申請の基礎
省エネ・脱炭素設備の補助金(事業者):国の3つの制度と、県・市の補助との重ね方(3つの型)
事業者の省エネ・脱炭素設備に使える国の補助金(SIIの省エネ・非化石転換補助金、環境省のSHIFT事業、ストレージパリティ事業)の区分・補助率・上限・公募の時期と、都道府県・市区町村の補助と重ねるときの決まりを整理します。自治体の補助と国の補助の関係は、「国の補助と重ねられない」「国の補助額を差し引く」「国の交付決定が前提」の3つの型に分かれます。
事業者の省エネ・脱炭素設備への投資に使える国の補助金は、2026年9月30日時点で主に3つです。
国の3つの制度
省エネ・非化石転換補助金(経済産業省・SII)
工場・事業場全体の省エネ、設備の更新、電化・燃料転換
SHIFT事業(環境省)
工場・事業場のCO2削減のための設備の改修
ストレージパリティ事業(環境省)
自家消費型の太陽光と蓄電池の同時導入
省エネ・非化石転換補助金(SII)
経済産業省の事業で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行しています。工場・事業場型と設備単位型に分かれます。
工場・事業場型(主な枠の補助率)
| 枠 | 中小企業者等 | 大企業・その他 |
|---|---|---|
| 先進枠 | 2/3以内 | 1/2以内 |
| 一般枠 | 1/2以内(投資回収年数7年未満は1/3以内) | 1/3以内 |
| 中小企業投資促進枠 | 1/2以内(投資回収年数5年未満は1/3以内) | 対象外 |
上限は単年度事業で15億円(非化石燃料設備を導入する場合20億円)、下限は100万円/年度です。
設備単位型(主な区分)
| 区分 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 設備単位型 従来枠(更新) | 1/3以内 | 1億円 |
| GX設備単位型 トップ性能枠(更新) | 1/2以内 | 3億円 |
| 電化・脱炭素燃転型(更新・改造) | 1/2以内 | 3億円(電化は5億円) |
| エネルギー需要最適化型 | 中小企業者等1/2以内・大企業等1/3以内 | 1億円 |
下限は30万円です。
公募の時期
令和7年度補正分は、1次(4月27日締切)・2次(7月9日締切)・3次(8月20日〜9月28日、交付決定は11月下旬予定)と進みました。SIIは9月28日に「4次公募を10月上旬より実施する予定」と公表しています。4次から、GX設備単位型「トップ性能枠」の対象に産業ヒートポンプの種別と高効率コージェネレーションが加わる予定です。
SHIFT事業(環境省)
工場・事業場単位でCO2排出量を15%以上、または主要なシステム系統で30%以上削減する設備の改修などを補助します。
| 区分 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 省CO2型システムへの改修支援事業 | 1/3 | CO2排出削減量に応じて1億円または5億円 |
| DX型CO2削減対策実行支援事業 | 3/4 | 200万円 |
蒸気・空調・給湯システム、工業炉、コージェネレーションの単純な高効率化改修は補助対象外です。9月11日から追加公募が行われていて、改修支援事業(三次公募)の締切は10月1日(木)12時(第1回)と10月15日(木)12時(第2回)です。
ストレージパリティ事業(環境省)
太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入する自家消費型の事業を補助します。二次公募は10月2日(金)正午までです。
| 対象 | 補助額 |
|---|---|
| 太陽光(自己所有など) | 4万円/kW |
| 太陽光(オンサイトPPA・リース) | 5万円/kW |
| 定置用蓄電池(業務・産業用) | 3.9万円/kWh |
県・市の補助と重ねるときの3つの型
国の制度の側は、おおむね「国の補助金どうしは同じ経費に重ねられない、自治体の独自財源の補助とは重ねられる」という立場です。
- SII:「本補助金と他の補助金等で、補助対象経費が重複する場合の併用は出来ない。ただし、地方公共団体の一般財源…により実施する補助金等との併用は認める」
- ストレージパリティ:「国の補助金とは同一設備での重複受給はできませんが、地方公共団体の独自財源による補助金とは同一設備でも併用できます」
一方、自治体の側の決まりは制度ごとに違います。当サイトが掲載している制度では、次の3つの型がありました。
| 型 | 例 | 自治体の要綱の書き方 |
|---|---|---|
| 国の補助と重ねられない | 福井県 企業の太陽光・蓄電池設備導入促進事業補助金 | 本補助金以外に、国又は地方自治体等から他の補助等を受けることは認められません |
| 国の補助額を差し引く | 古賀市 中小企業等向け太陽光発電設備導入補助金 | 国、福岡県及びその他の団体が実施する…補助金等がある場合は、その額を差し引いた額が補助対象 |
| 国の交付決定が前提(上乗せ) | 福井県 V2H充放電設備設置支援事業補助金 | 経済産業省補助金の上乗せで県補助金へ申請する場合は、経済産業省補助金の交付決定通知書を提出 |
国が「併用できる」と書いていても、自治体が「国の補助とは重ねられない」と書いていれば、両方は受けられません。 国の補助と県の補助のどちらが有利かを、額と採択の見込みで比べて選ぶことになります。また、自治体の補助にはFIT・FIPの認定を取らないことを条件にするものもあります(古賀市・福井県)。
関連
出典
- 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)3次公募(SII)(確認日 2026-09-30)
- 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)公募要領(SII)(確認日 2026-09-30)
- 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)公募要領(SII)(確認日 2026-09-30)
- SHIFT事業 令和8年度の公募について(環境省 報道発表)(確認日 2026-09-30)
- SHIFT事業(執行団体 GAJ)(確認日 2026-09-30)
- ストレージパリティ事業 二次公募(環境省 報道発表)(確認日 2026-09-30)
- ストレージパリティ事業 公募要領(EIC)(確認日 2026-09-30)
- ストレージパリティ事業 Q&A(EIC)(確認日 2026-09-30)
よくある質問
国の省エネ補助金と市の補助金は一緒に使えますか?
制度によります。SIIの省エネ・非化石転換補助金は、補助対象経費が重複する他の補助金との併用はできないが、地方公共団体の一般財源により実施する補助金等との併用は認める、としています。一方、自治体の側が国の補助との併用を認めていない例(福井県)や、国の補助額を差し引いた額を対象にする例(古賀市)があります。国と自治体の両方の決まりを確かめる必要があります。
この記事の更新
- 2026年9月30日初版。SIIの4次公募は「10月上旬より実施する予定」(9月28日更新)の時点
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- 制度の詳細福井県の企業向け太陽光・蓄電池補助金(令和8年度):1kWあたり5万円・上限500万円、書類がそろった順に10月31日まで福井県内に1年以上事業所がある民間事業者が、自家消費型の太陽光発電(蓄電池とセットか単独)を入れる費用を補助する制度です。太陽光は1kWあたり5万円(上限500万円)、蓄電池は1kWhあたり5.1万円から。申請は2026年10月31日までメールで、書類がそろった順に受け付けます。