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申請の基礎

雇用調整助成金とは(令和8年度):助成率2/3・1/2、上限日額9,110円(令和8年8月1日時点)と教育訓練で変わる助成率

売上の減少などで事業を縮小せざるを得ない事業主が、休業・教育訓練・出向で従業員の雇用を維持したときに、休業手当などの一部を助成する雇用調整助成金。受給要件(売上等10%以上の減少など)、助成率(中小企業2/3・大企業1/2)、上限日額9,110円(令和8年8月1日時点)、支給日数30日以降に教育訓練の実施率で助成率が変わる仕組み、計画届と支給申請の期限を、令和8年8月1日現在版のガイドブックから整理します。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

厚生労働省休業手当の助成中小は3分の2補助金ちず
写真: Jakub Żerdzicki(Unsplash)

雇用調整助成金は、景気の変動などの経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業・教育訓練・出向で従業員の雇用を維持した場合に、休業手当などの一部を助成する厚生労働省の制度です。

助成率は中小企業2/3・大企業1/2。1人1日あたりの上限は雇用保険の基本手当日額の最高額で、令和8年8月1日時点で9,110円です。休業・教育訓練は1年間で最大100日分、3年間で最大150日分まで受給できます。

受給までの流れ

  1. 1どんな雇用調整をするか計画する
  2. 2労使で協定を結ぶ
  3. 3計画届を出す(休業等を始める前)
  4. 4休業・教育訓練・出向を実施し、休業手当や賃金を支払う
  5. 5支給対象期間ごとに支給申請
  6. 6労働局の審査と支給決定
  7. 7振込

事前に計画届を出していない休業等は支給対象になりません。計画届と支給申請は支給対象期間ごとに行います。

早見表

項目 内容(令和8年8月1日現在版ガイドブック・厚生労働省のページ)
誰が 経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた、雇用保険の適用事業主
何に 休業手当、教育訓練を行った日の賃金、出向
助成率 中小企業2/3、大企業1/2(支給日数30日以降は教育訓練の実施率で変わる。下の表)
上限 1人1日あたり9,110円(令和8年8月1日時点。教育訓練の加算は上限に含まない)
日数 休業・教育訓練は1年間で最大100日、3年間で最大150日。出向は最長1年の出向期間中
審査か要件か 要件を満たすかどうかを労働局が審査して支給決定
申請先 原則として都道府県労働局(ハローワークで書類を受け付ける場合もある)

主な受給要件

厚生労働省のページでは、次の5つを挙げています。

  1. 雇用保険の適用事業主であること
  2. 売上高又は生産量などの事業活動を示す指標の、最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること
  3. 雇用保険被保険者数と受け入れている派遣労働者数の最近3か月間の月平均値が、前年同期に比べて、中小企業は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと
  4. 実施する雇用調整が一定の基準を満たすこと
  5. 過去に受給したことがある場合、前回の対象期間の最後の判定基礎期間の末日(又は支給対象期の末日のいずれか遅い日)の翌日から起算して1年を超えていること(クーリング期間)

ガイドブックの一覧表では、このほかに次の条件もあります。

条件 内容
対象労働者 雇用保険加入後6か月以上の者
休業の規模 所定労働延日数に占める休業等の延日数の割合が、中小企業1/20、大企業1/15以上
残業相殺 対象期間内に所定外労働等があった場合、助成対象となる休業等の延日数から差し引く
設置1年未満の事業所 対象外(生産量要件の注記)

雇用調整の基準は、雇用調整の種類ごとに決まっています。

雇用調整 主な基準(厚生労働省のページ・ガイドブック)
休業 労使間の協定により、所定労働日の所定労働時間内に行う。短時間休業は1時間以上
教育訓練 休業と同じ条件に加え、職業に関する知識・技能の習得が目的。短時間訓練は2時間以上
出向 3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するもの。労使協定・本人の同意・出向元が賃金の一部(全部を除く)を負担していることなど

ストライキ中や有給休暇中、病気による休暇中、育児・介護による休業などは支給対象になりません(ガイドブック)。

助成額の計算

休業の場合、助成額は「休業手当に相当する額×助成率」です。ただし1人1日あたり9,110円(令和8年8月1日時点)が上限です。教育訓練を行った場合は、賃金に相当する額×助成率に、1人1日あたり1,200円の訓練費を加算します(加算額は上限額の計算に含みません)。

次の例は、考え方を示すために当サイトが単純化して計算したものです。実際の額は、ガイドブックの様式(様式第5号)で、賃金総額や残業相殺などを入れて計算します。

例 計算(当サイトが計算) 1人1日あたりの助成額
中小企業・休業手当が1日12,000円 12,000円×2/3=8,000円(上限9,110円より少ない) 8,000円
中小企業・休業手当が1日15,000円 15,000円×2/3=10,000円(上限9,110円を超える) 9,110円
大企業・休業手当が1日15,000円 15,000円×1/2=7,500円 7,500円
中小企業・教育訓練の日の賃金が1日15,000円 15,000円×2/3=10,000円→上限9,110円、これに訓練加算1,200円 10,310円

支給日数30日以降は教育訓練の実施率で変わる

今回の対象期間での支給日数が累計30日に達した判定基礎期間の次の判定基礎期間から、その判定基礎期間の教育訓練の実施率によって、助成率と訓練加算額が変わります(ガイドブック p.25〜26)。

教育訓練の実施率 中小企業の助成率 大企業の助成率 教育訓練の加算(1人1日)
10%未満 1/2 1/4 1,200円
10%以上20%未満 2/3 1/2 1,200円
20%以上 2/3 1/2 1,800円

教育訓練をほとんど行わず休業だけを続けると(実施率10%未満)、支給日数が30日に達した判定基礎期間の次の判定基礎期間から、中小企業の助成率は2/3から1/2に、大企業は1/2から1/4になります。この30日は、過去の対象期間で受給した日数を含まず、今回の対象期間での累計で数えます(ガイドブックのQ&A)。

期限

手続き 期限(ガイドブック)
計画届 支給対象期間中の、休業等を開始する日の前日まで。初回は休業等の初日の2週間前までをめどに
支給申請 支給対象期間の末日の翌日から2か月以内(支給申請に係る休業手当又は賃金の支払日以降に限る)

郵送の場合も締切日必着で、配達の記録が残る方法での提出が求められています。期限の末日が行政機関の休日にあたる場合は、翌開庁日が締切日です。雇用関係助成金ポータルでの電子申請もできます。

変わったこと・注意点

  • 上限日額は年ごとに変わります。 ガイドブックの表紙には、令和8年7月31日以前に実施した雇用調整は「通常版ガイドブック(令和8年4月1日時点版)」を参照するよう書かれています。8月1日以降の上限額(9,110円)が適用されるのは、判定基礎期間の初日が8月1日以後の休業等からです(ガイドブックのQ&A)。
  • 令和8年熊本地震に伴う特例について、厚生労働省は特設ページを設けています。特例の内容は当サイトでは確認していないので、特設ページで確かめてください。
  • 不正受給をすると、全額の返還に加えて延滞金と不正受給額の2割に相当する額の納付が必要になり、不正受給決定日から5年間、雇用関係助成金を受給できません(厚生労働省「雇用関係助成金の不正受給について」)。雇用調整助成金には、個別の支給要領にも不正受給の規定があります。

雇用関係助成金に共通する要件(労働保険料の納付、労働関係法令違反がないことなど)は、人を雇う・育てる助成金の全体像にまとめています。

関連

出典

よくある質問

1人1日あたりの上限はいくらですか?

ガイドブック(令和8年8月1日現在版)では、1人1日当たり雇用保険基本手当日額の最高額を上限額とし、令和8年8月1日時点で9,110円です。教育訓練の加算額は上限額の計算に含みません。令和8年7月31日以前に実施した雇用調整は、通常版ガイドブック(令和8年4月1日時点版)を参照するよう案内されています。

休業を始めてから届け出ても対象になりますか?

ガイドブックでは、事前に計画届の提出のなかった休業等は支給対象にならないとしています。提出期限は支給対象期間中の休業等を開始する日の前日までで、初回は休業等の初日の2週間前までをめどに提出するよう求めています。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。雇用調整助成金ガイドブック(令和8年8月1日現在版)と厚生労働省のページ(2026年10月1日確認)で作成

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