補助金ちず

申請の基礎

充電インフラ・V2H補助金(国・令和7年度補正)とは:充電設備・戸建てコンセント・V2Hの補助率と上限、公募の結果

EVの充電設備とV2H充放電設備に対する国の補助金(次世代自動車振興センターが交付)の令和7年度補正分を、3つの事業(充電設備・戸建て住宅充電用コンセント・V2H)に分けて整理します。補助率と上限額、申請期間、V2Hが予算到達で8月27日到着分までで締め切られた経緯、充電設備第2期の申請額と配分額、福井県のV2H上乗せとの関係をまとめました。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

充電インフラ・V2H補助金充電設備とV2H国の補助の違い補助金ちず
写真: Zaptec(Unsplash)

EVの充電設備やV2H充放電設備(EVの電池と住宅・施設の間で電気をやり取りする装置)には、国の補助金があります。経済産業省の「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」で、申請の受付と交付は一般社団法人次世代自動車振興センターが行っています。車両のCEV補助金とは別の補助金です。

令和7年度補正の分は、充電設備(マンション・月極駐車場・事務所・商業施設など)、戸建て住宅充電用コンセント(個人の戸建て住宅)、V2H充放電設備・外部給電器の3つの事業に分かれています。V2Hは予算額に達したため、令和8年8月27日(木)中にセンターに到着した申請で受付を終えました。2026年10月1日時点で、センターのトップページは充電設備(第1期・第2期)と戸建て住宅充電用コンセントについても「申請提出期間は終了しました」と表示しています。

令和7年度補正の3つの事業

充電設備

マンション・月極駐車場・事務所・工場(基礎充電)、商業施設・宿泊施設(目的地充電)、高速道路・公道上(経路充電)

戸建て住宅充電用コンセント

個人が住民登録のある戸建て住宅の駐車場に付ける充電用コンセント

V2H充放電設備

住宅・施設とEVの間で充電と給電ができる装置。災害時の活用が目的

外部給電器

EVなどの電気を取り出して使う機器

3つの事業を並べる

項目 充電設備(第1期・第2期) 戸建て住宅充電用コンセント V2H充放電設備
申請できる人 地方公共団体、法人(マンション管理組合法人を含む)、法人格のないマンション管理組合、個人(共同住宅のオーナー・居住者等) 充電用コンセントを付ける土地の使用権限を持つ個人 地方公共団体、法人(マンション管理組合法人・認可地縁団体を含む)、法人格のないマンション管理組合、個人
設備の購入費 定額(1/1以内)または1/2以内(事業・設備の種類で決まる) 購入費と工事費を合わせて定額(1/1以内) 1/2以内
設置工事費 定額(1/1以内) (同上) 定額(1/1以内)
上限額(1基) 下の表 5万円(購入費と工事費の合計) 購入費:型式ごと(75万円の範囲内)/工事費:個人宅・マンション等は55万円、公共施設・災害拠点は95万円
交付申請期間 第1期 2026年5月29日〜6月15日13時/第2期 7月24日〜8月17日13時 2026年3月31日17時〜9月30日17時 2026年7月17日〜9月30日17時(予算到達で8月27日到着分まで)
選び方 期間終了後に選定(先着順ではない) 予算額を超えた場合は到着日による先着順 先着順
実績報告の最終期限 第1期 急速 2027年1月5日13時・普通 2026年11月30日13時/第2期 2027年1月29日 2027年1月29日 2027年1月29日
保有の義務 設置完了から5年 5年(処分制限期間) 設置完了から5年

外部給電器はV2Hと同じ交付規程で、補助率は機器の購入費の1/3以内、上限は50万円です。受付もV2Hと同じく8月27日到着分で終えています。

V2H充放電設備:補助額の決まり方

V2Hの補助は、設備の購入費と設置工事費を別々に計算して合わせます。

  • 購入費:「購入費(税抜)×1/2」と「型式ごとの上限額」の低い方。交付規程の上限は1基75万円で、センターが型式ごとに上限を定めています(令和8年8月31日更新の一覧では、型式ごとの上限は44.9万〜75万円。当サイトが一覧から読み取り)。
  • 設置工事費(個人宅・マンション等・その他施設):「工事項目ごとの上限の合計について審査した額」「工事費の合計について審査した額」「上限額55万円」のいちばん低い額(千円未満切り捨て)。実績報告で経費が増えても、交付決定額を超えません。
工事項目(個人宅・マンション等・その他施設) 項目ごとの上限
基礎工事 3.5万円
据付工事 8万円
本体搬入費 1.5万円
電気関連工事 30万円
諸費用 12万円
1基設置の場合の上限 55万円

公共施設・災害拠点に置く場合は工事項目の区分が別で、1基の上限は95万円です。

計算例(当サイトの計算):個人宅に、型式ごとの上限が75万円の機種を購入費(税抜)90万円で入れ、工事費(税抜)が各項目の上限に収まる合計30万円だった場合。購入費は90万円×1/2=45万円(75万円より低い)、工事費は30万円(55万円より低い)で、合計75万円。

このほか、申請の要件として次の点が定められています。

  • 災害時のレジリエンス向上が目的で、設置情報を国・地方公共団体へ提供することや、災害時に国・地方公共団体から要請があれば可能な限り協力することが交付の条件。
  • 放電した電力は、V2Hを設置した同じ施設内で使う。
  • 個人宅・マンション等では、追加設置(既にある場所への増設)は申請できない。
  • 設置工事の支払い後にキャッシュバックを受けた場合は、補助金の返還を求められることがある。

V2Hの受付終了までの経過

V2Hは先着順で、予算額に達した時点で受付を終える仕組みでした。

日付 センターの告知
2026年7月17日 交付申請の受付開始(期限は9月30日17時)
8月10日 配分額約55億円に対し、予算残額が約15億円
8月21日 予算残額が約5億円
8月28日 8月28日に到着した申請で予算額を超えたため、8月27日(木)中に到着した申請で受付終了。28日以降に到着した申請は無効
9月25日 短期間に大量の申請が集中し、審査に時間がかかっている。工事開始予定日を過ぎてから交付決定となる場合があるが、交付決定前の着工は対象外

受付開始から予算到達まで、およそ6週間でした(当サイトが日付から計算)。

充電設備:上限額と第2期の結果

充電設備は、設置場所で3つの事業に分かれます。基礎充電(マンション等・月極駐車場・事務所・工場等・共同利用充電拠点)、目的地充電(商業施設・宿泊施設・道の駅・給油所など)、経路充電(高速道路SA・PA、公道上、空白地域)です。

事業 購入費の上限(1基) 設置工事費の上限(1基)
基礎充電・目的地充電 急速充電設備 600万円、普通充電設備 35万円、充電用コンセントスタンド 11万円、充電用コンセント 7万円 急速 1,400万円、普通充電設備・コンセントスタンド・機械式駐車場内のコンセント 135万円、平置きのコンセント 95万円
経路充電 急速充電設備 600万円 高速道路SA・PA等 1,400万円(特別な仕様の工事は4,000万円)、公道上・空白地域 1,400万円

複数口の充電設備や複数の設備を置く工事、高圧受変電設備を設ける場合の上限は、センターが別に定めています。

第1期・第2期は先着順ではなく、申請期間の終了後に、充電設備の種類ごとの配分予算の範囲で、出力1kWあたりの補助金申請額が少ない申請から順に選ぶ方式です。センターが令和8年9月29日に公表した第2期の結果は次のとおりです。

区分 配分額 申請金額 申請件数(口数) 申請額÷配分額(当サイト計算) 1kWあたり平均申請単価
急速充電 47.8億円 37.51億円 533件(686口) 78.5% 8.4万円
普通充電(基礎) 37.3億円 26.13億円 724件(5,597口) 70.1% 13.6万円
普通充電(目的地) 28.6億円 11.08億円 437件(1,422口) 38.7% 13.0万円

第2期は3区分とも申請額が当初予算を下回り、選定外となった申請はありませんでした(配分額は事務費等を除く)。交付決定は、不備が解消された申請から順に行われます。

戸建て住宅充電用コンセント

個人が、住民登録のある住所地の戸建て住宅(共同住宅・長屋を除く)に付いた駐車場に、センターが承認した充電用コンセント(200V)を新品で付ける場合の補助です。補助額は「コンセントの購入費(税抜)と設置工事費(税抜)の合計」と「上限5万円」の低い方です。

支払いは原則として金融機関の振込で、クレジットカード等の一括払いは認められますが、ローン契約・個別クレジット契約・割賦販売などによる支払いは認められません。

手続きの順番

国の充電設備・V2H補助の流れ

  1. 1見積もり・設置計画
  2. 2交付申請(オンライン)
  3. 3交付決定
  4. 4発注・設置工事
  5. 5支払いの完了
  6. 6実績報告
  7. 7額の確定と入金
  8. 85年間の保有

発注と工事の開始は交付決定の後。前払い金など一部の支払いは交付決定前でもよいとされています。

  • 申請はすべて、センターのオンライン申請システムで行います。
  • V2Hの交付決定は、不備のない申請を受け付けてから、おおむね1〜2か月程度とされています(申請が集中した場合はさらにかかる)。
  • 実績報告は、工事または支払いの完了から30日以内を目安に出すよう求められています。
  • 5年の保有期間中に売る・捨てる・移すなどの処分をするときは、事前にセンターへの手続きが必要で、補助金の返納を求められることがあります(処分制限期間とは)。

福井県のV2H上乗せとの関係

福井県のV2H補助金は、県内に住所・事業所がある個人・個人事業者・法人などに、V2H充放電設備の購入費に対して定額10万円(嶺南地域は20万円)を補助する制度です。国の補助金とは次の点でつながっています。

項目 国(令和7年度補正 V2H) 福井県(令和8年度 V2H)
補助の対象 購入費(1/2以内)と設置工事費 購入費。工事費は対象外
対象の設備 センターが承認した型式 国の補助金の対象設備にV2Hシステムとして登録されているもの
交付申請の期間 2026年7月17日〜9月30日17時(8月27日到着分で終了) 2026年4月17日〜12月25日(予算上限に達した時点で終了)
国との併用 — 国の上乗せで申請する場合は、国の交付決定通知書を添付(国の交付決定は2026年4月1日以降のもの)。実績報告には国の額の確定通知書を添付

福井県の要領は、国の交付決定通知書の添付を「経済産業省補助金の上乗せで県補助金へ申請する場合」の書類として定めています。国の令和7年度補正のV2Hは8月27日到着分で受付を終えているため、国の補助を受けずに県へ申請する場合の扱いは、県の窓口(エネルギー課 新エネルギーグループ)で確認してください。対象の設備は、国の補助金でV2Hシステムとして登録されている型式に限られます。

EV本体の購入補助と自治体の上乗せの重ね方は、EV・PHVの購入補助の重ね方と自治体のEV上乗せ補助の比較で整理しています。

確認リスト

  • 設置する場所の区分(戸建て住宅・マンション等・事務所・商業施設・公共施設など)で、どの事業に当たるか
  • 設置する土地と、V2Hの場合は給電対象の施設の使用権限があるか(借りている場合は許諾書が必要)
  • 導入する機器が、センターの補助対象の型式一覧に載っているか
  • 交付決定の前に発注・着工していないか(交付決定の前に着手してはいけない理由)
  • 国の他の補助金と重ねていないか(自治体の補助との重複は、その自治体に確認。補助金の併用)
  • 実績報告の最終期限までに工事と支払いを終えられるか

関連

出典

よくある質問

交付決定の前に工事を始めてもよいですか?

V2H充放電設備・充電設備・戸建て住宅充電用コンセントのいずれも、設備の発注と設置工事の施工開始は交付決定の後である必要があります。センターは令和8年9月25日の告知で、審査状況により工事開始予定日を過ぎてから交付決定となる場合があるとし、交付決定前に工事を始めた場合は補助の対象外になるため、交付決定通知の発行を確認するまで着手を控えるよう求めています。

自治体の補助金と一緒に使えますか?

国の他の補助金との重複申請はできません。V2H・戸建て住宅充電用コンセント・充電設備の各要領は「地方公共団体の補助制度は、本補助金と重複して申請できる場合があります」とし、詳しくは各地方公共団体に問い合わせるよう案内しています。福井県のV2H補助金は、国の補助金の上乗せとして申請する場合は国の交付決定通知書を添付する仕組みです。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。令和7年度補正の3事業の応募要領・手引きと、2026年10月1日時点のセンターの告知で確認

同じテーマの記事