申請の基礎
賃貸住宅のオーナーが使える補助金:賃貸集合給湯省エネ2026、みらいエコ住宅2026の賃貸住宅の新築、先進的窓リノベ、セーフティネット住宅の改修補助
アパート・マンションなど賃貸住宅のオーナーが使える国の補助を整理します。既存の賃貸集合住宅の給湯器交換(賃貸集合給湯省エネ2026:5万円/台・7万円/台と加算3万円/台)、賃貸住宅の新築(みらいエコ住宅2026:GX志向型125万円/戸など)、窓の断熱改修(先進的窓リノベ2026は「賃貸に供する所有者」も申請者)、住宅確保要配慮者向けの改修(セーフティネット専用住宅改修事業:補助率1/3・上限62万円/戸等)と、中野区の上乗せの例です。
賃貸住宅のオーナー(個人・法人)が使える国の補助は、何をするかで分かれます。既存の賃貸集合住宅の給湯器を替える、窓を断熱改修する、省エネ性能の高い賃貸住宅を新築する、住宅の確保に配慮が必要な人向けの住宅に改修する、の4つです。
賃貸住宅のオーナーが使える国の補助
給湯器の交換
賃貸集合給湯省エネ2026(既存の賃貸集合住宅)
窓・断熱の改修
先進的窓リノベ2026とみらいエコ住宅2026(リフォーム)
賃貸住宅の新築
みらいエコ住宅2026(賃貸住宅の新築)
要配慮者向けの改修
セーフティネット専用住宅改修事業と自治体の上乗せ
4つの制度を並べる
| 制度 | 申請できるオーナー | 補助の中身 | 上限・補助額 | 期限など |
|---|---|---|---|---|
| 賃貸集合給湯省エネ2026 | 既存賃貸集合住宅のオーナー等(区分所有で賃貸住戸2戸以上を含む、管理委託を受けた者を含む)で、給湯器の交換工事の発注者 | 従来型給湯器をエコジョーズ・エコフィールに交換 | 5万円/台(追い焚きなし)、7万円/台(追い焚きあり)+加算3万円/台。1住戸1台まで | 予約は遅くとも2026年11月16日、交付申請は遅くとも12月31日(予算上限に達するまで) |
| みらいエコ住宅2026(賃貸住宅の新築) | 新築する賃貸住宅の建築主かつ賃貸オーナーである個人・法人(購入によるオーナーは対象外) | GX志向型・長期優良・ZEH水準の賃貸住宅の新築 | GX志向型125万円/戸(1〜4地域)など | 予約は遅くとも2026年11月16日、交付申請は遅くとも12月31日(予算上限に達するまで) |
| 先進的窓リノベ2026 | 住宅を所有し、賃貸に供する個人・法人(ほかに居住する所有者、賃借人、管理組合) | 窓(ガラス)・ドアの断熱改修 | 1戸あたり100万円 | 予算上限に達するまで |
| セーフティネット専用住宅改修事業(国の直接補助) | 大家等 | 住宅確保要配慮者専用の住宅への改修 | 補助率1/3、上限62万円/戸等(工事内容による加算あり) | 応募締切り 令和8年12月11日(予算上限に達し次第終了) |
1. 賃貸集合給湯省エネ2026:既存の賃貸集合住宅の給湯器交換
経済産業省の事業で、既存の賃貸集合住宅の住戸の従来型給湯器を、小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)に交換する工事(リースの利用を含む)が対象です。予算は35億円(令和7年度補正予算)です。
対象になる建物は、1棟に2戸以上の賃貸住戸を持ち、建築から1年以上が経過しているか、いずれかの住戸で人が住んだ実績がある建物です。不動産登記で建物の用途が集合住宅と確認できない場合は原則対象外です。賃貸借契約を結ばない、オーナーや親族等が住む住戸は賃貸住戸に含まれず、事業用に貸し出す住宅も対象外です。販売目的で賃貸集合住宅を持つ買取再販事業者も対象になりません。
| 給湯器 | 基本額 | 加算の対象になる工事 | 加算額 |
|---|---|---|---|
| 追い焚き機能なし | 5万円/台 | 共用廊下を横断するドレン排水ガイド敷設工事 | 3万円/台 |
| 追い焚き機能あり | 7万円/台 | 浴室へのドレン水排水工事(三方弁工事、三本管(二重管含む)工事) | 3万円/台 |
計算例(当サイトの計算):10戸の賃貸アパートで、追い焚きなしの給湯器を10台交換し、全台で加算の工事を行う場合、(5万円+3万円)×10台=80万円。追い焚きありなら(7万円+3万円)×10台=100万円です。
手続きは、登録事業者(施工業者・管理会社等、リースの場合はリース事業者)が行います。着工は2025年11月28日以降が対象です。公式サイトでは、予算に対する補助金申請額の割合は49%(2026年9月30日0時時点)でした。
賃貸集合給湯省エネ2026 月別の交付申請戸数(予約を含む、単月)
直近の 2026年8月 は 5,401 戸。5 回分で最高は 5,401 戸(2026年8月)、最低は 1,430 戸(2026年4月)。数字は公式の公表値(出典は記事末尾)。
4〜8月の累計は4,202件・17,865戸・11億7,517万円です(公式サイトの月別状況、更新日2026年9月10日)。給湯器の補助全体は給湯省エネ2026事業とはにまとめています。
2. みらいエコ住宅2026:賃貸住宅の新築
国土交通省のみらいエコ住宅2026事業には「賃貸住宅の新築」の区分があります。新築する賃貸住宅の建築主かつ賃貸オーナーである個人・法人が、登録事業者と契約して、GX志向型・長期優良・ZEH水準の賃貸住宅を新築する場合が対象です。住宅を購入して賃貸オーナーになる場合は対象外です。2025年11月28日以降に基礎工事に着手した住宅で、住戸の床面積は50㎡以上240㎡以下です。
| 住宅 | 1〜4地域 | 5〜8地域 | 古家の除却を伴う場合の加算 | 入居募集の条件 |
|---|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円/戸 | 110万円/戸 | なし | 少なくとも3か月などの募集。すべての世帯が対象 |
| 長期優良住宅 | 80万円/戸 | 75万円/戸 | 20万円/戸 | 子育て世帯・若者夫婦世帯に、補助金額を勘案した優遇家賃で募集 |
| ZEH水準住宅 | 40万円/戸 | 35万円/戸 | 20万円/戸 | 同上 |
長期優良住宅とZEH水準住宅は、補助対象が要件を満たす賃貸住戸数の50% です。申請手続きでは、長期優良住宅は1〜4地域40万円/戸・5〜8地域37万5千円/戸、ZEH水準住宅は1〜4地域20万円/戸・5〜8地域17万5千円/戸として扱います。
計算例(当サイトの計算):1〜4地域でZEH水準の賃貸住戸10戸を新築する場合、補助対象は50%の5戸で40万円×5戸=200万円。申請手続きの扱い(20万円/戸×10戸)でも200万円です。
長期優良住宅・ZEH水準住宅は、事務局への事前相談(2026年11月16日まで)と、子育て等配慮技術基準(段差が小さい床や手すり、転落防止、防犯性能の高い玄関ドア・窓など)への適合が必要です。交付申請した賃貸住宅は、公式サイトで「みらいエコ≪賃貸≫住宅」として公表されます。
3. 先進的窓リノベ2026:賃貸に出している住宅の窓の断熱改修
環境省の先進的窓リノベ2026事業は、補助対象者(住宅の所有者等)に「住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人」を含めています。補助上限は1戸あたり100万円です。リース利用の場合の対象者は「集合住宅の全住戸の所有者等」と管理組合です。
補助を受けた窓・ドアは、補助事業の完了後10年間、事務局の承認なく処分できません。ただし、窓を設置した住宅を住宅として販売・譲渡・貸し付ける場合は除かれ、賃貸住宅の入居者が退去・転居する場合も財産処分に当たる転居から除かれています。
国土交通省のみらいエコ住宅2026(リフォーム)も、対象者に「住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人」を含めています。窓と断熱の2事業の使い分けは窓・給湯・断熱リフォーム:住宅省エネ2026の3事業の違いにまとめています。
4. セーフティネット住宅の改修補助(国土交通省)
国土交通省は、民間賃貸住宅や空き家等を、住宅確保要配慮者(低額所得者、高齢者、障害者、子育て世帯など)専用の住宅や、見守り等の入居中のサポートを行う居住サポート住宅に改修する民間事業者等を支援しています。令和8年度の募集は、国による直接補助です(これとは別に地方公共団体が補助を行っている場合があります)。
| 項目 | セーフティネット専用住宅改修事業(国の直接補助) |
|---|---|
| 主な要件 | 公営住宅に準じた家賃の額以下/住宅確保要配慮者専用の住宅として登録する/賃貸住宅供給促進計画を策定している自治体管内の住宅/管理期間10年以上 |
| 対象工事の例 | バリアフリー改修、耐震改修、共同居住用住居への用途変更、間取り変更、子育て対応改修、防火・消火対策、省エネルギー改修、安否確認のための設備、防音・遮音 など |
| 補助率・限度額 | 国1/3、国費限度額62万円/戸(子育て支援施設を併設する場合は1,250万円/施設)。工事内容によって限度額の加算あり |
| 入居対象者 | 子育て・新婚世帯、高齢者世帯、障害者世帯等、低額所得者(月収15.8万円以下)、被災者世帯 等 |
| 応募締切り | 令和8年12月11日(予算上限に達し次第終了) |
計算例(当サイトの計算。加算を考えない場合):1戸の改修工事費150万円 → 1/3で50万円(上限62万円の範囲内)。300万円 → 1/3で100万円、上限の62万円。
地方公共団体を通じた補助の場合は、国1/3+地方1/3です。
自治体の例:中野区は改修費の2/3・上限100万円
東京都中野区は、セーフティネット住宅(専用住宅)または居住サポート住宅として供給している(予定を含む)民間賃貸住宅のオーナー等に、改修費の一部を補助しています。
| 項目 | 中野区の補助 |
|---|---|
| 補助額 | 改修費の2/3、上限100万円(1戸あたり)。予算の範囲内 |
| 申請期限 | 令和8年11月30日まで(事前相談は10月30日まで)。工事着工前に申請・交付決定を受ける必要がある |
| 住宅の要件 | 入居世帯(被災者世帯を除く)の収入が38万7千円以下、家賃が近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しない水準以下、区内の住宅 など |
| 管理の期間 | 改修工事の完了の日から少なくとも10年間は専用住宅または居住サポート住宅として管理 |
計算例(当サイトの計算):改修費120万円 → 2/3で80万円。改修費180万円 → 2/3で120万円、上限の100万円。
中野区のページは、東京都にも専用住宅の貸主等が行う耐震改修、バリアフリー改修、見守り機器の設置、少額短期保険料等の費用を補助する制度(東京ささエール住宅貸主応援事業)があると案内しています。国の補助と自治体の補助の重ね方は住宅の国の補助と自治体の補助は併用できる?を参照してください。
確かめておくこと
- 建物が「既存の賃貸集合住宅」(1棟に賃貸住戸2戸以上、登記上の用途が集合住宅)か。オーナー・親族が住む住戸や事業用の貸し出しは除かれる
- 新築なら、自分が建築主かつ賃貸オーナーか(購入によるオーナーは対象外)
- 長期優良・ZEH水準の賃貸新築なら、事前相談と子育て世帯等向けの優遇家賃での募集ができるか
- セーフティネット住宅にするなら、家賃の上限、入居対象者、10年以上の管理期間を守れるか
- 同じ工事で国の補助を重ねていないか。自治体の補助は国費が入っていないか
出典
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業 事業概要(確認日 2026-09-30)
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業 対象要件の詳細(確認日 2026-09-30)
- 賃貸集合給湯省エネ2026事業 予算に対する補助金申請額の割合(確認日 2026-09-30)
- みらいエコ住宅2026事業 対象要件の詳細【賃貸住宅の新築】(確認日 2026-10-01)
- みらいエコ住宅2026事業 リフォーム(確認日 2026-10-01)
- 先進的窓リノベ2026事業 補助対象(概要)(確認日 2026-10-01)
- 空き家等をセーフティネット住宅・居住サポート住宅に改修する事業者を支援します!(国土交通省 報道発表 令和8年4月13日)(確認日 2026-10-01)
- セーフティネット住宅・居住サポート住宅の改修費支援(同 別紙)(確認日 2026-10-01)
- セーフティネット住宅に関する補助制度(中野区、更新日 2026年4月1日)(確認日 2026-10-01)
よくある質問
オーナーが住んでいる部屋も賃貸集合給湯省エネ2026の対象になりますか?
公式サイトは、賃貸借契約を締結しない、オーナーや親族等が居住する住戸は賃貸住戸に含まないとしています。対象は、1棟に2戸以上の賃貸住戸を持つ既存の賃貸集合住宅の賃貸住戸です。事業用に貸し出される住宅も対象になりません。
中古の賃貸アパートを買ったオーナーは、みらいエコ住宅2026の賃貸住宅の新築を使えますか?
使えません。賃貸住宅の新築の対象は、新築する賃貸住宅の建築主かつ賃貸オーナーである個人または法人で、公式サイトは「住宅の購入による賃貸オーナーは補助対象外」としています。既存住宅の断熱改修などは、リフォームの対象者に「住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人」が含まれています。
この記事の更新
- 2026年10月1日初版。各事業の公式サイト(賃貸集合給湯省エネ2026は2026年9月30日確認)、国土交通省の令和8年度の募集資料、中野区の公式ページで作成
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