補助金ちず

申請の基礎

空き家の解体・改修の補助金:国の2つの事業は市区町村の制度を通じて使う。所有者負担1/5の仕組みと、松山市・日立市の解体補助の違い

空き家の解体(除却)や改修への国の補助は、空き家対策総合支援事業と空き家再生等推進事業で、どちらも市区町村が実施する取組を支援する事業です。所有者が解体する場合の国・地方・所有者の負担割合(2/5・2/5・1/5)、改修(活用)は10年以上の地域の活用が条件であること、老朽危険空家を対象にした松山市と、解体後の利活用を条件にした日立市の違いを整理しました。

更新公式ページの確認日 2026年10月1日補助金ちず 編集部

空き家の解体・改修空き家の解体は市区町村が窓口補助金ちず
写真: Erwan NONON(Unsplash)

空き家の解体(国の資料では「除却」)や改修への国の補助は、国土交通省の空き家対策総合支援事業と空き家再生等推進事業です。国の特別措置法関連情報のページでは、どちらも「市区町村向け」の財政上の措置に分類されています。

個人の所有者は、国に直接申請するのではなく、空き家がある市区町村の補助制度を通じて支援を受ける形になります。市区町村に制度がなければ使えず、対象・金額・受付期間は市区町村ごとに違います。

空き家の解体の補助の負担の分け方(所有者が解体する場合)

国市区町村の取組を支援する
地方公共団体補助制度をつくり、所有者に補助する
所有者残りを負担する

負担の割合は下の表のとおりです。市区町村が自ら解体する場合や、代執行の場合は割合が変わります。

国の2つの事業(令和8年度)

項目 空き家対策総合支援事業 空き家再生等推進事業
予算 令和8年度当初予算59億円の内数 社会資本整備総合交付金等の内数
事業期間 令和8年度〜令和12年度 ―
前提 空家法の空家等対策計画に基づき市区町村が実施する取組 空家等対策計画が対象とする地区で、居住環境の整備改善を図る取組
解体(除却)の対象 特定空家等の除却、跡地を地域活性化のために計画的に利用する除却等 不良住宅の除却、跡地を地域活性化のために計画的に利用する除却
改修(活用)の対象 地域コミュニティ維持・再生のために10年以上活用するための改修 地域コミュニティ維持・再生のために10年以上活用

負担の割合

実施する人 国 地方公共団体 所有者
解体(所有者が実施) 2/5 2/5 1/5
解体(市区町村が実施) 2/5 3/5 ―
改修・活用(所有者が実施) 1/3 1/3 1/3
改修・活用(市区町村が実施) 1/2 1/2 ―

代執行等(空き家再生等推進事業では略式代執行)の場合は、国1/2・市区町村1/2です。割合は国の概要資料(1ページの表)の配置から読み取ったものです。

例えば、所有者が実施する解体で、補助の対象になる費用が150万円の場合、国の資料の割合に当てはめると、国60万円・地方公共団体60万円・所有者30万円です(当サイトの計算)。実際の補助額は、市区町村の要綱の補助率・上限で決まります。

改修(活用)は「10年以上の地域の活用」が条件

国の2つの事業の「空き家の活用」は、地域コミュニティ維持・再生のために10年以上活用するための改修などです。国土交通省の資料の例には「地域活性化のため、空き家を活用し観光交流施設を整備」があります。自分が住むための一般的なリフォームを直接の対象にした事業ではありません。空き家を住まいとして直す費用の補助があるかは、市区町村の独自の制度を確かめる必要があります(当サイトでは市区町村の改修補助の例はまだ調べていません)。

NPO・民間事業者等向けには、モデル性の高い取組への支援(調査検討等は定額、改修工事等は除却2/5・活用1/3)があります。

自治体の解体補助の例:松山市と日立市

同じ「空き家の解体の補助」でも、どんな空き家を対象にするかで制度の性格が違います。

項目 松山市(老朽危険空家除却事業) 日立市(空き家解体補助金・利活用型)
対象の空き家 市内にある個人または相続人の所有する老朽危険空家である住宅。外観目視調査の点数の合計が100点以上 戸建住宅または併用住宅。解体時点で1年以上居住の用に供されていない等。昭和56年5月31日以前に確認を受けて建築。延べ床面積50㎡以上。特定空家等でないこと
補助の額 補助対象経費(税抜き)の5分の4(上限100万円。島しょ部は上限160万円。1,000円未満切捨て) 補助対象経費の3分の1(上限50万円)
解体の後の条件 ― 解体した日から1年以内に跡地の売却等・賃貸の契約を結ぶ、など
そのほか 令和8年度から上限を100万円に引上げ、島しょ部は160万円に拡充 解体工事費50万円以上。市内に本店または営業所を有する事業者の工事。補助は1人につき1回限り。空き家内の動産の処分費は対象外
申請の時期 交付決定の後に解体工事を契約(「交付決定前に契約した場合は、補助対象外」)。実績報告は令和9年1月29日まで 申請書類に解体工事の請負契約書・領収書・完了写真、跡地の売買契約書または賃貸借契約書等の写しが含まれる。令和6年4月1日以降に請負契約を締結した解体工事が対象。解体工事前に市へ相談が必要
受付 第1期 令和8年6月1日〜6月30日(危険度が高いものから優先)、第2期 令和8年8月3日〜募集枠まで(先着順)、第3期は未定 予算に限りがあるため、あらかじめ市に相談するよう案内
募集枠 第1期2,400万円、第2期1,200万円 ―

松山市は危険な空き家を減らすことを、日立市は解体した跡地の利活用を条件にしています。

手続きの順番も違います。松山市は交付決定を受けてから解体工事を契約する方式です。日立市は、申請時に解体工事の請負契約書・領収書・完了写真や、跡地の売買・賃貸の契約書の写しを出す方式で、市は「解体工事前に必ずご相談ください」「工事着手前の空き家の状況を確認する書類が必要」としています。どちらの方式かによって、相談・申請・契約の順番が変わるので、工事の前に市の窓口で確かめる必要があります。

松山市のページは、2026年10月1日の確認時点で、第2期の受付は申請額が募集枠に達したため終了したとしていました。第3期は詳細が決まり次第知らせるとしています。

計算例(当サイトの計算)

解体の費用(補助対象経費) 松山市(4/5・上限100万円) 日立市(1/3・上限50万円)
100万円 80万円 33万3千円程度(端数処理は市の要綱による)
180万円 100万円(144万円>上限) 50万円(60万円>上限)

手続きの順番

解体の補助の2つの手続きの型

松山市の型

  1. 1事前相談
  2. 2業者の見積り
  3. 3交付申請
  4. 4受付・審査と現地調査
  5. 5交付決定
  6. 6請負契約と解体
  7. 7実績報告と補助金の請求

日立市の型

  1. 1解体工事前に市へ相談
  2. 2解体工事の契約と工事
  3. 3跡地の売却や賃貸などの条件を満たす
  4. 4契約書・領収書・写真などをそろえて申請

確かめておくこと

  1. 空き家がある市区町村に解体・改修の補助制度があるか
  2. 対象の空き家の条件(老朽度の点数、建築時期、空き家になってからの期間、特定空家等かどうか)
  3. 解体の後の条件(跡地の売却・賃貸・公共的利用など)
  4. 施工業者の条件(市内の事業者に限るか)
  5. 受付期間・募集枠と、先着順か審査か
  6. 交付決定の後に契約する方式か、工事の後に申請する方式か。前者なら交付決定の前に契約しないこと(交付決定の前に契約・発注すると)

ほかの住まいの補助の探し方は住まいのリフォーム・省エネの補助金の探し方にまとめています。

出典

よくある質問

空き家の解体の補助は国に申請しますか?

国土交通省の空き家対策の2つの事業は、市区町村が実施する取組や、市区町村を通じた所有者の取組を支援するもので、国の特別措置法関連情報のページでは「市区町村向け」に分類されています。個人の所有者は、空き家がある市区町村の補助制度を確かめることになります。

空き家を自分で住むためにリフォームする費用も国の補助の対象ですか?

国の2つの事業の「空き家の活用」は、地域コミュニティ維持・再生のために10年以上活用するための改修などが対象とされています。自分が住むためのリフォームを対象にした補助があるかどうかは、市区町村の制度で確かめる必要があります。

この記事の更新

  • 2026年10月1日初版。松山市の受付状況は2026年10月1日に確認したページの記載