条件に違反したときは交付決定の全部又は一部を取り消すことができると定めています(第17条)。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。補助金適正化法第7条・第10条・第13条と、4制度の公募要領、省力化投資補助金〈一般型〉の実績報告の手引き・よくある質問から作成
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