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申請の基礎

キャリアアップ助成金とは(令和8年度):正社員化コースは1人最大80万円、重点支援対象者の条件と6つのコースの助成額

有期雇用・短時間・派遣など非正規雇用の労働者の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主に助成するキャリアアップ助成金。令和8年4月8日版のリーフレット・パンフレットから、正社員化コースの助成額(中小企業の重点支援対象者は1人80万円=40万円×2期)、重点支援対象者の条件、3つの受給条件と申請期限、加算、賃金規定等改定・短時間労働者労働時間延長支援など他コースの額を表にまとめます。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

厚生労働省正社員化で1人最大80万円補助金ちず
写真: Mediamodifier(Unsplash)

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを進めるため、正社員化や処遇改善の取組をした事業主に助成する厚生労働省の制度です。

正社員化コースは、有期雇用労働者を正規雇用労働者にした場合、中小企業で1人あたり40万円、「重点支援対象者」なら80万円(40万円×2期)です。転換の前日までにキャリアアップ計画を出しておく必要があります。

正社員化コースの流れ

  1. 1キャリアアップ計画を作成・提出
  2. 2就業規則等に転換の制度を規定
  3. 3正社員に転換
  4. 4転換後6か月分の賃金を支払う
  5. 5支給申請(1期目)
  6. 6さらに6か月雇用して2期目の申請(重点支援対象者)

キャリアアップ計画は、正規雇用労働者に転換する前日までに出しておく必要があります。

コースの一覧

令和8年度のリーフレット(令和8年4月8日)に載っているコースです。

区分 コース 何をしたときか
正社員化支援 正社員化コース 有期雇用労働者等を正社員化した場合(1人当たり)
正社員化支援 障害者正社員化コース 障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合(1人当たり)
処遇改善支援 賃金規定等改定コース 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、適用した場合(1人当たり)
処遇改善支援 賃金規定等共通化コース 有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合
処遇改善支援 賞与・退職金制度導入コース 有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し、支給または積立てを実施した場合
処遇改善支援 短時間労働者労働時間延長支援コース 短時間労働者の労働時間を延長し、あわせて賃金を増やすなどした場合(1人当たり)

短時間労働者労働時間延長支援コースは、厚生労働省のページで「年収の壁」への対応として、労働者を新たに被用者保険に適用させるとともに収入増加の取組を行った事業主に助成するコースとして「新設」と案内されています。

正社員化コースの助成額

対象者 企業規模 有期雇用→正規 無期雇用→正規
重点支援対象者 中小企業 80万円(40万円×2期) 40万円(20万円×2期)
重点支援対象者 大企業 60万円(30万円×2期) 30万円(15万円×2期)
上記以外 中小企業 40万円(40万円×1期) 20万円(20万円×1期)
上記以外 大企業 30万円(30万円×1期) 15万円(15万円×1期)

1年度1事業所当たりの支給申請の上限は20名です(同一対象者の2回目の申請を除く。パンフレット)。雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者は、無期雇用労働者とみなされます。

重点支援対象者とは

次のa〜cのいずれかに当てはまる人です(リーフレット)。

  • a:雇入れから3年以上の有期雇用労働者
  • b:雇入れから3年未満で、①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下、②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない、の両方に当てはまる有期雇用労働者
  • c:派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者

加算(1事業所当たり1回のみ)

措置 中小企業 大企業
① 正社員転換制度を新たに規定し、その雇用区分に転換等した 20万円 15万円
② 多様な正社員制度(勤務地限定・職務限定・短時間正社員のいずれか1つ以上)を新たに規定し、その雇用区分に転換等した 40万円 30万円
③ 正規雇用労働者への転換等に係る所定の情報を、自社のウェブサイトまたは職場情報総合サイト(しょくばらぼ)に公表した(令和8年4月8日版で「NEW」) 20万円 15万円

計算例(当サイトが計算)

例 計算 合計
中小企業。雇入れから3年以上の有期雇用労働者2人を正社員に。正社員転換制度を新たに規定 80万円×2人+加算①20万円 180万円
中小企業。重点支援対象者に当たらない無期雇用労働者1人を正社員に 20万円×1人 20万円
大企業。重点支援対象者に当たらない有期雇用労働者3人を正社員に 30万円×3人 90万円

受給の条件(正社員化コース)

リーフレットでは、次の3つをすべて満たす必要があるとしています。

  1. キャリアアップ計画:正規雇用労働者に転換する前日までに作成・提出していること
  2. 制度の規則化:正規雇用労働者に転換する制度を就業規則などに規定していること
  3. 正社員転換:転換後6か月間の賃金を、転換前6か月間の賃金より3%以上増額させていること

ほかにも、次の条件があります。

項目 内容
正規雇用労働者の定義 同一の事業所内の正規雇用労働者に適用される就業規則が適用されている労働者。ただし「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が転換時点で適用されている者に限る(リーフレット)
対象となる労働者 賃金の額または計算方法が正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等の適用を、通算6か月以上受けて雇用される有期雇用労働者または無期雇用労働者(パンフレット)
新規学卒者 雇入れ日から起算して雇用期間が1年未満の者は支給対象外(リーフレット)
継続雇用 正社員転換後6か月以上継続して雇用し、6か月分の賃金を支給。2期目は転換後12か月以上の継続雇用(パンフレット)
支給申請 取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内(リーフレット)

他のコースの助成額(令和8年4月8日のリーフレット)

コース 区分 中小企業 大企業
障害者正社員化(重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者) 有期→正規 120万円 90万円
有期→無期 60万円 45万円
無期→正規 60万円 45万円
障害者正社員化(上記以外) 有期→正規 90万円 67.5万円
有期→無期 45万円 33万円
無期→正規 45万円 33万円
賃金規定等改定(1人当たり) 3%以上4%未満 4万円 2.6万円
4%以上5%未満 5万円 3.3万円
5%以上6%未満 6.5万円 4.3万円
6%以上 7万円 4.6万円
賃金規定等共通化 1事業所当たり 60万円 45万円
賞与・退職金制度導入 1事業所当たり 40万円 30万円
同時に導入した場合の加算 16.8万円 12.6万円

賃金規定等改定コースには、「職務評価」の手法を活用して増額改定した場合と、有期雇用労働者等の昇給制度を新たに設けた場合の加算(それぞれ1事業所当たり20万円、大企業15万円)があります。障害者正社員化コースは、助成額が支給対象期間の賃金の総額を超える場合、賃金の総額が上限です。

短時間労働者労働時間延長支援コース(1人当たり)

リーフレットの表(画像で確認)では、1年目は次の①〜④のいずれかの取組が対象です。

1年目の取組 労働時間の延長 あわせて必要な賃金の増加
① 5時間以上 なし
② 4時間以上5時間未満 5%以上
③ 3時間以上4時間未満 10%以上
④ 2時間以上3時間未満 15%以上

2年目は、1年目の取組の後に、①労働時間をさらに2時間以上延長、②基本給をさらに5%以上増加または昇給・賞与もしくは退職金制度の適用、のいずれかを行った場合が対象です。

年目 小規模企業 中小企業 大企業
1年目 50万円 40万円 30万円
2年目 25万円 20万円 15万円

変わったこと・食い違い

  • 公表の加算(③) は、令和8年4月8日版の正社員化コースのリーフレットで「NEW」と表示されています。
  • 確定拠出年金の掛金:パンフレットでは、令和8年10月以降に正社員転換を行う場合、企業型確定拠出年金の事業主掛金は賃金比較(3%以上増額の比較)に含めない取扱いとするとしています。詳しくはQ&Aで確認してください。
  • 社会保険適用時処遇改善コース:厚生労働省の「雇用関係助成金一覧」のページにはこのコースの名前が残っていますが、令和8年度のリーフレットには載っていません。パンフレットには「旧『社会保険適用時処遇改善コース』の計画届を提出している場合は、本コースの計画届・変更届の提出は必要ありません」とあります。いつまで経過措置があるかは当サイトで確認できていないので、管轄の労働局で確かめてください。
  • 支給要領は令和8年4月1日付けの後、4月8日付けで改定されています。改定の中身の一覧は、当サイトでは見つけられていません。

申請先は、都道府県労働局またはハローワークです(東京ではキャリアアップ助成金は各ハローワーク)。雇用関係助成金に共通する要件は人を雇う・育てる助成金の全体像にまとめています。

関連

出典

よくある質問

正社員にした後に申請すればよいですか?

リーフレットでは、正規雇用労働者に転換する前日までに「キャリアアップ計画」を作成・提出していること、転換の制度を就業規則などに規定していることが受給条件です。支給申請は、転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内です。

新卒で採用した人を正社員にした場合は?

リーフレットでは、新規学卒者で雇入れ日から起算して雇用期間が1年未満の者は支給対象外としています。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。令和8年4月8日版のリーフレット・パンフレットと厚生労働省のページ(2026年10月1日確認)で作成

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