申請の基礎
人材開発支援助成金とは(令和8年度):7つのコースの助成率、人への投資促進コースは令和8年度までの期間限定
従業員に職務に関連した訓練を計画に沿って受けさせた事業主に、訓練経費や訓練中の賃金の一部を助成する人材開発支援助成金。7つのコースのうち人材育成支援・人への投資促進(令和4〜8年度の期間限定)・事業展開等リスキリング支援・教育訓練休暇等付与の助成率と限度額、計画届と支給申請の期限、令和8年4月・8月の改正点(eラーニングの上限見直し、DX・GX訓練の対象外の内容など)を表にまとめます。
人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に、職務に関連した専門的な知識・技能を身につけさせる訓練を計画に沿って受けさせた場合などに、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する厚生労働省の制度です。
コースは7つあり、助成率は訓練の種類と企業規模で変わります。たとえば事業展開やDX・GXのための訓練(事業展開等リスキリング支援コース)は、中小企業で経費の75%と1人1時間1,000円の賃金助成です。人への投資促進コースは令和4〜8年度の期間限定です。どのコースも、訓練を始める前に計画の提出が要ります。
受給までの流れ(人材育成支援コースの例)
- 1訓練計画を作る
- 2管轄の労働局に計画を提出(訓練開始の前)
- 3訓練を実施
- 4訓練終了の翌日から支給申請
- 5労働局の審査
- 6支給
計画の提出は、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間です。
7つのコース
| コース | 概要 | 備考 |
|---|---|---|
| 人材育成支援コース | 10時間以上のOFF-JTなど、職務に関連した訓練 | 令和8年4月8日に「中高年齢者実習型訓練」を新設 |
| 教育訓練休暇等付与コース | 有給の教育訓練休暇制度を導入し、適用 | |
| 人への投資促進コース | 高度デジタル人材訓練、定額制(サブスク型)訓練、自発的な訓練、長期教育訓練休暇など | 令和4〜8年度の期間限定 |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新たな事業展開やDX・GXに伴う訓練 | 令和8年4月8日に設備投資加算を新設 |
| 建設労働者認定訓練コース | 建設関連の認定職業訓練 | 建設業の記事で紹介 |
| 建設労働者技能実習コース | 建設労働者の技能実習 | 建設業の記事で紹介 |
| 障害者職業能力開発コース | 令和6年4月から高齢・障害・求職者雇用支援機構の助成金へ移管 |
共通の対象は、雇用保険適用事業所の事業主と、雇用保険被保険者の労働者です(各コースのリーフレット)。
人材育成支援コース
| 訓練 | 経費助成率(中小企業/それ以外) | 賃金要件等を満たした場合 | 賃金助成(1人1時間) | OJT実施助成(1人1コース) |
|---|---|---|---|---|
| ① 人材育成訓練(正規雇用労働者等) | 45%/30% | +15%/+15% | 800円/400円(要件を満たすと+200円/+100円) | - |
| ① 人材育成訓練(有期契約労働者等) | 70% | +15% | 同上 | - |
| ② 認定実習併用職業訓練 | 45%/30% | +15%/+15% | 同上 | 20万円/11万円(+5万円/+3万円) |
| ③ 有期実習型訓練 | 75% | +25% | 同上 | 10万円/9万円(+3万円/+3万円) |
| ④ 中高年齢者実習型訓練(45歳以上が対象) | 60%/45% | +15%/+15% | 同上 | 10万円/9万円(+3万円/+3万円) |
「賃金要件等」は、訓練修了後に賃金を5%以上上げる(賃金要件)か、資格等手当を就業規則等に定めて支払い、支払い前後で賃金が3%以上上がる(資格等手当要件)ことです。eラーニング・通信制の訓練は経費助成のみで、賃金助成はありません。
| 受講者1人1訓練あたりの経費助成の限度 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 10時間以上100時間未満 | 15万円 | 10万円 |
| 100時間以上200時間未満 | 30万円 | 20万円 |
| 200時間以上 | 50万円 | 30万円 |
1事業所1年度あたりの助成限度額は1,000万円。賃金助成の限度は1人1訓練1,200時間(専門実践教育訓練は1,600時間)、受講は労働者1人につき1年度で3回までです。
人への投資促進コース(令和4〜8年度の期間限定)
| 訓練 | 経費助成率(中小企業/大企業) | 賃金助成(1人1時間、中小企業/大企業) |
|---|---|---|
| 定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス) | 60%/45%(+15%) | なし |
| 高度デジタル人材訓練(ITスキル標準・DX推進スキル標準レベル3・4となる訓練等) | 75%/60% | 1,000円/500円 |
| 成長分野等人材訓練(海外も含む大学院での訓練) | 75% | 国内大学院の場合1,000円 |
| 自発的職業能力開発訓練(労働者の自発的な訓練の費用を事業主が負担) | 45%(+15%) | なし |
| 情報技術分野認定実習併用職業訓練(IT分野未経験者の即戦力化) | 60%/45%(+15%) | 800円/400円(+200円/+100円)。OJT実施助成20万円/11万円(+5万円/+3万円) |
| 長期教育訓練休暇制度(30日以上の休暇取得) | 20万円(+4万円) | 有給休暇の場合 1,000円/800円(大企業は+200円)。新規採用助成・職務代行助成(中小企業のみ) |
| 教育訓練短時間勤務等制度 | 20万円(+4万円) | なし |
( )内は賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の加算です。人への投資促進コースには、1事業所1年度あたり2,500万円の限度額があります(詳細版パンフレット)。
事業展開等リスキリング支援コース
対象は、10時間以上のOFF-JTで、職務に関連した次のいずれかの訓練です。i 新たな事業展開に必要な知識・技能、ii 企業内のDX化やGX(グリーン・カーボンニュートラル化)に関連する業務のための知識・技能、iii 人事・人材育成に関する計画に基づき今後従事する職務に必要な知識・技能。
| 企業規模 | 経費助成 | 賃金助成(1人1時間) | 設備投資加算(1コースの一の導入費用あたり) |
|---|---|---|---|
| 中小企業 | 75% | 1,000円 | 50% |
| 大企業 | 60% | 500円 | なし |
| 受講者1人あたりの経費助成の限度 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 10時間以上100時間未満 | 30万円 | 20万円 |
| 100時間以上200時間未満 | 40万円 | 25万円 |
| 200時間以上 | 50万円 | 30万円 |
| eラーニング・通信制(時間数にかかわらず) | 15万円 | 10万円 |
設備投資加算は、賃金要件または資格等手当要件のいずれかを満たし、事業所に事業展開促進機器等を導入した場合に、「通常分」とは別に申請できます。限度は支給対象労働者1人につき15万円(10人以上は150万円)。1事業所が1年度に受給できる助成額は1億円です。
教育訓練休暇等付与コース
3年間に5日以上取得できる有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用した事業主に、制度導入に対して30万円(賃金要件又は資格等手当要件を満たす場合36万円)を支給します。1事業主に対して1度限りです(詳細版パンフレット)。
計算例(当サイトが計算)
| 例 | 経費助成 | 賃金助成 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 中小企業・人材育成訓練(正規雇用労働者)。受講料10万円、賃金助成の対象時間30時間 | 10万円×45%=4.5万円(限度15万円以内) | 800円×30時間=2.4万円 | 6.9万円 |
| 中小企業・事業展開等リスキリング(通学制)。受講料50万円、120時間 | 50万円×75%=37.5万円(限度40万円以内) | 1,000円×120時間=12万円 | 49.5万円 |
| 中小企業・事業展開等リスキリング(eラーニング)。受講料30万円 | 30万円×75%=22.5万円→上限15万円 | 対象外 | 15万円 |
経費助成は「経費×助成率」と「限度額」の低い方です。3つ目の例のように、eラーニングは令和8年4月8日から上限が下がったため、受講料が高いと上限で頭打ちになります。
期限
| 手続き | 期限(人材育成支援・人への投資促進・事業展開等リスキリング支援のリーフレット) |
|---|---|
| 訓練計画の提出 | 訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、管轄労働局へ |
| 支給申請 | 訓練終了日の翌日から2か月以内に、管轄労働局へ |
令和8年度の主な改正
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和8年4月8日 | 人材育成支援コースに中高年齢者実習型訓練(45歳以上が対象)を新設 |
| 令和8年4月8日 | 事業展開等リスキリング支援コースのeラーニング・通信制の経費助成の上限を、中小企業30万円→15万円、大企業20万円→10万円に見直し。設備投資加算を新設 |
| 令和8年4月8日 | 定額制サービスによる訓練で、支給対象労働者を「修了した訓練の標準学習時間が10時間以上である者」に変更 |
| 令和8年4月8日 | 全コース:申請事業主と密接な関係にある者(代表者等・配偶者・3親等以内の親族、親会社・子会社など)との間の訓練実施に係る経費は、経費助成の対象外 |
| 令和8年4月8日 | 人への投資促進コースに新規採用助成・職務代行助成を追加 |
| 令和8年5月14日 | 支給要領の改正で、訓練計画届の提出時期を問わず「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出が必要に |
| 令和8年8月3日 | 事業展開等リスキリング支援コースのDX・GX化訓練のうち、職業・職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容や、職業・職務の種類を問わず職業人として共通して必要となる内容のものは対象外。eラーニングによる訓練は、同一の労働者に対して1年度に1回まで(8月3日以降に提出する計画届から算入、経過措置あり) |
| 令和8年4月 | 教育訓練休暇等付与コースの支給申請を、制度導入から3年経過前でも(制度導入日から起算して6か月を経過した日の翌日から)できるように変更 |
雇用関係助成金に共通する要件は人を雇う・育てる助成金の全体像にまとめています。
関連
出典
- 人材開発支援助成金(厚生労働省)(確認日 2026-10-01)
- 令和8年度版 人材育成支援コースのご案内(令和8年4月8日版)(確認日 2026-10-01)
- 令和8年度版 人への投資促進コースのご案内(令和8年4月8日版)(確認日 2026-10-01)
- 令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年4月8日版)(確認日 2026-10-01)
- 人材開発支援助成金(コース共通)改正:令和8年4月8日からの変更点について(確認日 2026-10-01)
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について(確認日 2026-10-01)
- 令和8年度版 教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース(長期教育訓練休暇等制度)のご案内(令和8年8月3日版)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
訓練が終わってから申請すればよいですか?
人材育成支援コースなどのリーフレットでは、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に訓練計画を管轄労働局に提出し、訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請するとしています。訓練の前に計画の提出が必要です。
人への投資促進コースはいつまでですか?
厚生労働省のリーフレットでは、令和4〜8年度の期間限定助成として人への投資促進コースによる助成を行っているとしています。令和9年度以降の扱いは、厚生労働省の発表で確認してください。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。令和8年4月8日版・8月3日版のリーフレット・パンフレットと厚生労働省のページ(2026年10月1日確認)で作成
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