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申請の基礎

バリアフリー・介護リフォームの補助:介護保険の住宅改修は20万円まで、工事の前に市町村へ申請。6種類の工事と、限度額が戻る2つの場合

手すりの取付けや段差の解消などの介護リフォームには、介護保険の住宅改修費の支給があります。支給限度基準額は20万円で、原則その9割(18万円)が上限です。対象になる6種類の工事、工事の前に市町村へ出す書類、要介護度が3段階上がったときと転居したときに限度額が戻る決まり、国の住宅省エネの補助のバリアフリー改修との違いを、厚生労働省の資料から整理しました。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

介護保険の住宅改修介護の住宅改修限度額は20万円補助金ちず
写真: ayumi kubo(Unsplash)

介護が必要になった家族のために、手すりを付けたり段差をなくしたりする工事には、介護保険の住宅改修費の支給があります。要支援・要介護の認定を受けた人の住宅改修について、支給限度基準額20万円の範囲で、費用の原則9割(上限18万円)が支給されます。

大事なのは順番です。厚生労働省の資料が示す流れでは、工事の前に市町村へ申請書類を出し、市町村が保険給付として適当かを確認します。支給は、工事が終わって費用を払った後の償還払いです。

介護保険の住宅改修の流れ

  1. 1ケアマネジャー等に相談
  2. 2施工事業者を選び見積りを依頼
  3. 3工事の前に市町村へ申請
  4. 4市町村が内容を確認し結果を教示
  5. 5工事の完成と事業者への支払い
  6. 6工事の後に支給申請
  7. 7住宅改修費の支給

やむを得ない事情がある場合には、工事完成後に申請することができるとされています。

対象になる6種類の工事

厚生労働省の資料が挙げる対象工事は次の6つです。

  1. 手すりの取付け
  2. 段差の解消
  3. 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  4. 引き戸等への扉の取替え
  5. 洋式便器等への便器の取替え
  6. その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

いくら支給されるか

項目 内容
支給限度基準額 20万円(要支援、要介護区分にかかわらず定額)
支給される割合 実際の住宅改修費の9割相当額(償還払い)
支給額の上限 支給限度基準額(20万円)の原則9割(18万円)

介護保険の利用者負担は、厚生労働省の「介護保険制度の概要」で「1割(2割・3割)負担」とされ、一定以上所得者は2割負担(平成27年8月施行)または3割負担(平成30年8月施行)です。住宅改修にこの割合を当てはめると、20万円の限度の中で支給される額は、計算上、2割負担の人は16万円、3割負担の人は14万円になります(当サイトの計算。住宅改修に即して2割・3割の上限額を示した厚生労働省の原文は、当サイトでは確認できていません)。

計算例(1割負担の場合・当サイトの計算)

住宅改修の費用 限度の対象になる額 支給額(9割) 自己負担
15万円 15万円 13万5千円 1万5千円
30万円 20万円 18万円 12万円

限度額を超えた分(例の30万円の工事なら10万円)は、全額が自己負担になります。

限度額が「戻る」2つの場合

20万円は「ひとり生涯」の限度ですが、厚生労働省の通知は、次の2つの場合に改めて20万円までの支給を受けられるとしています。

  • 介護の必要の程度が3段階以上上がった場合:最初に住宅改修費の支給を受けた工事の着工時点と比べて、下の段階が3段階以上上がった状態で行う住宅改修。この扱いは1回に限られます。
  • 転居した場合:限度額の管理は、現に住んでいる住宅に係る住宅改修費だけが対象です。
段階 要介護等状態区分
第六段階 要介護5
第五段階 要介護4
第四段階 要介護3
第三段階 要介護2
第二段階 要支援2 又は 要介護1
第一段階 要支援1 又は 経過的要介護

例えば、最初の住宅改修のときに要支援1(第一段階)だった人が要介護3(第四段階)になった場合は、3段階上がったことになります(当サイトによる表の読み方の例)。

工事の前に出す書類・工事の後に出す書類

時期 書類
工事の前 ①支給申請書 ②工事費見積り書 ③住宅改修が必要な理由書 ④住宅改修後の完成予定の状態が分かるもの(日付入り写真又は住宅の間取り図など)
工事の後 ⑤住宅改修に要した費用に係る領収書 ⑥工事費内訳書 ⑦住宅改修の完成後の状態を確認できる書類(改修前・改修後の写真。原則として撮影日がわかるもの) ⑧住宅の所有者の承諾書(住宅の所有者が利用者でない場合)

③の理由書を作れるのは、介護支援専門員、地域包括支援センター担当職員、作業療法士、福祉住環境コーディネーター検定試験2級以上その他これに準ずる資格等を有する者です。

国の住宅省エネの補助の「バリアフリー改修」との違い

国土交通省のみらいエコ住宅2026事業(リフォーム)にも、補助対象工事のメニューに「バリアフリー改修」があります。ただし、この事業は外に面した窓のある1つの居室(トリガールーム)で、窓や躯体の断熱などの決められた組み合わせの工事(要件化工事)を行うことが前提です。バリアフリー改修だけでは対象になりません。

項目 介護保険の住宅改修 みらいエコ住宅2026(リフォーム)のバリアフリー改修
対象になる人 要支援・要介護の認定を受けた人 住宅の所有者等(リフォームのページに世帯の属性による区別の記載なし)
前提 住宅改修が必要な理由書 1つの居室で断熱などの要件化工事を行う
申請する人 本人(被保険者)が市町村へ 登録事業者が事務局へ
詳しく この記事 みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)とは

同じ工事に両方の制度を使えるかどうかは、当サイトが確認した資料には書かれていません。両方を考えるときは、市町村の介護保険の窓口と、工事を請け負う事業者に確かめてください。

市区町村が独自に行うバリアフリーの補助の探し方は、住まいのリフォーム・省エネの補助金の探し方にまとめています。

確かめておくこと

  1. 要支援・要介護の認定を受けているか
  2. ケアマネジャー等に相談し、理由書を作ってもらえるか
  3. 工事が6種類のどれに当たるか
  4. 工事の前に市町村へ書類を出したか
  5. これまでに使った住宅改修費の額(20万円のうちいくら残っているか)
  6. 工事の前後の写真を、撮影日がわかる形で残しているか

出典

よくある質問

工事が終わってから申請できますか?

厚生労働省の資料では、住宅改修を行おうとする前に申請書や見積り、理由書などを市町村に提出する流れが示されています。やむを得ない事情がある場合には工事完成後に申請することができるとされていますが、その扱いは市町村に確かめる必要があります。

一度20万円を使い切ったら、もう使えませんか?

厚生労働省の通知は、要介護状態区分を基準とした「介護の必要の程度」の段階が3段階以上上がった場合(1回に限る)と、転居した場合には、改めて支給限度基準額20万円までの支給を受けられるとしています。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版

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