補助金ちず

申請の基礎

店舗改装・空き店舗活用の補助金:持続化補助金の改装工事の決まりと、空き店舗への出店補助(東京都北区・神戸市・鹿児島市)の比較

店舗の改装や空き店舗への出店に使える補助金を、国の小規模事業者持続化補助金(委託・外注費の店舗改装工事)と、市区町村の空き店舗出店補助に分けて整理します。東京都北区・神戸市・鹿児島市の制度を、補助率・上限・家賃補助の有無・期間・対象者で表にして比べ、計算例と、賃貸借契約や工事の契約をする順番の注意をまとめます。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

目的別空き店舗の補助3市区を比べる補助金ちず
写真: Erwan NONON(Unsplash)

店舗の改装に使える補助金は、国の小規模事業者持続化補助金と、市区町村の空き店舗出店補助が中心です。持続化補助金は、いまの店の改装も含めて「販路開拓等」に結びつく工事を補助します。市区町村の制度は、商店街などの空き店舗に新しく出店する場合に、改装費や家賃を補助するものです。

2026年10月1日に当サイトが確認した3つの市区の制度を並べると、補助率・上限・家賃補助の有無・対象者がそれぞれ違います。

目的ごとの候補

いまの店を改装して集客・効率化

持続化補助金(委託・外注費)

空き店舗に新しく出店する

市区町村の空き店舗出店補助

創業して空き店舗で開業する

創業者向けの空き店舗補助(創業セミナーの修了などが条件のことがある)

持続化補助金:店舗改装工事の決まり

持続化補助金〈一般型 通常枠〉では、店舗の改装工事は委託・外注費に計上します。上限50万円(特例で最大250万円)、補助率2/3です(持続化補助金とは)。

対象になる例(公募要領) 対象にならない例(公募要領)
店舗改装・バリアフリー化工事 販路開拓や業務効率化に結びつかない工事(単なる店舗移転を目的とした旧店舗・新店舗の解体・建設工事など)
利用客向けトイレの改装工事 住宅兼店舗の改装工事における住宅部分
製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事 「建物の増築・増床」や「小規模な建物(コンテナハウス等)の設置」など、不動産の取得に係る費用
従業員の作業導線改善のための作業スペースの改装工事(補助事業計画の「業務効率化(生産性向上)の取組内容」に書いた場合に限る) 既存の事業部門の廃止にともなう設備の解体工事

気をつける点:

  • 店舗改装で50万円(税抜き)以上の外注工事を行う場合などは「処分制限財産」になり、補助金を受け取った後も一定の期間、事務局の承認なく処分(目的外の使用・譲渡・廃棄など)ができません(処分制限とは)。
  • 家賃は原則として対象になりません。公募要領は、事務所等の家賃を対象外としつつ、新たな販路開拓の一環として新たに事務所等を借りる場合は「対象となる場合があります」としています(審査時に床面積の按分資料が必要)。
  • 住宅宿泊事業者が改装する場合は、住宅のうち事業の用に供する部分の面積で按分した金額が対象です。

空き店舗への出店補助:3市区の比較

項目 東京都北区 神戸市 鹿児島市
制度名 商店街空き店舗活用支援事業 商店街・小売市場新規出店チャレンジ応援事業 創業者テナントマッチング事業
主な対象者 初めて事業を行う個人・法人(創業前、または開業・設立から5年を経過していない) 創業予定者、中小企業者・小規模企業者(NPO法人・社団法人・組合・任意団体などは対象外) 市主催の創業セミナー等の修了者(特定創業支援事業の証明書の交付要件を満たすもの等)
対象の場所 区内商店街の空き店舗 市内の商店街・小売市場の空き店舗 中心市街地または団地核の空き店舗(原則1階、3か月以上商業活動がないもの)
改装費の補助率 2/3 1/6(兵庫県と合わせて1/3) 1/2以内
改装費の上限 生鮮三品の販売店舗200万円、その他の店舗100万円 最大75万円(県と合わせて最大150万円。家賃と合わせた額) 中心市街地の商店街の区域内100万円、区域外・団地核50万円
改装費の範囲 店舗改修費と、事業に直接必要な備品(単価税抜10万円以上) 内装工事費・ファサード整備費に限る 内外装・空調・照明・水回りの改装など(什器・備品は除く)
家賃補助 あり:生鮮三品2/3、その他1/2を2年間(月額上限は1年目7万円・2年目5万円) あり:店舗賃借料も対象経費(率・上限は改装費と共通) なし(対象経費に挙がっていない)
期間・日程 開店は2026年6月1日〜2027年3月31日。後期は経営相談11月30日まで、申請12月11日まで、審査会2027年1月予定。後期の採択予定3件 補助対象期間は交付決定日〜2027年3月31日。市へのエントリーは2026年12月28日まで。予算がなくなり次第終了 第3次募集は2026年10月1日〜11月30日。予算の執行状況で予告なく終了する場合あり
審査・受付のしかた 書類審査と面接審査(審査会) 書類がそろった順に受け付け、基準を総合的に見て予算の範囲内で採択 事前相談のうえ持参または郵送で申請

表の内容は、各市区のページ(北区は2026年9月28日更新、神戸市は4月22日更新、鹿児島市は9月15日更新)によります。

対象外になる事業の例

3市区とも、どんな店でも対象になるわけではありません。

  • 北区:インターネット販売のみを行うもの、仮設テント・仮設店舗、既存店舗の営業時間外の間借り、区内商店街から別の区内商店街への移転、ナショナルチェーン・フランチャイズチェーン等の加盟店・支店など。開店後は区内商店会への加盟が要件です。
  • 神戸市:原則として小売業・飲食店・サービス業等が対象。訪問販売・カタログ販売・ネット販売・移動販売等を主とする無店舗小売業、大手フランチャイズ店の類、民泊・ゲストハウス等の宿泊施設、レンタルボックスなどの場所貸事業などは対象外です。
  • 鹿児島市:小売業・飲食業・サービス業で、原則1日6時間以上・月20日以上営業する店舗。事務所等は対象外です。

いくらになるか(計算例)

補助額は「対象経費×補助率」と「上限」の低い方です(補助率と上限額の計算)。千円未満の切り捨てなど端数の扱いは制度ごとに決まっています。

制度 例 計算 補助額
北区(その他の店舗)改修費 改修費180万円 180万円×2/3=120万円 → 上限100万円 100万円
北区(その他の店舗)家賃 家賃月12万円 1年目:12万円×1/2=6万円(上限7万円以内)×12か月=72万円/2年目:6万円 → 上限5万円×12か月=60万円 2年間で132万円
神戸市 改装費と家賃で300万円 市:300万円×1/6=50万円(県の補助と合わせると300万円×1/3=100万円) 市50万円
鹿児島市(商店街の区域内) 整備費180万円 180万円×1/2=90万円(上限100万円より低い) 90万円
鹿児島市(団地核) 整備費180万円 180万円×1/2=90万円 → 上限50万円 50万円

神戸市の上限75万円に届くのは、対象経費が450万円のときです(450万円×1/6。当サイトの計算)。神戸市の制度は、兵庫県と神戸市のそれぞれに申請する必要があります。

契約と工事の順番

空き店舗出店の補助の順番(例)

  1. 1市区へ相談・エントリー
  2. 2物件の確認
  3. 3専門家の相談・事業計画
  4. 4交付申請・審査
  5. 5交付決定
  6. 6賃貸借・工事の契約と着工
  7. 7開業
  8. 8実績報告

どの段階で賃貸借契約をしてよいかは制度ごとに違います。募集要項で確かめてください。

  • 鹿児島市は「空き店舗の賃貸借契約を締結する前にご相談ください」とし、交付決定前に事前着工・工事契約をしている場合は対象外としています。
  • 神戸市は、交付決定の後に工事の契約等に着手するよう案内しています。交付申請の前に、兵庫県が手配する商業アドバイザーと事業計画を練る手順があります。
  • 北区は、申請前に北区経営アドバイザーによる経営相談を受けることが必要で、店舗開店日までに工事や設置が完了した経費が対象です。
  • 持続化補助金も、交付決定前に発注・契約・支払いをした経費は対象外です(交付決定の前に着手してはいけない理由)。

自分の地域の制度を探す

空き店舗の出店補助は市区町村ごとに作られていて、名前も「空き店舗活用」「新規出店」「創業者テナント」などさまざまです。当サイトの地域から探すで地域ごとの掲載制度を見られるほか、市区町村の産業振興・商工の担当課のページで探せます。創業前後の補助の探し方は創業・起業の補助金の探し方にまとめています。

関連

出典

よくある質問

空き店舗の家賃も補助されますか?

制度によります。この記事で比べた3市区では、東京都北区は店舗賃借料の一部を2年間(月額上限は1年目7万円・2年目5万円)補助し、神戸市は店舗賃借料を店舗改装費と並ぶ対象経費にしています。鹿児島市の創業者テナントマッチング事業は、空き店舗の整備に要する経費が対象で、家賃は対象経費に挙がっていません。

持続化補助金で店舗兼住宅の改装はできますか?

公募要領は、委託・外注費の対象外の例に「住宅兼店舗の改装工事における住宅部分」を挙げています。店舗部分の改装で、補助事業で取り組む販路開拓や業務効率化に結びつく工事が対象です。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。北区は令和8年度後期、神戸市は2026年度、鹿児島市は令和8年度第3次募集の内容で作成

同じテーマの記事