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申請の基礎

耐震診断・耐震改修の補助金:国の支援は市区町村の制度を通じて受ける。木造住宅の定額115万円の意味と、名古屋市・船橋市の対象の違い

住宅の耐震診断・耐震改修への国の支援(住宅・建築物安全ストック形成事業)は、地方公共団体を通じた間接補助です。個人は住まいの市区町村の補助制度に申請します。令和8年度の国の交付率と、木造住宅の「国と地方で定額」175万・140万・115万円の意味、名古屋市と船橋市で違う対象の建築時期、計算例を整理しました。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

耐震診断・耐震改修耐震の補助は市区町村が窓口補助金ちず
写真: ayumi kubo(Unsplash)

住宅の耐震診断・耐震改修への国の支援は、住宅・建築物安全ストック形成事業(社会資本整備総合交付金等の内数)です。国土交通省の資料は、この事業を「民間事業者への直接補助ではなく、地方公共団体を通じた間接補助(地方公共団体による補助制度の整備が必要)」としています。

つまり、個人が国に申請する窓口はなく、住まいの市区町村(または都道府県)の耐震補助制度に申請します。自治体に制度がなければ、国の支援も受けられません。

耐震の補助のお金の流れ

国社会資本整備総合交付金等で、自治体の補助制度を支援する
地方公共団体耐震診断・改修の補助制度をつくり、国の交付金と自らの予算で補助する
住宅の所有者住まいの自治体の制度に申請し、交付決定を受けてから工事する

国への直接の申請はありません。制度の有無・対象・金額は自治体ごとに違います。

国の支援の中身(令和8年度・住宅)

国の資料の交付率は、国の負担だけでなく「国と地方で」合わせた割合で書かれています。

メニュー 対象 交付率・交付額(国の資料の表記)
耐震診断 住宅 民間実施:国と地方で2/3/地方公共団体実施:国1/2
補強設計等 住宅 民間実施:国と地方で2/3
耐震改修等・建替え・除却(個別支援) マンションを含む全ての住宅 マンション:国と地方で1/3/その他:国と地方で23%
パッケージ支援(補強設計等+耐震改修) マンションを除く住宅 国と地方で定額:密集市街地等(防火改修含む)175万円/多雪区域140万円/その他115万円(補助対象工事費の8割が限度)
省エネ改修の加算(耐震改修と併せて行う場合) 住宅 省エネ基準適合レベル30万円/戸(交付対象費用の4割が限度)/ZEHレベル70万円/戸(同8割が限度)
除却移転支援(令和8年度に拡充) 駅・バス停から1km超にある住宅(マンション除く)を除却し、800m以内(土砂災害特別警戒区域等を除く)に移転 国と地方で2/3。除却費200万円/戸、移転費65万円/戸が限度

定額の175万・140万・115万円は「国と地方の合計」

パッケージ支援の定額は、国の資料に「国と地方で定額」とあるとおり、国と地方公共団体を合わせた額です。国費だけでいくらになるかは、当サイトが確認した令和8年度の資料には書かれていません(当サイトで未確認)。

パッケージ支援の交付対象は「補強設計等費及び耐震改修工事費を合算した額」で、交付額は補助対象工事費の8割が限度です。国の算定の考え方に当てはめると、次のようになります(当サイトの計算。実際に個人が受け取る額は自治体の要綱で決まります)。

補強設計+耐震改修の費用 8割 「その他」区分の定額 低い方
120万円 96万円 115万円 96万円
200万円 160万円 115万円 115万円

自治体の制度の例:名古屋市と船橋市

同じ「木造住宅の耐震改修の補助」でも、対象になる住宅の建築時期が自治体によって違います。

項目 名古屋市 船橋市
対象の建築時期 昭和56年5月31日以前に着工 平成12年5月以前に新築(2段階耐震改修工事は昭和56年5月以前)
対象の住宅 2階建て以下の住宅(戸建て・長屋・共同住宅) 平屋または2階建ての木造住宅。在来軸組工法の一戸建てまたは併用住宅(ツーバイフォー工法・丸太組構法等は対象外)
耐震性の条件 市の木造住宅無料耐震診断で判定値1.0未満(段階的改修は0.7未満) 上部構造評点を1.0未満(2段階は0.7未満)から1.0以上に向上する工事
そのほかの条件 当サイトが確認したページの対象住宅の条件は上の2つ 所有かつ居住、市税の滞納がない。過去に耐震改修の助成金・貸付金を利用した住宅は対象外。市内に本店・支店・営業所等のある者の工事
補助の額 耐震改修工事費の5分の4以内。一般世帯は最大115万円、非課税世帯は最大165万円(1住戸当たり) 耐震改修工事費と工事監理費の5分の4(上限115万円)。2段階の場合は段階ごとに上限57万5千円
段階的な改修 1段階目 最大60万円(非課税世帯85万円)、2段階目 最大55万円(同80万円) 段階ごとに上限57万5千円
受付 4月から翌年1月末まで 令和8年度分は令和8年11月30日まで(予算に達し次第締切)
順番 交付決定を受けた後に工事契約・工事着手 契約の前に交付申請し、交付決定通知書を受け取る

名古屋市の無料耐震診断は「旧耐震基準の木造住宅無料耐震診断(昭和56年5月以前に着工したもの)」とされています。船橋市は、2段階の改修以外は平成12年5月以前の住宅まで対象を広げています。自分の住宅が対象になるかは、登記や確認済証などで建築(着工・新築)の時期を確かめたうえで、自治体の要綱で確かめる必要があります。

なお、両市の上限115万円は、国のパッケージ支援の「その他」区分の定額と同じ数字です。ただし、両市のページには国の区分との関係は書かれていません。

計算例(当サイトの計算)

名古屋市は、市の制度を使った住宅は「150万円から250万円(リフォーム工事は除く。)の耐震改修工事費が多いです」と案内しています。この範囲で計算すると次のとおりです。

耐震改修工事費 5分の4 一般世帯(上限115万円) 非課税世帯(上限165万円)
150万円 120万円 115万円 120万円
250万円 200万円 115万円 165万円

手続きの順番

耐震改修の補助の流れ(自治体の制度の例)

  1. 1自治体の耐震診断を受ける
  2. 2補強設計・見積り
  3. 3自治体へ交付申請
  4. 4交付決定
  5. 5工事の契約・着工
  6. 6完了報告
  7. 7補助金の受取り

名古屋市・船橋市とも、交付決定の前に契約・着工すると補助を受けられません。名古屋市は診断に3ヵ月程度かかるとしています。

交付決定と契約の順番の考え方は交付決定の前に契約・発注するとにまとめています。

税制の特例

国土交通省の資料は、住宅の耐震改修について次の税制の特例を示しています。

税目 内容 期限
所得税 耐震改修工事に係る標準的な工事費用相当額の10%等を所得税から控除 令和10年12月まで
固定資産税 固定資産税額(120㎡相当部分まで)を1年間1/2に減額 令和13年3月まで

名古屋市は、一般改修工事または段階的改修の2段階目の工事をした場合に、所得税控除や固定資産税の減額を受けられる場合があると案内しています。個別の適用は税務署・市区町村の税務の窓口で確かめてください。

確かめておくこと

  1. 住まいの自治体に耐震診断・耐震改修の補助制度があるか(国には直接申請できない)
  2. 住宅の建築(着工・新築)の時期が、自治体の対象の時期に入っているか(昭和56年5月31日以前か、平成12年5月以前か)
  3. 構造・階数・工法の条件(船橋市は在来軸組工法に限る)
  4. 自治体の耐震診断を先に受ける必要があるか、その期間
  5. 受付期間と、予算に達したら締め切るか
  6. 交付決定の前に契約・着工しないこと

ほかのリフォームの補助の探し方は住まいのリフォーム・省エネの補助金の探し方、国の補助と自治体の補助の併用は住宅の国と自治体の補助の併用にまとめています。

出典

よくある質問

国の耐震改修の補助に直接申請できますか?

国土交通省の資料は、この事業は民間事業者への直接補助ではなく、地方公共団体を通じた間接補助で、地方公共団体による補助制度の整備が必要としています。地方公共団体の補助制度については、住宅がある地方公共団体に問い合わせるよう案内しています。

木造住宅の定額115万円は国が出す額ですか?

国土交通省の資料では、175万円・140万円・115万円は「国と地方で定額」とされていて、国と地方公共団体を合わせた額です。国費だけの額は、当サイトが確認した資料には書かれていません。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。国の交付率・定額は令和8年度の国土交通省資料、自治体の例は2026年10月1日に確認した名古屋市・船橋市の公式ページ