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制度の比較

キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金の違い:目的・対象者・計画を出す時期・併給の決まりを並べる(令和8年度)

非正規雇用の労働者の正社員化・処遇改善に助成するキャリアアップ助成金と、従業員の訓練の経費と賃金に助成する人材開発支援助成金を、目的・対象者・計画を出す時期・申請期限・窓口で並べて比べます。両方を使うときの「重点支援対象者c」と計画届の一本化、雇用関係助成金の共通要領にある併給調整の決まりも原文で確かめました。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

助成金を比べる正社員化と訓練2つの助成金補助金ちず
写真: maks_d(Unsplash)

キャリアアップ助成金は、有期雇用・短時間・派遣などの非正規雇用の労働者を正社員にしたり処遇を良くしたりした事業主への助成、人材開発支援助成金は、雇用する労働者に職務に関連した訓練を計画に沿って受けさせた事業主への、訓練経費や訓練中の賃金の助成です。どちらも厚生労働省の雇用関係助成金で、取組の前に計画を出す点は同じですが、出す時期が違います。

2つは組み合わせる前提の仕組みもあります。人材開発支援助成金の特定の訓練を修了した非正規雇用労働者を正社員に転換すると、キャリアアップ助成金(正社員化コース)で重点支援対象者として2期分の申請ができます(令和8年度版パンフレット)。

2つの助成金の流れ

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

  1. 1キャリアアップ計画を提出
  2. 2転換制度を就業規則等に規定
  3. 3正社員に転換
  4. 46か月分の賃金を支払う
  5. 5支給申請

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

  1. 1訓練計画を提出
  2. 2訓練を実施
  3. 3訓練終了
  4. 4支給申請

並べて比べる

項目 キャリアアップ助成金 人材開発支援助成金
目的(厚生労働省の説明) 非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化・処遇改善の取組をした事業主に助成 職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成
対象になる労働者 有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者など(正社員化コースは、正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等の適用を通算6か月以上受けている人など) 雇用保険被保険者(人材育成支援コース)
コース 正社員化、障害者正社員化、賃金規定等改定、賃金規定等共通化、賞与・退職金制度導入、短時間労働者労働時間延長支援 人材育成支援、教育訓練休暇等付与、人への投資促進(令和4〜8年度の期間限定)、事業展開等リスキリング支援、建設労働者認定訓練、建設労働者技能実習 ほか
計画を出す時期 各コースの実施日の前日までに「キャリアアップ計画」 訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に訓練計画(人材育成支援コース)
支給申請の期限 正社員化コース:転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内 訓練終了日の翌日から2か月以内(人材育成支援コース)
主な額 正社員化コース(有期→正規、中小企業):重点支援対象者80万円(40万円×2期)、それ以外40万円 人材育成支援コース(中小企業):経費助成率45%(有期契約労働者等は70%)、賃金助成1人1時間800円など
申請先(東京都の例) 各ハローワーク 東京労働局 助成金事務センター

申請先は都道府県ごとに違うことがあります。厚生労働省の「問い合わせ先・申請先」のページで都道府県ごとに確かめられます。

両方を使うときの2つの決まり

1. 重点支援対象者c:キャリアアップ助成金の正社員化コースの「重点支援対象者」には、「人材開発支援助成金の特定の訓練修了者」が含まれます。対象の訓練は、人材育成支援コース・事業展開等リスキリング支援コース・人への投資促進コースです(パンフレット)。重点支援対象者は、中小企業で有期→正規の場合80万円(40万円×2期)で、それ以外の40万円(1期)より多くなります。

2. 計画届の一本化:人材開発支援助成金の特定の訓練の修了後に正社員化コースを申請する予定なら、人材開発支援助成金の「訓練実施計画届」(訓練様式第1号他)の作成・提出をもって、キャリアアップ助成金の「キャリアアップ計画」とみなすことができます。条件は次のとおりです(パンフレット)。

  • 紙で訓練実施計画届を作成・提出する場合に限る
  • 令和5年度以降に訓練実施計画届を作成・提出する場合に限る
  • 訓練実施計画届の裏面にある追加項目を記載する

併給調整:同じ行為・同じ経費には1つだけ

雇用関係助成金の共通要領(令和8年4月8日現在)0304「併給調整」は次のように定めています。

  • 同じ事業主の同じ行為を根拠として、同時に2つ以上の助成金は支給しない。
  • 同じ事業主の同じ経費または賃金の支出について、同時に2つ以上の助成金は支給しない。
  • 助成金どうしの併給調整は、原則として別紙1〜3(併給調整表と留意事項)による。

つまり、訓練(人材開発支援)と正社員への転換(キャリアアップ)は別の行為ですが、同じ賃金や経費を両方の算定に入れることはできません。組み合わせごとの可否は、共通要領の別紙2「令和8年度(令和8年4月8日以降)雇用関係助成金併給調整表」と、厚生労働省が「申請にあたって」のページで案内している「併給調整早見ツール」で確かめられます。

助成金以外の補助金を受けている場合は、趣旨・目的・助成内容が明らかに違うもの、または「財源が違う」「その補助金が併給を認めている」「合計が自己負担を超えない」のすべてに当てはまるものは、併給調整をしないとされています(共通要領0304ニ)。

選ぶときの考え方

  • 非正規の人を正社員にする予定があるか:あればキャリアアップ助成金。転換の前日までに計画を出していないと対象になりません。
  • 訓練を受けさせる予定があるか:あれば人材開発支援助成金。訓練開始の1か月前までに計画を出します。
  • 訓練のあとに正社員にするか:両方を順に使う形になります。訓練の修了が重点支援対象者cの条件になります。計画届の一本化は、訓練の修了後に正社員化コースを申請する予定の事業主が対象の取扱いです。

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出典

よくある質問

同じ人について両方の助成金を受けられますか?

キャリアアップ助成金のパンフレットは、人材開発支援助成金の特定の訓練を修了した非正規雇用労働者を正社員に転換した場合、重点支援対象者として2期分の申請が可能になると案内しています。一方で共通要領は、同じ行為や同じ経費・賃金の支出について2つ以上の助成金を同時に支給しないと定めています。組み合わせごとの可否は、共通要領の併給調整表と厚生労働省の「併給調整早見ツール」で確かめられます。

計画はどちらも同じ時期に出せばよいですか?

時期が違います。キャリアアップ助成金は各コースの実施日の前日まで(正社員化コースなら転換の前日まで)にキャリアアップ計画を、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)は訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に訓練計画を出します。紙の訓練実施計画届でキャリアアップ計画を兼ねる取扱いもあります。

受付状況は公式の募集期間から毎日計算しています。予算に達した場合など、期間中でも受付が終わることがあります。申請の前に、必ず実施機関の募集要項と窓口で最新の条件を確認してください。当サイトは申請の代行や採択の可否の判断は行っていません。編集方針

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。令和8年度のパンフレット・リーフレットと共通要領(令和8年4月8日現在)で作成

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